2025AMAスーパークロス最終戦

1月に開幕した2025AMAスーパークロスですが、長かったシーズンも今回ソルトレイクシティでようやく最終戦を迎えることに。
450クラスは、グレンデールで早々と負傷したチャンピオンのジェットをはじめ、最後のシーズンとなる予定だったトマック(現役続行の意思を示しておりKTMと交渉中)、ハンターなどが軒並み欠場。
しかし、チャンピオン争いはここ数年で1番の盛り上がりを見せ、トップのウェブとセクストンが9ポイント差という接戦に。2連勝中のセクストンが優勝してもウェブが5位以内に入ればチャンピオンが決定するというシチュエーション。
そして450クラス以上に接近戦なのが250クラス。最終戦は恒例のショーダウン!
ウエストシリーズはディーガンが前戦デンバーでチャンピオンを決めましたが、イーストシリーズはトップのビアル、ハマカー、ハンプシャーが3ポイント以内にひしめく超々接近戦!
実質、勝ったライダーがチャンピオンに輝くという超シビれる展開となっております。
オズボーン、スミス、サバッジーの3人がそれぞれ1ポイント差で繰り広げた2018年年の再来とも言われています。
そして、日本の下田は開幕戦で見事な優勝を果たしたあと、ありえないピットボードトラブルで骨折し、その影響で最後まで苦しみに苦しみぬいたシーズンとなってしまいまいました。回復傾向にはあるものの、なかなか上位には食い込めず、前戦デンバーでも徐々に追い下がる展開で9位。
来シーズンはホンダの残留が難しいと言われており、古巣プロサーキットへの復帰、もしくはハスクバーナで450クラスという噂もあります。
450 CLASS QUALIFY
負けられない戦い!シーズン6勝(最多勝)を挙げ、2連勝中のセクストンがトップタイム!スピードは間違いなく一番ですが、もったいない取りこぼしも多く、ウェブ相手に9ポイント差はかなり厳しい状況ですが、攻めるしかない極限の状況でトップタイムはお見事。
2番手には後半戦で一気に開花した感のあるクーパー。苦手なフープスも克服傾向で、250時代から見せていた圧倒的なスピードを450でも披露するようになりました。
どちかといえばトマックタイプのライダー。
3番手はチャンピオンに王手をかけているウェブ。今シーズンはしっかりとタイムドプラクティスからタイムを出し、ライバルへのプレッシャーはもちろん、レースDAYを有利に進めています。 どうしてもウェブ有利の見方。
そして、今シーズンはキャリア初表彰台も獲得し、ようやく本来の強さを発揮するようになった好調マケラスが5番手!マディの表彰台がフロックではないことを証明。
復帰後も昨年と同様なクレイグが10番手。
250 CLASS QUALIFY
WEST
ランキング3位につけるビューマーがトップ!開幕戦2位、第2戦で優勝と、一気にスターダムを駆け上がったKTMファクトリーのビューマーですが、その後、負傷により5戦連続で表彰台に登壇できず、結果的には苦戦の一年となりました。
しかし、間違いなく実力はディーガンレベル。デービス、ディーガン、ビューマーが次世代代表になる予感。
そのデービスは、1回目のタイムドプラクティス時にスピーダウンした際、後続のスミスに突っ込まれ激しくクラッシュ。すぐに病院に運ばれましたが、肘や肺の負傷でまさかの欠場となりました。
2番手にはチャンピオンを決めたディーガン。チームメイト相手の激しいアタックが物議を醸していますが、良くも悪くもそれがディーガンスタイル。間違いなくナンバーワンの人気と注目度で、パドックは常に人だかりが出来ていています。
3番手にはルーキーのアダムス。積極的にルーキーを送り出すスターレーシングとは対照的に、今年は大事に参戦するスタイルでしたが、2戦目にして早くも負傷し、前戦デンバーから復帰。復帰直後にこの順位はお見事ですが、ライバルだったデービスは遥か先を行く存在になってしまった印象が否めません。
EAST
ビアルと1ポイント差の2番手につけるハマカーがトップタイム!
負傷により長年途中欠場を続け、フルシーズンを戦うことができたのは今年が初めてのハマカーですが、今年はハンター兄弟と同じトレーニングプログラムに参加し、一気に開花!
勢いはビアルよりも勝りますが、チャンピオン争いは昨年のチャンピオン二人が相手なだけに、経験の差を勢いで上まるしかないでしょう。
2位につけたのは、こちらも勝つしかない状況のハンプシャー。今年は開幕戦で大きく失速し、いきなり窮地に立たされましたが、粘り強いレースを続け、チャンピオン争いに復帰。手首の状況が良くないらしく、スーパークロスシーズン終了後に手術が予定されています。
3番手にはランキングトップのビアル。表彰台には登壇するものの優勝がなく、チャンピオン争い的には3番手のライダーでしたが、混戦のナシュビルで力強いライディングを披露し優勝!さすがの世界チャンピオンという印象でした。
250 HEAT RACE
EAST HEAT
ホールショットのハンプシャーをやや強引にかわしたハマカーがトップに!ハンプシャー、ビアルとチャンピオン争いの渦中にあるライダーが揃い、ヒートレースからシビれる展開に!
等間隔で走行を続けた3選手でしたが、ラスト2周でハンプシャーがまさかのクラッシュ。激しい転倒でしたがすぐに立ち上がり再スタートを試みますが、ワイヤーが絡み、まさかまさかの10位でラストチャンスへ・・・波乱の展開・・・。
レースはハマカーがビアルに五秒以上の差をつけてトップ。
5番手のタイムを出しながらも、レースになるとなかなか上がって来れないフォークナーがもどかしい。
WEST HEAT
圧巻のスタートを見せたディーガンがホールショット!2番手ビューマー、下田は4番手につけますが、2コーナーで追突され、多重クラッシュ発生。
逃げるディーガンは一時3秒近くの差をつけて独走していましたが、リズムセクションのワンミスでビューマーに逆転され、その後は様子見?ややペースを落として2番手フィニッシュ。
前戦からキレが戻ってきたビューマーがトップ。
下田は転倒後一気に順位を回復し、メイン出場圏内まで追い上げるものの、9位のロングを抜きあぐねている間にマーチバンクスにフープスでかわされ、予想外にギリギリの9位でチェッカーを受けることに。
デービスとのクラッシュ後、強行出場したスミスでしたが、スタートはしたものの負傷の影響が大きくリタイア。
450 HEAT RACE
HEAT 1
ホールショットのプレシンジャーと2番手のマルコムが終始接近戦!3番手のクーパーのほうが勢いがあるが、ジャンピングフープスのため、フープスだけで離され苦戦。
久しぶりに4番手につけたクレイグですが、フェランディス、ヒルに立て続けにかわされる展開。
ラストラップのフープスをウイリーでこなしたマルコムがプレシンジャーに並びますが、プレシンジャーの逃げ切り!
シーズン序盤は不調に苦しみますが、デイトナの表彰台登壇をきっかけに好調を維持し続けたプレシンジャー。KTMとの契約延長も発表され、ますます期待が高まります。
引退レースのチゾムも二戦連続でヒートからメインへ。37歳の大ベテランですが、年々速くなっていて引退はもう少し先延ばしでもいいのでは・・。
HEAT 2
ホールショットはランキングトップのウェブ!出遅れたセクストンですが、圧倒的なフープスのスピードで追い上げ、あっさりとウェブをかわすとあっという間に差を広げ、ヒートレースで6秒の差をつけトップフィニッシュ!
深追いする必要のないウェブは、まだまだ様子見的なスタンスでした。
ハンター兄弟の欠場を受け、ピンチヒッターとして参戦を開始したベテランのウィルソンですが、フープスの速さを武器に、ウェブに離されることなく3番手フィニッシュ。久しぶりに長身を生かした柔軟なライディングが見られました。
好調マケラスもチームメイトのサバッジーをかわして4番手。
LCQ
250 CLASS
ヒートレースでまさかの転倒を喫したハンプシャーがホールショットから危なげないライディングでトップチェッカー。一安心。
アマチュア時代はスターレーシングに所属し、デービスと入れ替わりでプライベートチームへと出向したルーキーのタワーズはギリギリ4位でメインへ。
450 CLASS
ホールショットの実力者ケビン・モランツがスタートから一度もトップを譲ることなくトップフィニッシュ。ラスちゃんの帝王ノレンはヒートレースのスタート直後に激しく転倒した影響か?少し制裁を欠きますが3番手。2番手は元スターレーシングのハリソン。
MAIN RACE
【250 CLASS】
ヒートレース同様に強烈なスタートを見せたディーガンがホールショット!
注目のチャンピオン争い、ビアルとハマカーが接近戦!それに追い付いたハンプシャーが三つ巴の接近戦で3番手争い!
ビアルが遅れますが、勝負を急いだハンプシャーがハマカーを巻き込んで転倒し、再びビアルが3番手に浮上!
ディーガンは10秒以上の大差でトップチェッカー!そしてチャンピオン争いは転倒後追い上げたハマカーを抑えたビアルが逃げ切り2年連続のチャンピオン獲得!!!!
1.HAIDEN DEEGAN
強い強い強い!まさに250クラス最強のライディングでショーダウンを制しました!SMXのチャンピオンは獲得しているものの、AMAスーパークロスのチャンピオンは初めて。
アウトドアはもっとイケてるので全勝を目論んでいるそう。
2.JULIEN BEAUMER
当り強さも復活し、しぶといレースを見せたビューマーが連続の2位で復調。3年目となる来シーズンは間違いなくチャンピオン候補筆頭でしょう。アウトドアも得意なライダーなので期待。
3.TOM VIALLE
すごい・・・。やっぱり世界チャンピオンは凄い。大事な大事なレースできっちりとスタートを決め、ハンプシャーとハマカーの転倒に助けられたとはいえ、それも勝負の世界。シーズンを通して影の薄い存在でしたが、大事なところで最高の結果を出してくるのはやっぱりすごい。2年連続のチャンピオンとなり、来年は250クラスを走ることはできないので、ステップアップ確定。KTMにはトマックの加入が噂されていますが、450に3台体制となるのか。それとも・・・。
4.SETH HAMMAKER
渾身の追い上げも叶わず・・・。ここまで好調なシーズンは初めてだったので、獲っておきたかった・・。しかし、スタート、スピードともにイーストシリーズ最強、そして前回のショーダウンも制し、一皮剥けた感が凄いので、来シーズンも期待大。
5.MICHAEL MOSIMAN
完全復活の今シーズンはレース後半に順位を下げることが多く、なかなか結果に繋がらなかったモジマンですが、最後の最後、しかもショーダウンで結果を残しました。表彰台も獲得し、タイムドプラクティスでも上位に食い込むことが増え、実力者モジマンが復調した年でした。
6.R.J.HAMPSHIRE
最後の最後までハンプシャーらしい。あの位置から見せた渾身の追い上げは見事しか言いようがありません。力強かった。そして、行き過ぎてしまうのも実にハンプシャーらしい。チャンピオンは逃しましたが、やっぱりハンプシャーは強いを印象付けたシーズンでした。
7. GARRETT MARCHBANKS
欠場がありながらも以前のような輝きとスピードを取り戻した感のあるマーチバンクス。序盤は苦戦しましたが、プロサーキットのライダーとしてシーズンを全うし、表彰台、そしてヒート勝利もあり、来年に期待が持てるシーズンだったと思います。
8.JO SHIMODA
スタートの選択順位の問題もあるにせよ、スタート19番手ではやっぱり存在感を示せず・・。好調から一転、不調となったシーズンが終了しました。アウトドアではむせてくれるはず!
9.COTY SCHOCK
今年も根性のライディングを随所で見せてくれました!
10.DREW ADAMS
ルーキー!デービス世代の筆頭として来年に期待!
【450 CLASS】
ホールショットのプレシンジャーを1周目に交わしたウェブがトップへ!徐々に追い上げたセクストンがウェブをかわすと、一気に独走状態に持ち込みます。
追う必要のないウェブはクーパーを従えながら順位をキープしますが、追い上げてきたマルコムにかわされると、ポジションを守り切るライディングに切り替え、最終的には4位でチェッカーを受け、三度目となる450クラスチャンピオンを獲得。
レースはセクストンが独走優勝。
1.CHASE SEXTON
速い!しかし、チャンピオン獲得ならず・・・。シーズンを戦うのは難しいというのを痛感したシーズンだったことでしょう。ジェットがいなくなり、セクストンの年になると誰もが思ったシーズンでしたが、ウェブのしぶとさ、強さに屈しました。来年はカワサキに移籍という情報もあり、新しいセクストンが見られそうです。
2.MALCOLM STEWART
完全復活の年!一昨年はシーズンのほとんどを負傷のため欠場し、昨年は復活したもののなかなかトップ6に食い込むことができず・・。しかし今年は念願の初優勝を果たしただけでなく、コンスタントに上位に顔を出し、表彰台にもたびたび登壇する活躍を見せ、素晴らしいシーズンとなりました。もう32歳。キャリアの後半に差し掛かりましたが、まだまだ輝くマルコム。来年も契約を更新したとの情報もあるので、さらに楽しみです!
3.JUSTIN COOPER
今日もまたジャンピングマン。ヒートからメインまで一度もスキミングすることなくジャンピング一筋で貫きました。今回はジャンピングでこなすと後にあるジャンプを3個飛びできたので、少し有利な点もありましたが、セクストンに勝負を挑むためにもスキミングのスキルが必須になってくるのでは。抜きたいけど抜けないチームメイト同士のどかしさバトルも見ものでした。
4.COOPER WEBB
三度目のチャンピイオン獲得!今年一番速かったのはセクストンでしたが、一番強かったのはウェブでした。スタートを決めた時点で9割は決まったようなチャンピオン獲得劇でしたが、本人にとっては長い20分だったことでしょう。
5. JOEY SAVATGY
復帰後そしてホンダ移籍後の最上位を獲得!チームメイトのマケラスの好調に引っ張られる形で二人とも調子を上げ、格上と見られていたフェランディスよりも存在感がありました。シーズンオフに海外のスーパークロスに出場し続けた効果か。
6.AARON PLESSINGE
ホールショット獲得からの、セクストンを意識した途端一気に後続にかわされ、一時は8番手まで後退する姿は謎でした。最終的にはトップ6。
7.DEAN WILSON
代抜擢後最上位!当初はトップ10と言っていたので、7位はお見事。引退したり戻ってきたりと忙しいウィルソンですが、オープニングセレモニーでもいまだに大人気のライダーだし、実力的にもトップ6を狙えるライダーなのでまだまだ走って欲しい。
8.JUSTIN HILL
飛躍の年となったヒル。ダンジーと同期のライダーで、ファクトリー経験も豊富ですが、消防員になった後に突然復帰し、その後二年間は苦戦が続きましたが、元来のキレとセンスは衰えていませんでした。ヒル、マケラス、サバッジー、ウィルソンのおかげで450の中間層が厚くなった今シーズンでした。
9.SHANE MCELRATH
惜しかった・・・。中盤まで4番手につけ前を追いましたが、コーナーで単独転倒。しかし、マケラスも今年は大きく存在感が増し、まだまだいける事を十分に証明した一年でした。
10.DYLAN FERRANDIS
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