2025全日本モトクロス選手権 第4戦予選レポート

全7戦が設定されている2025年の全日本モトクロス選手権は、早くもシーズンのちょうど真ん中となる第4戦中国大会を迎え、6月14日(土)には各クラスの予選などが実施された。
今大会の舞台は、広島県の世羅グリーンパーク弘楽園。昨年の中国大会は開幕直前に急遽中止となったことから、約2年ぶりの全日本開催となった。
土曜日は朝から雨が降り始め、昼前から本格的な雨模様。これにより、午後の予選はマディに近いコンディションでのレースとなった。
【IA-1】

予選レースは10分+1周の設定。決勝フルグリッドに満たない25台が出走して、30分+1周の2ヒートで翌日に実施される決勝のスターティンググリッド選択順位を決めた。
レースは、ヤマハファクトリーチームのジェイ・ウィルソン(#1)が好スタートを決めるも、最初のターンで転倒し、これでヤマハセカンドチームから参戦する大城魁之輔(#8)がまずはトップに。
これをホンダサポートの大倉由揮(#4)や横山遥希(#2)、カワサキを駆る内田篤基(#10)らが追った。

レース前半、大城は3~4秒のリードをキープしながらトップを走行。ところが4周目、下りタイトターンで単独転倒し、この間に大倉が先頭に立った。
大城がすぐにマシンを引き起こし、2番手でレースに復帰。

レースは6周でチェッカーとなり、約5秒先行した大倉が予選トップ、大城が2位、大城を約3秒後方で追い続けた横山が3位、同じく約3秒差で横山を追った内田が4位となった。
ここから9秒ほど離れて、ヤマハに乗る浅井亮太(#38)が5位、カワサキファクトリーチームの能塚智寛(#5)が6位。
ホンダを駆る大塚豪太(#6)が7位、カワサキ乗りの安原志(#7)が8位、1周目の転倒から追い上げたウィルソンが9位、ホンダユーザーの池谷優太(#12)が10位となっている。
【IA-2】

IA2クラスの予選は、41台が2組にわかれて10分+1周のレースを戦い、この各組上位15名が決勝に進出する方式とされた。そのA組は、石平凌大(#26)がホールショット。
これに道脇右京(#47)が続くも、1周目前半に転倒し、混戦の中で追い上げてきた中島漱也(#1)が2番手に浮上した。
2周目、中島が石平をパスしてトップに。3周目以降に後続を引き離し、中島が独走でチェッカーを受けた。

3周目には、石平を抜いて柳瀬大河(#5)が2番手。こちらもその後に後続からリードを奪い、組別2位でゴールした。
一方、3番手に後退した石平には、レース終盤になって鈴村絆(#40)を抜いた佐々木麗(#9)が迫り、最終ラップとなった6周目には接近戦。
しかしここは石平が順位を守り、石平が組別3位、佐々木が4位、最後に鈴村を抜いた今岡駆太(#35)が5位となった。

B組は、両ヒートを制覇した今季開幕戦以来の全日本参戦となったブライアン・シュー(#53)がホールショット。
これに横澤拓夢(#2)が続くも、最初の周だけでシューが4秒ほどのリードを奪った。
その後もシューの速さは圧倒的で、どんどんリードを拡大。終わってみれば6周のレースで20秒以上も後続を離し、シューが独走でレースを制した。
一方、2番手の横澤も後続を離して単独走行となり、そのまま2位でゴールした。

一方、混戦となったのは3位争い。レース前半から、スポット参戦した大ベテランの勝谷武史(#55)を、森優介(#16)と吉田琉雲(#14)が数秒差でマークする展開が続いた。

さらに、出遅れていた田中淳也(#4)もレース後半にこの3台に追いつき、最後4台による接近戦に。そして、最終ラップに勝谷を抜いた森が3位、勝谷が4位、吉田が5位、田中が6位となった。
ゴールタイムはB組のほうが圧倒的に速く、予選総合トップはシューで、同2位に中島、3位に横澤、4位に柳瀬……となっている。
【レディース】

予選出走台数は21台。わずか3周のレースで、15分+1周の1レースのみ実施される決勝のスターティンググリッド選択順位を決めた。好スタートを決めたのは箕浦未夢(#6)。
これに穗苅愛香(#8)と楠本菜月(#4)が続いた。今季ここまで決勝をすべて制している川井麻央(#1)は、スタートでやや出遅れたものの、1周目に大久保梨子(#12)や松木紗子(#10)をパスした。

トップの箕浦は、オープニングラップに約4秒のリードを築くと、2周目以降もこれを守って快走。トップチェッカーを受けた。
3周目に入る段階で、穗苅が2番手、楠本が3番手をキープし、川井が楠本に肉迫。そしてこのラストラップで、川井が楠本をパスした。さらに、穗苅がミスして4番手後退。

これにより予選トップは箕浦、2位は川井、3位は楠本、4位は穗苅、5位は松木、6位は大久保となった。
なおこのクラスには、「予選中に記録したベストラップタイムが、上位3名のベストラップタイム平均値から130%以内」という予選通過基準タイムも設けられており、21台中9台がこれをクリアできなかった。