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2022 MXON 現地レポート

優勝は開催国アメリカ

2022モトクロスオブネイションズが終わりました。
優勝を果たした国は、実に11年ぶりの勝利となった地元アメリカ。
常勝国だったアメリカ代表が11年間も勝てなかったことには驚きですが、フランスをはじめとしたヨーロッパ勢の台頭が目覚ましいこの11年間でした
そんな苦戦を強いられていたアメリカが、地元開催で復活優勝を果たすという最高のドラマに、現地のファンの喜びは尋常ではないくらいの激しいものに。
優勝国を讃える表彰式では、狂喜乱舞のファンが押し寄せ、物凄いことになっていました。

日本代表の結果

我らが日本代表はというと、AMAで大活躍の日本人、下田丈選手が初の日本代表メンバーに選出。
先日の全日本モトクロス名阪大会で、圧倒的な速さを見せて勝利したこともあって、日本のモトクロスファンの間では、これは表彰台も狙えるのではないかという声も聞こえたほどでした。

下田選手の出場クラスは、MX2クラス。今年のレースで使用したマシンをFIM仕様にし、所属チームのプロサーキットが下田選手の為だけにパドックを作り、スタッフはチームJAPANのユニフォームを着用するというサプライズもあり、話題を呼びました。

MXGPクラスには、こちらも初選出の大倉由揮選手。シカゴにあるオヘア空港から、ネイションズ開催地のレッドバッドまで車で二時間ほどかかるのですが、道中一緒だったこともあり、色んな話をさせてもらいました。
代役での出場ということで、本当に少ない準備期間の中で、やれることを精一杯やってきたんだなという印象でした。

OPENクラスの代表に選出されたのは、鳥谷部晃太選手。全日本モトクロスではIA2に参戦しているので、450のマシンでOPENクラスを走るのに不安はないのかと思って質問してみたのですが、乗り込みも十分にし、マシンテストでも積極的に450を乗らせてもらったことで、不安はなしとのこと。
頼もしい言葉を聞くことができました。

そんな中迎えた予選では、大倉選手が好スタートから粘る快走を見せ、24位。レッドバッド名物「ラロッコズリープ」にもチャレンジするなど積極的な姿が印象的でした。
次に行われたのが、エース下田選手が出走するMX2クラスの予選。くじ引きによるグリッド抽選で日本は24番手となり、不利な位置からのスタートを強いられたこともあり、大きく出遅れていまします。
その後、前走車の転倒に巻き込まれたり、単独でのクラッシュなど、焦りが見られ、12位でゴール。
予選通過ギリギリのボーダーラインにいることで、鳥谷部選手の走りに期待がかかりましたが、荒れに荒れたコースに、なかなかペースを掴ませてもらえず23位。
初参戦、しかもマシンの乗り換えもあった中で健闘しましたが、総合22位で日本代表はファイナル進出を果たすことができず、日曜日のB決勝に全てを賭けることになります。

迎えた日曜日、朝からかなりの量の雨が降り、コースは一気にマディコンディションへと変貌します。サンド質のレッドバッドは水捌けが良く、スタックするようなコンディションにはなりませんが、その分、深く惚れた轍と、粒の細かい土がライダーを苦しめます。
スタートグリッドイン側を選択した下田選手と大倉選手に対し、選択順番が後となる鳥谷部選手はアウト側。1コーナーではアウト側で激しい多重クラッシュがあり、鳥谷部選手は出遅れてしまいます。
大倉選手はイン側からスルスルと伸びる好スタートを見せ、3、4番手で1コーナーを処理しますが、排気量で劣る下田選手は9番手あたりと出遅れてしまいます。
しかしそこから格の違いを見せ、勢いよく上位グループに絡んでいくのですが、惜しくも転倒。その後も転倒があり、最終的には11番手。
大倉選手は5番手で粘りますが、最終的には8番手、そして追い上げた鳥谷部選手が13番手となり、日本の総合ポイントは19点。
惜しくもファイナル進出とはなりませんでした。
このレースで快走を見せたのが、ニュージーランドのブロディ・コノリー選手。250のマシンながら終始トップを快走し、450のマシンを抑える姿はお見事でした。

日本代表の結果に対して思ったこと


ここ数年の間、予選を通過することが出来なかった日本代表。今年こそはと誰もが思ったことでしょう。
実際に、初参戦となった大倉選手と鳥谷部選手の予選の成績は、過去の日本代表の予選成績から見ても十分賞賛に値するものではないかと思います。
そこに下田選手の12位という順位があれば、予選通過は見えていたと思うのですが、それでも決勝に進めない難しさがあるのがネイションズなのでしょう。
まさかこのメンバーで予選落ちるとは。というのが正直な感想です。
そこには団体戦ならではの難しさ、戦略、さまざまな要素が絡み、そしてそれを出しきってようやく予選通過が見え、決勝での活躍が期待できるのだと思います。
しかし、このTeam JAPAN PROJECTという、ネイションズだけに特化した組織は、今年始まったばかりです。
代表理事である元木氏のディレクション力が強烈に発揮され、たくさんの協力のおかげで初年度とは思えないような、過去にも類をみない体制で挑むことが出来たのではないかと個人的には思っています。
来年度以降、さらにこの体制を強化し、今年足りなかったものを積み上げていけば、きっと日本代表の表彰台は見えてくるのではないかと思います。
今後のTeam JAPAN PROJECTの活動に、大きく期待したいと思います。

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