2022全日本モトクロス第3戦プレビュー
2022年第3戦SUGO大会 現地観戦ガイド&観戦のポイント
2022年7月16日(土)~17日(日)に開催されるD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ第3戦SUGO大会。その舞台となる宮城県・スポーツランドSUGOのコース概要やアクセス情報や周辺状況、現地での楽しみ方、レースの注目ポイントなどをお伝えします!
かつて世界選手権も開催された名コース!
今季も全7戦が予定されている2021 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ。前戦から約2ヵ月間の調整期間を挟んで2022年7月16日(土)~17日(日)に開催される第3戦の舞台は、宮城県のスポーツランドSUGOです。今大会後には再び2ヵ月近いインターバルが設定されており、第4戦以降は比較的密集したスケジュールとなるため、今大会が早くもシーズン前半戦最後の大会という位置づけです。
宮城県南部にあるスポーツランドSUGOは、かつてスーパーバイク世界選手権が開催されたこともあるオンロードサーキットや、現在でも全日本スーパーモト選手権の開催コースに組み込まれているカートコースなども有し、全日本トライアル選手権や全日本エンデューロ選手権まで実施される広大な複合モータースポーツ施設です。
公共交通機関でのアクセスはあまり便利ではないのですが、東北道・村田ICからは15分ほどの距離にあり、クルマやバイクでのアクセス性は良好。しかもバイクなら、駐車料金は無料です(クルマは1区画1000円)。
アップダウン豊富なダイナミックコース
スポーツランドSUGOのインターナショナルモトクロスコースは、今から15年ほど前にモトクロス世界選手権を誘致した経歴も持ち、東北地方モトクロス界の中心的な存在。ふたつの丘にまたがるようにレイアウトされ、その斜面や谷地といった自然の地形を生かした豊富なアップダウンも特徴としています。コースの序盤には、斜度が約30度で長さが約70mもある上りの「大坂」、メインエリアから見ると “丘の向こう”となるエリアにはハイスピードな「ヨーロピアンセクション」もあります。
これまでも、全日本開催に合わせてレイアウトの一部変更などが頻繁に加えられてきたSUGO。ハイスピードセクションから低速ターン、多彩なジャンプやリズムセクション、そして大坂に代表されるアップダウンと、攻略には総合的なライディングスキルが求められます。マディレースでは“修羅場”と化すことも多いコースですが、今年は全国的に梅雨明けが早く、今大会はドライコンディションかつ猛暑でのレースとなる可能性が高そうです。
SUGOには昔から、スターティングエリア左側(表彰台正面)にコンクリートのスタンド席があったのですが、近年はそれに加えて大坂の横などにも観客席の整備が進められました。飲食店ブースも複数ヵ所に分散されるなど、観戦環境の向上が進められています!
最高峰クラスのIA1は前戦に続いて3ヒート制!
今季、最高峰クラスのIA1は全7戦のうち3戦で3ヒート制を導入。今大会は、前戦に続いて15分+1周のレースとなります(通常は30分+1周の2ヒート)。コース幅が広めで、比較的パッシングポイントが多いSUGOですが、とはいえスタートで出遅れると苦しくなることは間違いなし。そしてSUGOのスタートは、ストレートから一気に180度ターンとなり、その後すぐに切り返しの右90度ターンが待つため、1コーナーに対してイン側が有利な傾向とはいえ、大外を選択したライダーが先行することもあります。混戦必至のスタートに、まずは注目しておきましょう!
IA1はこのライダーに注目!
最高峰クラスのIA1は、開幕から2大会5ヒートを終えた段階で、ヤマハファクトリーチームの富田俊樹選手(#2)が3勝をマークしてランキングトップ。カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#3)が、1勝ながら2位を3回獲得してランキング2番手につけています。15分+1周のレースでこれまでも強さを発揮してきた能塚選手は、やはり第2戦でも2位/2位/優勝と好成績。能塚選手が持ち前の瞬発力で富田選手との15点差を埋めてくるか、あるいは15分+1周に対する対策を強化して富田選手がさらに差を広げるか、ここがまずは見どころです。
上位入賞候補としては、ホンダのマシンを駆るベテランの小方誠選手(#5)やヤマハファクトリーチームの渡辺祐介選手(#4)も挙げられますが、加えて活躍が期待されるのが、IA1ルーキーとなる大城魁之輔選手(#22)と大倉由揮選手(#23)。いずれもホンダのサポートチームから参戦し、第2戦ではそれぞれ1回ずつ3位表彰台に登壇しています。スピードでは、すでに先輩たちと互角に近いレベルにある大城選手と大倉選手。スタート次第では、IA1の参戦初年度に初優勝……なんてこともあり得そうです。
IA2はこのライダーに注目!
若手中心で競われるIA2クラスには今季、若手育成や技術開発などの幅広い役割を目的として、ヤマハファクトリーチームがオーストラリアのトップライダーであるジェイ・ウィルソン選手(#16)を起用してフル参戦。2ヒート制だった第2戦のヒート1では、何度も転倒を喫しながらも追い上げて優勝し、力の差を見せつけました。もちろん今大会でも、優勝候補の筆頭です。
これに立ち向かう日本人ライダーたちの中では、ヤマハのマシンを操り開幕戦で3ヒートとも2位に入賞した小川孝平選手(#17)と、ホンダを駆る鈴村英喜選手(#9)が、ポイントランキングではやや抜け出した状態。さらに、第2戦はケガで欠場したヤマハユーザーの中島漱也選手(#5)、カワサキのマシンに乗り第2戦ヒート2では3位表彰台に立った西條悠人選手(#7)、同じく第2戦のヒート1で3位となったヤマハのマシンを操る浅井亮太選手(#21)、ホンダを駆る柳瀬大河選手(#10)、カワサキに乗り第2戦ヒート1でIA初表彰台となる2位を獲得した鴨田翔選手(#11)が、ランキングでは混戦状態で続いています。この中からウィルソン選手を倒すライダーが現れるのか、それともやはりウィルソン選手が圧勝するのか、注目が集まります。
なおこのクラスには、これまでも何度か全日本にスポット参戦してきた大ベテランの勝谷武史選手(#25)が、カワサキのマシンでエントリーしています。
Ladiesはこのライダーに注目!
昨年は、ホンダ4ストに乗る川井麻央選手(#1)が圧倒的な強さを見せて2年連続でシリーズタイトルを獲得。ところが今季はその川井選手に転倒が相次ぎ、川井選手のチームメイトで同じくホンダ4ストを駆る小野彩葉選手(#4)が、開幕戦で全日本初優勝を達成すると、第2戦でも勝利を収めました。今季、小野選手のレベルアップは顕著で、川井選手の転倒を抜きにしても勝利にふさわしい状態。第3戦のSUGOでは、小野選手と川井選手の熱いバトルに期待したいところです。
また、開幕戦では3位、第2戦では自己最高位を更新する2位と、こちらも昨年より速さに磨きがかかった楠本菜月選手(#5)も、注目しておきたいライダーのひとり。さらに、開幕戦2位の久保まな選手(#3)、第2戦で3位となった畑尾樹璃選手(#27)、今季はケガの影響もあってここまで表彰台に上がっていない本田七海選手(#2)も、上位入賞の可能性が濃厚なライダーです。
チケット情報はこちら