2024AMAスーパークロス第10戦
今期二度目のトリプルクランとなるインディアナポリス!ここ数戦はマディのレースが続きましたが、今回は屋根付きのスタジアムということで一安心。しかし、土質なのか?コースはいたるところに轍ができる難しいコンディション。フープスもすぐに削れてほとんどのライダーがジャンピングを多用する展開。
250クラスは前戦、ハマカーへの暴言、そしてコースアウト後の侵入(2順位降格のペナルティ)、さらにはメインのファイナルラップでコーディ・ショックへのアタックなど、数々の物議を醸したハイデン・ディーガンが未だ噛み合わないレースを続ける中、ビアルが一歩抜け出した印象。
そして、ディーガンのアタックにより鎖骨を骨折したコーディ・ショックですが、月曜日に手術をうけ、なんと今回強行出場!熱い!
450クラスも同じく、セクストン、トマック、アンダーソンなどが苦戦する間にルーキーのジェットが力強さを発揮。デイトナの負傷で欠場していた兄ハンターが今回より復帰。対してフェランディスはこのレースを病気で欠場のアナウンスがありました。
トリプルクラウンとは相性が悪いと公言するジェットが勝ち切るのか、それとも・・・
Qualifying
450 CLASS
ジェットローレンスが連続のトップタイム。トマックの復調も目につくところですが、今季はいまだにタイムドプラクティスのトップはなし。バーシアが前戦よりひとつ順位を上げ7位。引退濃厚で復帰3戦目のアダムも9位と久々のトップテン入り。
250 CLASS
今戦よりレッドプレートのビアルがトップ。自信がついたのか、安定感に加え速さでも抜きん出た印象。注目のディーガンは5番手。開幕前の手首負傷に加え、尾てい骨も痛めているという噂。
鎖骨骨折のショックは9位と、漢を見せています。
450 CLASS
HEAT 1
ロクスンがホールショット!ランキングトップのジェット、アンダーソン、そしてマケラスが久しぶりの好スタートを見せます。
序盤はロクスンが綺麗なライディングで逃げきりを図りますが、後方からじわじわと差を詰めてきたジェットが中盤フープスで並びかけると、そのまま次のサンドセクションでロクスンをかわしトップへ。
アンダーソンをかわし3番手に上がったウェブでしたが、ラスト二周で周遅れのミスにつかまりクラッシュ。悔しい8位となりました。
HEAT 2
トリプルクラウンになると出遅れるジェットがホールショット。プレシンジャー、ロクスン、バーシア、セクストンと続きますが、一周目に猛チャージを見せたロクスンが一気にトップに躍り出る熱い展開!
バーシアは三周目に転倒し脱落、トマックもスタート10位以下と今回も大きく出遅れる展開。
トップ争いはヒート1と全く同じような展開で進みますが、同じように中盤でジェットが一気にスパートしトップへ。
しかし、くらいつくロクスンがぴったりと背後につけ、最後まで目の離せないレースが続きましたが、ジェットが逃げ切り連勝。
HEAT 3
ロクスンがまたもやホールショット!そして同じように好スタートを揃えたジェットが直後に控える展開。セクストン、ウェブ、クーパーと続き、トマックは最終ヒートも出遅れて10番手・・
序盤はロクスンが快走を見せ、新たなライン取りで引き離しますが、後半になってフープスのラインどりをつかんできたジェットがロクスンを逆転。
そのまま優勝しトリプルクラウン達成!
【450 CLASS】
1 Jett Lawrence
三連勝!強い!完全に頭一つ抜け出した存在となったジェットが、ルーキーとは思えぬ強さで3ヒート完勝!ポイントランキング以上に、ライバルたちに、ジェットには敵わないと思わせるような雰囲気が出てきました!2位に21ポイント差をつけて独走体制突入。自由自在にラインどりを変えるクリエイティブさが目立ちました。
2 Ken Roczen
ナイスレース!連続で好スタートをきることが今までなかったロクスンでしたが、今回は見事に3回揃えたところが今季の好調さを表す結果に!惜しくもジェットには負けましたが、旧天才vs新時代天才のレースはとてもクリーンで見応えあるものでした!
3 Chase Sexton
前戦バーミンガムで、450SXクラスでキャリア40回目のトップ 5 フィニッシュを記録したセクストンが41回目の表彰台獲得。サスセッティングの改革をおこなっていると噂されていますが、徐々に上向きになっている調子からもその様子が伺えます。ヒート3は好調ロクスンを終盤に攻略するライディングを見せ、3-3-2位と安定感。トマックが大きく崩れたので、チャンピオン争いはジェット、ウェブ、セクストンに絞られたか。
4 Jason Anderson
踏みとどまったー。いつになく抜かれるシーンが多かったアンダーソン。どうした?な展開でしたが、総合4位というのはギリギリ最低ラインか。当たり負けするシーンも見られました。風邪でもひいたのか。
5 Cooper Webb
ヒート1の不運なクラッシュが痛かった。。。ジェットを追い詰めることができるライダーの一人ですが、全てのヒートでスタートに苦戦。追い上げてきた時にはジェットは逃げている展開が続きました。
6 Aaron Plessinger
ヒート2ではジェットを一瞬かわすなど、瞬発力も見せたプレシンジャーでしたが、最後のヒートでクラッシュ。でも人気は継続。
7 Eli Tomac
持ち前の爆発力が完全に影を潜めた一戦・・。一度もビーストモードに入ることなく、特にヒート3はスタートの順位がそのまま最終結果になるという、どうしたな展開。爆発的な追い上げを見せたかと思えば、下位に沈むレースもある今季のトマック。昨年までは、ビーストモードのスイッチが入らないレースは好スタートをきったレースがほとんどでしたが、今季は出遅れた時にもそのスイッチが入ることが少なくなってきました。もどかしい。。。
8 Justin Barcia
3レースを消化してのこの順位は復調の証?タイムもでてきたバーシアがここのところ存在感を増してきた印象。なのか?そう願いたい。
9 Malcom Stewart
9-8-8位。中継にもほとんど映ることなく存在感なしのレース。リザルトは下位でもいいので転倒クセを修復中だという話。
10 Justin Cooper
バーミンガムでキャリア最上位を獲得したクーパーですが、今回は噛み合わなかった印象。フル参戦ルーキーですが、もうこの順位では本人も周囲も納得いかないでしょう。しかし、最初のタイムドプラクティスではトップタイムをマークするなど、引き続きスピードは維持。
250 CLASS
HEAT 1
注目のルーキーベニックがホールショット!マカドゥ、トライアンフのスウォル、ビアル、ディーガンと続きます。
2周目、トップのベニックがミスし、隙をついたマカドゥがトップ。ベニックは直後につけていたビアルにも抜かれ3番手に。
さらには、サンドセクションで転倒し、13番手まで順位を下げてしまいます。
レースはマカドゥがミスを最小限に抑えたライディングで優勝。ラスト二周を前にフープスでクラッシュしたビアルをかわし、ディーガンが2番手。追い上げが光ったハマカーが3位。そしてビアルと続き、なんとなんと鎖骨骨折から強行出場のショックが終盤スゥオルとのバトルを制して5位と大健闘!熱い!
前戦までレッドプレートをつけていたアンスティは4番手に上がったところで激しくクラッシュし下位に沈みました。同じくブラウン、ハイマスも撃沈。
HEAT 2
スタートを得意とするトライアンフのスゥオルが今季初のホールショット!ディーガン、ハマカー、ビアル、マカドゥと続く展開。
早々とスゥオルをかわしたディーガンが独走体制に持ち込み、8秒の大差でキャリア初のトリプルクラウンウィン。
中盤、スウォルをかわそうと連続ジャンプで並んだハマカーが激しくクラッシュ。ハマカーはその後もう一度クラッシュし離脱。
ビアルとブラウンが3位争いを展開しますが、ブラウンがクラッシュし、2位マカドゥとビアルは単独の2位、3位でチェッカー。
トライアンフ初の表彰台が見えていたスゥオルですが、終盤にコースアウトし7位。
HEAT 3
ビアルがホールショット、ルーキーのルマーノ、ブラウン、マカドゥ、ルーキーのベニックと続きますが、1コーナーの進入でディーガンがまさかのクラッシュ!
この隙に一気に逃げ切りを図ったビアルが独走で優勝。
トライアンフのスゥオルはトラブルでリタイヤ。追い上げたディーガンでしたが、6位。
【250 CLASS】
1 Cameron Mcadoo
ついに今季初優勝!そして次戦はビアルに代わってレッドプレート!1位、2位、3位と綺麗にまとめたマカドゥでしたが、今季はなかなか勝つことができず苦戦。昨年はほとんどのレースを欠場したマカドゥにとっては、長い道のりだったことでしょう。これでビアルとのチャンピオン争いはさらに激しいものとなりますが、ここに加わってくるのが強敵ディーガンなだけに、最終戦まで油断のならない戦いが続くことは必至。
2 Tom Vialle
2連勝の後の2位獲得は安定感の証。今回はフープスに終始苦しんだ印象で、転倒もしてしまいますが、最後はきっちり優勝し、総合も2位につけるあたりはさすがの世界チャンピオン。ビアルの存在感が一層増してきました。優等生。
3 Haiden Deegan
噛み合わない・・・。けど強い。この強さこそがディーガンの真骨頂。負傷していようが出遅れようが勝ちたい気持ちが全面にでるディーガンの存在はやはり別格。イーストシリーズはこれで一旦休戦に入るので、その間に必ず復調し、チャンピオン争いを繰り広げるであろう未来が見えます。ランキングもトップと16ポイント差の4位。
4 Pierce Brown
静かなるチャンピオン候補→いや、静かすぎるチャンピオン候補。またもや表彰台に届かず。ランキングは3番手につけていますが、薄い。とにかく印象が薄いブラウン。
5 Coty Schock
お見事!!!漢!バーミンガムでディーガンのアタックに遭い、鎖骨を骨折しながらも週明けに手術して強行出場したショックがまさかまさかの5位!1レース走るのならまだ我慢もできたかもしれませんが、3レースこなしてのこの順位は殊勲章もの!なかなか有力チームに恵まれず、今年も開幕ギリギリでクラブヤマハと契約に漕ぎ着けたショックなだけに、一戦一戦にかける意気込みが桁違い。間違いなくスーパークロスに関してはキャリアベストなシーズンを送っています。
6 Nicholas Romano
しぶとく走ったルーキーがキャリア最上位獲得!ここ最近はスタートも出ることが多く、存在感が増してきた感がありましたが、ヒート3で追い上げてきたディーガンを抑えたのは立派!といってもルマーノのほうが年上ですが(笑)
7 Jeremy Martin
好調ショックに対して、もうちょっと奮起ししてほしいのがマーティン。いまのところ全戦出場しているので、そこはとても嬉しい点ですが・・・。
8 Chance Hymas
9-5-11と、安定ともアップダウンともとれないリリザルトのハイマス。ホンダファクトリーライダーとしては物足りなさが残ります。
9 Seth Hammaker
ここのところずっと上位で安定していたハマカーですが、今回は勢いの良さが裏目に出ました。攻めた結果ですが、チャンピオン争いは脱落。
10 Daxton Bennick
ヒート1はスタート、そしてヒート2は追い上げと存在感を見せたルーキーのベニック。出入りの激しいリザルトを見ても、まだまだ荒削りな部分が多くあるライダーですが、確実に成長中。一推し。