2025年開幕戦HSR九州大会プレビュー
現地観戦ガイド&観戦のポイント

2025年のD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズは、4月13日(日)に熊本県のHSR九州で開幕。例年以上の激戦が予想されるシーズンが、いよいよ幕を開けます。
ここでは、そんな開幕戦HSR九州大会のコース概要、各クラスの注目選手、会場周辺情報などをお教えします。なんとこの開幕戦、異例の入場料無料開催ですよ!
コースはダイナミックかつ難易度高め

今季は全クラスとも全7戦で競われるD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ。その開幕戦は、2023年までと同じく熊本県のHSR九州で、ワンデースケジュールにより4月13日(日)に実施されます
舞台となる、熊本県菊池郡大津町のHSR九州は、ホンダの国内二輪車生産を一手に担う熊本製作所に隣接された、モータースポーツ&安全運転講習の施設。
そのモトクロスコースは、広いコース幅とハイスピードなレイアウト、阿蘇外輪山をバックに跳ぶジャンプなどを特徴としてきました。2022年秋には大幅なレイアウト変更が施され、コース前半のハイスピードセクションがカットされて低速区間が増えたものの、依然としてダイナミックな雰囲気は維持されています。
土質は、阿蘇の噴火に由来する黒土が基本なのですが、近年は大量の山砂を搬入しながらメンテナンスが施され、サンド質にかなり近いセクションが入り混じることも多々あります。
全日本開催時は、直前のコースセッティング状況によってコンディションが変わることも多く、路面への対応力も求められます。
ちなみにコースは、アップダウンがあまりない広大な土地に、簡単に説明するなら「コ」の字状に展開されています。
コースを広く見渡せるポイントがあまりないため、レースごとに観戦地点を移動するとか、最初にちょっと歩いてお気に入りの観戦ポイントを探してみるのもオススメです!
入場無料&ワンデースケジュール

今大会は、通常の全日本モトクロス選手権とはかなり異なるレースフォーマットが用いられます。
まず大会は、練習走行を含めて土曜日の走行が一切ない、日曜日のみの完全なワンデー開催。つまり、予選と決勝はすべて日曜日に実施されます。
レースフォーマットは、予選が公式練習を兼ねたタイムアタック方式となり、決勝レースはIA1クラスとIA2クラスが30分+1周の2ヒート制、レディースクラスが15分+1周の1レース。
このうち予選落ちがあるIA2には、決勝進出をかけたラストチャンスレース(8分+1周)も設定されています。
また今大会は、なんとすべての観戦者の入場料が無料。別途、駐車料金(一般駐車場は990円)が必要ですが、これも二輪車は無料と、かなり太っ腹な大会となっています!
IA1はこのライダーに注目!

4スト450ccマシンでの参戦が主流となっている、全日本最高峰のIA1クラス。昨年は、ヤマハファクトリーチームに所属するオーストラリア出身のジェイ・ウィルソン選手(#1)が連覇を達成しました。
そのウィルソン選手は今季、唯一のヤマハファクトリーライダーとして参戦。もちろん、今季もチャンピオンの最有力候補です。

しかし日本人選手たちも、打倒・ウィルソン選手という目標に向けて準備万端。ホンダ勢の横山遥希選手(#2)と大倉由揮選手(#4)は、昨年もマディのHSR九州でウィルソン選手に勝利した実績があり、横山選手はその後の大会ではドライでも競り勝っています。両者ともに、オフシーズンは海外レースでさらに速さを磨いてきました。

カワサキファクトリーチームから参戦する能塚智寛選手(#5)は、地元・九州の福岡県出身で、スプリントの速さには定評があるライダー。HSR九州大会では、とくに多くの声援が集まるライダーのひとりです。

ヤマハは今季、ファクトリーに次ぐセカンドチームを発足。ここから参戦する大城魁之輔選手(#8)や渡辺祐介選手(#15)の活躍にも期待しましょう。ホンダを駆る大塚豪太選手(#6)は、しぶといレースで上位進出を狙います。今季は新たにピレリタイヤを履くカワサキ勢の内田篤基選手(#10)、IA2クラスからステップアップするカワサキ乗りの西條悠人選手(#37)やヤマハを駆る浅井亮太選手(#37)の走りにも注目。
また今季は、イタリア出身で世界選手権の参戦経験もあるジュゼッペ・トロペペ選手(#42)が、ガスガスを駆り全日本を戦うことが決定しており、欧州における過去の成績から予想すると、こちらもウィルソン選手の手強いライバルとなりそうです。
IA2はこのライダーに注目!

主に4スト250ccマシンが参戦するIA2は、フル参戦するライダーのほとんどが若手と中堅。昨年は、ヤマハの中島漱也選手とホンダを駆る横澤拓夢選手が、ランキング3番手以下を大きく離しながらし烈なチャンピオン争いを繰り広げ、シーズン後半に逆転した中島選手がチャンピオンに輝きました。

今季、中島漱也選手(#1)と横澤拓夢選手(#2)はともにこのクラスに継続参戦。
まずはこの2名が優勝候補……と言いたいところですが、今季はかつてモトクロス世界選手権MX2のスズキファクトリーチームに在籍し、2023年の全日本第8戦IA2にスポット参戦してヒート優勝も挙げた、ドイツ出身のブライアン・スー選手(#53)の参戦が決まっており、実力的にはこの3名がまずは優勝候補ということになりそうです。

昨年度ランキング3位の西條悠人選手がIA1にステップアップしたため、日本人勢で中島選手と横澤選手にもっとも近い位置にいるのは、中島選手と同様に今季はヤマハセカンドチームの所属となる田中淳也選手(#4)。
今年は初優勝も狙います。横澤選手のチームから参戦する柳瀬大河選手(#5)は、昨年開幕戦で初優勝をマーク。今季も開幕ダッシュに期待が集まります。
レディースはこのライダーに注目!

ホンダの4スト150ccとそれ以外の2スト85ccマシンが混走するレディースクラス。昨シーズンは、ホンダ4ストに乗る川井麻央選手とヤマハ2ストを駆る本田七海選手が、2023年に続いて激闘を繰り広げ、川井選手が5ポイント差で連覇を達成しました。
今季、その本田選手はレディースクラスには参戦せず、IBオープンクラスに挑戦。このため、ディフェンディングチャンピオンの川井麻央選手(#1)が、まずは優勝候補の筆頭となります。
ただし、ヤマハ2ストを駆る川上真花選手(#3)は、昨年もチャンピオン争いに終盤まで喰らいついており、その走りはまだまだ発展途上。昨年度ランキング4位の楠本菜月選手(#4)は、今季は複数のレディースチャンピオンを輩出してきた「TEAM HAMMER」からのエントリ―で、さらなる飛躍が期待されます。
昨年度ランキング6位の箕浦未夢選手(#6)は、レース序盤に強く、レース展開によってはこちらも優勝を狙えるライダーです。
完全日帰りスケジュールがオススメ!

今大会は、日曜日に予選と決勝がすべて実施されるワンデースケジュール。そのため、九州在住のファンは日帰り観戦が基本となりそうです。少し遠方からだと、前泊して朝イチからガッツリ大会を味わい尽くしたいところですが、近年の大津町および周辺は半導体工場の建設による“半導体バブル”で沸いており、3月下旬の段階で大津町のビジネスホテルはほぼ満室か、空き部屋があっても高騰しています。
これを回避する手段として、熊本市内や阿蘇周辺の宿泊も考えられますが、大会開催は春の行楽シーズン時期ということもあり、こちらもホテルや旅館は空室が少なめ。直前に観戦を計画される方は、この点にご注意ください。
一方、今大会の入場料は無料。ちょっと遠方からで交通費や宿泊代が多めにかかったとしても、現地で生観戦する価値はありますよ!