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全日本モトクロス選手権 第9戦決勝レポート

年間9戦(レディースとIBオープンは7戦)で競われた2023年の全日本モトクロス選手権シリーズは今季最終戦を迎え、第61回MFJ-GPモトクロス大会が宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。

今季第3戦でも使われたSUGOインターナショナルモトクロスコースは、オンロードサーキットやカートコースなども有する複合モータースポーツ施設内にあり、15年ほど前にモトクロス世界選手権を誘致したこともあります。ふたつの丘にまたがるようにレイアウトされたコースは、自然の地形を生かした豊富なアップダウンも特徴。
これまでも頻繁に仕様変更が繰り返されてきましたが、今大会では基本的なレイアウトを踏襲しながら、ジャンプあるいはコーナーなどの設計が見直されました。

各クラスの予選などが実施された土曜日は曇り時々晴れで風が強く吹き、路面はドライコンディション。決勝が繰り広げられた日曜日は降雨が心配されましたが、実際には曇天で、路面はベストな状態が維持されました。

IA2クラスとレディースクラスは、チャンピオン争いがこの最終戦までもつれ、とくにレディースクラスは川井麻央(#2)と本田七海(#4)が3点差という接戦で最後の戦いに臨みました。

IA1 ヒート1

全日本最高峰となるIA1クラスは、25分+1周の決勝2ヒートを実施。そのヒート1では、ヤマハファクトリーチームの富田俊樹(#1)がホールショットを奪い、これにホンダサポートライダーの大城魁之輔(#4)とすでにシリーズタイトル獲得を決めているヤマハファクトリーチームのジェイ・ウィルソン(#27)、カワサキのマシンを駆る内田篤基(#8)が続きました。
1周目にウィルソンがトップに浮上。2周目以降、ウィルソンは徐々にリードを拡大していきました。一方、2番手争いでは3周目に大城が先行。内田もこれに続こうとしましたが、ミスした富田に接触してしまい、内田のみ転倒して19番手まで後退しました。
代わりにヤマハファクトリーチームの渡辺祐介(#3)が4番手、カワサキファクトリーチームの能塚智寛(#2)が5番手にポジションアップ。5周目に今度は富田が転倒し、これで渡辺が大城と約3秒差の3番手、能塚が渡辺と約4秒差の4番手、富田が渡辺と約5秒差の5番手となりました。

この段階で、ウィルソンは約8秒のアドバンテージを確保。レース終盤にかけ、後続とのギャップをさらに拡大していきました。レース後半、2番手の大城から5番手の富田までは、それぞれ前後の間隔をやや拡大しながらポジションキープ。そしてレースは15周でチェッカーとなり、ウィルソンが優勝、大城が2位、渡辺が3位、能塚が4位、富田が5位となりました。前戦でウィルソンに今季初黒星を与えたヤマハの星野優位(#9)が、こちらもレース序盤から順位を守って6位。
ホンダを駆る大塚豪太(#7)が、同じくホンダに乗る小方誠(#5)や大倉由揮(#6)をレース後半にパスして、7位でフィニッシュしました。

●ヒート1 優勝 ジェイ・ウィルソン(#27)

第7戦のHSR九州大会でシリーズタイトル獲得を決めましたが、もちろんそれ以降のレースもベストを尽くすことを考えて臨んでいます。今大会の決勝は雨が心配されましたが、実際には最高の路面コンディションになり、ヒート2を走ることも楽しみにしています。

●ヒート1 2位 大城魁之輔(#4)

前戦まで数ヒート、思うようにいかないレースが続いていたので、正直なところ2位でも少しほっとしているのですが、とはいえ勝てたわけではないので、満足しているわけではありません。
今季は残り1ヒートしかないので、最後くらい勝ちたいと思っています。

●ヒート1  3位 渡辺祐介(#3)

開幕戦でケガしてからのリハビリ期間が長くなり、第7戦でようやくレースに復帰。表彰台に戻ってくるのが最終戦になってしまいました。でも、この地元SUGOで最低限の仕事はできたかなと思っています。最後は隣の人(=ジェイ・ウィルソン)に勝てるように頑張ります!
開幕戦でケガしてからのリハビリ期間が長くなり、第7戦でようやくレースに復帰。表彰台に戻ってくるのが最終戦になってしまいました。でも、この地元SUGOで最低限の仕事はできたかなと思っています。最後は隣の人(=ジェイ・ウィルソン)に勝てるように頑張ります!

IA1 ヒート2

大城魁之輔(#4)がホールショット。これに星野優位(#9)やホンダを駆る道脇右京(#12)らが続きました。ジェイ・ウィルソン(#27)は大きく出遅れ、1周目中盤でもまだ10~11番手付近を走行。オープニングラップで大倉由揮(#6)が道脇をパスし、まずは大城と星野と大倉のトップ3となりました。
ウィルソンは6番手で1周目をクリア。しかし2周目には、接近戦を繰り広げる大城と星野に約2秒差まで迫る3番手に順位を上げました。翌周、ウィルソンは星野と大城を立て続けにパス。
これでトップに浮上したウィルソンは、翌周から後続を徐々に引き離していきました。2番手以下は、4周目に道脇が8番手まで後退し、大城を先頭に星野、大倉、渡辺祐介(#3)、能塚智寛(#2)、富田俊樹(#1)まで6台が縦に長く連なりました。

ここからまず大城が抜け出し、レース前半が終了した7周目の段階で、前後に5秒程度の間隔がある単独走行の2番手に。一方、星野を先頭とした3番手争いは混戦となり、渡辺がミスでふたつ順位を落としたことで星野、大倉、能塚、富田、渡辺の順となりました。
8周目、今度は星野が7番手まで下がり、代わりに大倉が3番手。しかしその背後に能塚と富田が迫ると、翌周には能塚が先行しました。レース終盤、能塚も後続に対して4~5秒のリードを奪い、星野は集団から脱落。
これで、依然として接戦なのは富田と大倉と渡辺による4番手争いとなり、大倉と渡辺が何度か順位を入れ替えました。そしてレースは14周でチェッカーとなり、ウィルソンが優勝、大城が2位、能塚が3位、富田が4位でゴール。5位争いは渡辺が制し、大倉が6位、星野が7位でした。

●ヒート2 優勝 ジェイ・ウィルソン(#27)

スタートがあまり良くなくて、前にかなりの台数がいたから、トップに立つまではハードでしたが、おかげでエキサイティングなレースになったと思います。チームやスポンサーや家族、応援してくださるファンの方々のおかげで、今年もいいシーズンになりました。ありがとうございました!

●ヒート2 2位 大城魁之輔(#4)

最後まで勝つことができず、悔しいという気持ちしかありません。ケガが続いて本当に苦しいシーズンとなってしまいましたが、多くの方々に支えてもらい感謝しています。
優勝できたわけではないですが、リザルトをまとめるという目標を最後に達成できたのは良かったです。1年間ありがとうございました。

●ヒート2 3位 能塚智寛(#2)

今シーズンはケガが多く、半分くらい欠場。前戦でも負傷してしまったのですが、この最終戦が終わったら2ヵ月くらいバイクに乗るつもりがなかったので、参戦を強行しました。
勝てませんでしたが、とりあえずケガなく終われて良かったです。最後にうちの奥さんに……、ありがとう!

IA2 ヒート1

若手と中堅が中心のIA2クラスも、IA1クラスと同じく25分+1周の2ヒートによる戦い。このクラスは、前戦終了時点でランキングトップのビクトル・アロンソ(#58)を横澤拓夢(#5)が28点差で追っていました。最終戦には各ヒートで獲得したポイントに3点ずつのボーナスが加わるため、ヒート1でアロンソが横澤よりも前でフィニッシュすれば、ヒート2を待たずにアロンソのチャンピオンが決まる状況でした。
レースは西條悠人(#8)のホールショットで幕を開け、中島漱也(#4)が続きましたが、後方から追い上げてきた横澤が両者を次々にパス。この際に西條と横澤が接触し、西條は転倒して大きく順位を落としました。
アロンソはやや出遅れ、少しポジションを上げて1周目5番手。2周目の段階でトップ5が横澤、中島、池田凌(#18)、福村鎌(#13)、アロンソのオーダーになると、3周目には福村が池田を抜きました。

4周目には中島が転倒で大きく後退し、アロンソは池田をパス。トップを走る横澤のリードは3秒程度まで拡大しましたが、翌周以降に2番手の福村と3番手のアロンソが追い上げ、7周目には横澤と福村とアロンソによる三つ巴のトップ争いに発展しました。
翌周、アロンソが福村をパスして2番手に浮上。抜かれた福村は、9周目以降に前を走る2台から少しずつ遅れ、その背後には池田が接近しました。一方、横澤とアロンソは9周目から手に汗握る大接戦。横澤が必死にポジションを守っていましたが、11周目にアロンソが先行しました。
横澤は抜かれてからも諦めることなくアロンソを追い、最終ラップとなった14周目には再逆転を狙って肉迫。しかしわずかに届かずアロンソが優勝、横澤が2位となり、アロンソが最高のカタチでシリーズタイトル獲得を決めました。福村は最後まで池田を抑え、全日本IA初表彰台登壇となる3位。池田が4位、1周目8番手から追い上げた渡辺陵(#12)が5位、10周目に渡辺の先行を許した柳瀬大河(#3)が6位でした。

●ヒート1 優勝 ビクトル・アロンソ(#58)

ランキングトップで今大会を迎え、チャンピオン決定に向けてさすがに緊張していたし、とくにレース序盤はいくつかのミスもあって苦戦しましたが、ベストを尽くした結果、最終的には優勝でシリーズタイトル獲得を決めることができました。ありがとうございます!

●ヒート1 2位 横澤拓夢(#5)

地元の東北地方を舞台に、ビクトルに負けたら彼のチャンピオンが決まってしまうという大事な戦い。後ろから来ているのは分かっていたのですが……。
すいませんでした。本当にチャンピオンを獲りたかったので、すごい悔しいですが、もう1レース残っているので、もう一度集中して、最後はみんなと喜べるように頑張ります。

●ヒート1 3位 福村鎌(#13)

IAに昇格してから表彰台圏内でゴールしたことはなかったので、3番手を走っているときは緊張したのですが、それでもペースを乱さず頑張った結果だと思っています。
正直、表彰台の真ん中に乗りたかったんですが、今回は届かなかったので、次のヒートで勝ちにいきます!

IA2 ヒート2

ホールショットの中島漱也(#4)を、横澤拓夢(#5)と福村鎌(#13)とビクトル・アロンソ(#58)が追ってレースがスタート。1周目からこの4台が激しいバトルを繰り広げ、横澤が中島、アロンソが福村をパスしてオープニングラップをクリアしました。
2周目、福村を抜いて渡辺陵(#12)が4番手。翌周にはアロンソが2番手に順位を上げ、3番手に後退した中島の背後には渡辺と福村と柳瀬大河(#3)が僅差で続きました。
4周目以降、横澤とアロンソはセカンドグループを徐々に引き離しつつ、僅差のトップ争いを展開。5周目あたりから両者の戦いは激しさを増し、アロンソが何度か横に並ぶものの、横澤も意地でポジションを守りました。

しかし7周目に、アロンソがついに横澤をパス。同じ周、トップ2台から6秒ほど遅れた同じく接戦のセカンドグループにも動きがあり、渡辺が中島を抜いて集団の先頭に立ち、2秒ほどのリードを奪いました。
さらに、8周目には柳瀬が福村を抜いて中島に迫ると、翌周には柳瀬と福村が中島を次々にパス。
これで柳瀬が4番手、福村が5番手、中島が6番手となりました。レース後半、トップを走るアロンソは2番手の横澤を2秒ほどリードした状態をキープ。レースは14周でチェッカーとなり、アロンソが優勝、横澤が2位、レース後半に後続を引き離した渡辺が全日本IA初表彰台登壇となる3位に入賞しました。
柳瀬は4位、福村は5位、中島は6位でゴールしています。

●ヒート2 優勝 ビクトル・アロンソ(#58)

来年のことはまだ決まっていませんが、日本のファンはみなさんとても温かいですし、また日本に戻って来られたらうれしいです。1年間、応援ありがとうございました!

●ヒート2 2位 横澤拓夢(#5)

ビクトル、速いって! マジで! ヒート1で悔しい思いをして、ヒート2は絶対に勝ってやろうと思ったのですが……。ビクトルがいなければ、自分がチャンピオンを獲れてハッピーだったのですが、シーズンを通して彼とバトルできたことで成長できたと思います。

●ヒート2 3位 渡辺陵(#12)

今年は開幕前から乗れていて、すごく自信があったのですが、自分自身で毎戦そのチャンスを潰してしまいました。本当はビクトル選手や横澤選手に勝ちたかったのですが、地元での最終戦でとりあえず表彰台に立てて良かったです。

レディース 決勝

川井麻央(#2)がポイントリーダー、本田七海(#4)が3点差のランキング2番手で、15分+1周の1レースのみ実施される最終戦の決勝レースへ。また、このふたりから大きく離されたランキング3位争いも、箕浦未夢(#9)と瀬尾柚姫(#8)と川上真花(#7)が3点差の接戦でした。
レースは箕浦がホールショットを奪い、これに川井が続いてスタート。本田はスタート直後こそ8~9番手あたりと出遅れたものの、すぐに順位を回復して、1周目を川井から4秒ほど遅れた3番手でクリアしました。
2周目、箕浦をマークして慎重に動きを見定めていた川井がトップに浮上。3周目には川井が2秒ほどのリードを築き、2番手の箕浦には本田が迫りました。4番手以下はトップ3から13秒ほども離され、井川実乃里(#13)を先頭に川上と瀬尾と楠本菜月(#12)と穂苅愛香(#12)の5台が僅差で続く大接戦となりました。

4周目、本田が箕浦の攻略に成功して2番手。この間に、トップの川井はリードを約4秒に拡大しました。また、抜かれた箕浦は転倒を喫し、すぐにリスタートしましたが、本田から8秒ほど遅れて後続とも距離がある単独走行の3番手となりました。川井は、3~6周目まで毎周ペースアップ。
6周目にマークした最速タイムは、本田のベストラップより1秒ほど速く、じわじわとリードを拡大していきました。混戦の4番手争いは、6周目の段階でも井川が先頭を守り、穂苅は集団から脱落。そして7周目には川上、ラストラップとなった8周目には瀬尾と楠本が井川を抜きました。
レースは川井が独走で勝利し、2年ぶり3度目のシリーズタイトル獲得を自力で決定。本田が2位、箕浦が3位、川上が4位、瀬尾が5位、楠本が6位となり、シリーズランキングでは箕浦が3位を守り、川上が逆転でランキング4位となりました。

●決勝 優勝 川井麻央(#2)

今日のレースが今年一番乗れていました。最初から前のほうでレースができ、トップに立ってからはミスしないことだけを心がけて走りました。
最後の1周は、コースサイドで応援してくれていたいろんな方々の顔を見ながらゴールに向かいました。この1年、チャンピオンを獲ることだけを目指して戦ってきたので、本当に最高の気分です