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全日本モトクロス第2戦決勝レポート

2023年の全日本モトクロス選手権シリーズは、年間9戦(レディースとIBオープンは7戦)のスケジュール。その第2戦・腕時計のベルモンドCUP(関東大会)が、5月13日(土)~14日(日)に埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで開催されました。

今大会は変則スケジュールが用いられ、全日本格式で実施されるクラスのうちIA1/IA2レディースは、日曜日のみのワンデー開催に。日曜日の朝に公式練習を兼ねたタイムアタック予選、予選落ちがあるIA2クラスはその後にラストチャンスレースが設けられ、決勝はIA1が3ヒート、IA2が2ヒート、レディースが1ヒート実施されました。

荒川と入間川に挟まれた河川敷にあるコースは、昨秋の全日本大会で本来とは逆になる反時計回りにリニューアルされ、コース序盤にはフラットな中高速セクションが追加されましたが、今大会もその基本レイアウトを踏襲しています。

天候は曇り時々雨。前日から断続的な降雨があったものの、朝の段階で路面状況は悪化しておらず、IA2の決勝ヒート1が実施されていた正午ごろに20分間ほど強く降る時間帯もありましたが、基本的には最初から最後までベストに近い路面コンディションとなりました。

IA1ヒート1

全日本最高峰のIA1クラスは、15分+1周の3ヒート制による決勝。そのヒート1では、今季は新たなヤマハファクトリーチームからIA1に参戦し、開幕戦では3ヒートと優勝を挙げた昨年度IA2王者のジェイ・ウィルソン(#27)がホールショット。これにホンダの大倉由揮(#6)、ウィルソンとは異なるヤマハファクトリーチームから参戦する昨年度王者の富田俊樹(#1)、ホンダサポートライダーの大城魁之輔(#4)が続きましたが、ウィルソンはオープニングラップだけで約5秒ものリードを奪いました。大倉と富田は2番手争いを繰り広げ、3周目には富田が先行。抜かれた大倉は、翌周に大城にもパスされました。

5~6周目にかけ、大倉は僅差の2番手争いを繰り広げる富田と大城から遅れ、その背後にはカワサキのマシンを駆る内田篤基(#8)が接近。しかし7周目になると大倉はペースを上げ、再び少しずつ前との距離を詰めました。そしてレース終盤には、富田と大城と大倉が2番手争い。ラスト2周となった10周目に、大城が富田の攻略に成功すると、最後はペースを上げて逃げ切りました。レースはウィルソンが独走で勝利。大城が2位、富田が3位、大倉が4位、内田が5位、1周目10番手から追い上げたホンダに乗る小方誠(#5)が6位でした。なお、タイムアタック予選で2番手だったカワサキファクトリーチームの能塚智寛(#2)は、予選中の転倒によるケガで決勝を欠場しています。

IA1ヒート2

ホールショットは再びジェイ・ウィルソン(#27)。ところが1周目のコース中盤でコースアウトし、これで大倉由揮(#6)がトップ、富田俊樹(#1)が2番手、内田篤基(#8)が3番手、ウィルソンが4番手、大城魁之輔(#4)が5番手でオープニングラップをクリアしました。それでもウィルソンは、2周目に内田、3周目には富田と大倉をパスして、すぐにトップ挽回。この3周目、先行されたウィルソンを追撃しようとした大倉がコーナーでややミスし、ここに富田が接触して、大倉のみ転倒しました。

これにより上位勢はウィルソン、富田、内田、大城、大倉のオーダーになると、ここからウィルソンは徐々にリードを拡大。2番手を走る富田の背後には内田が僅差で迫りましたが、レース終盤になって富田が再び2秒ほどのリードを奪いました。逆に、やや遅れた内田には大城と大倉が接近し、レース終盤には三つ巴の3番手争い。ラスト2周となった10周目に大倉が大城を抜き、このバトルで大城は数秒のタイムロスを喫しました。そしてレースは、ウィルソンが優勝し、富田が2位、内田が順位を守って3位。大倉は4位、最終ラップには猛追してくる小方誠(#5)を抑えた大城が5位でした。

IA1ヒート3

このヒートでも、好スタートを決めたのはジェイ・ウィルソン(#27)。今度はしっかりトップを守り、オープニングラップをウィルソン、道脇右京(#12)、富田俊樹(#1)、内田篤基(#8)、大倉由揮(#6)、大城魁之輔(#4)の順でクリアしました。2周目、道脇は5番手までポジションダウンし、富田が2番手に浮上。この段階で3秒ほど先行していたウィルソンを追いました。4~7周目にかけ、トップのウィルソンと2番手の富田は、ほぼ互角のラップタイム。4秒ほどのギャップが保たれました。

レース中盤、このウィルソンと富田を含め、3番手の内田、4番手の大倉、4周目に道脇をパスした5番手の大城までは、それぞれが3~4秒の間隔を開けて走行。このトップ5は、最後まで大きな順位変動や接近がないまま走行を続けました。そして11周でチェッカーとなったレースは、ウィルソンが優勝、富田が2位、内田が3位、大倉が4位、大城が5位。ウィルソンは、開幕からここまで6ヒートすべてのレースで勝利を収めています。また、今大会の表彰式はIA1クラスのみ3ヒート総合成績により実施され、もちろんこちらもウィルソンが1位を獲得。2位には富田、3位には開幕戦に続いて内田が入りました。

●総合成績1位(優勝/優勝/優勝)

ジェイ・ウィルソン(#27)

(日本語で)新しいヤマハのYZ450Fでレースができて、とてもうれしいです。今年はレース、チームのマネージャー、コーチャー、テストなどいろいろなチャレンジを楽しんでいます。日本のファンの皆さんは、素晴らしいです。いつも応援、ありがとうございます。(以下英語で)今日は母の日なので、美しい妻とオーストラリアにいる母にも感謝を伝えたいです。

●総合成績2位(3位/2位/2位)

富田俊樹(#1)

開幕戦でかなり苦しみ、悔しい思いをしました。そこから約1ヵ月、スタッフがマシンづくりにとにかく協力してくれて、自分自身も走りやメンタルに関して反省して改善に取り組み、本当にチームが一丸となってこの大会に臨みました。その結果、“とりあえず”表彰台に立てました。強敵(ウィルソン選手)がいますが、まず僕が彼の連勝を止めたいと思います!

●総合成績3位(5位/3位/3位)

内田篤基(#8)

IA1にステップアップして2年目で、ようやくリザルトをまとめられるようになったかなと思っています。とはいえ、富田選手とウィルソン選手という、昨年のIA1とIA2のチャンピオンが速いので、なんとか打ち負かしたいというのが本音。そんなに簡単なことではないと思いますが、レースを重ねるごとにレベルアップしていきたいと考えています。

IA2ヒート1

若手と中堅が中心のIA2クラスは、30分+1周の2ヒートで決勝が実施されました。そのヒート1は、直前から小雨が降りはじめ、スタートから数分後には風雨がかなり強まる過酷なコンディションに。レースは、柳瀬大河(#3)のホールショットで幕を開け、これにビクトル・アロンソ(#58)や浅井亮太(#2)、阿久根芳仁(#11)らが続きました。そして、まずは浅井がアロンソを抜き、柳瀬を先頭に浅井、アロンソ、阿久根、中島漱也(#4)、横澤拓夢(#5)の順で1周目をクリアしました。2周目、阿久根は中島の先行を許すと、直後に転倒して11番手までダウン。4周目、トップを守っていた柳瀬が転倒して3番手に後退し、これで浅井が先頭に立ちました。

この段階で、トップの浅井と2番手のアロンソは約4秒差。アロンソから5秒ほど遅れた3番手の柳瀬には、中島が僅差で迫りました。そして5周目、中島が柳瀬をパス。しかし柳瀬も引かず、このバトルで中島が転倒を喫して7番手に後退しました。これで柳瀬は単独走行の3番手となり、4番手に浮上した横澤の背後には5台ほどのマシンが連なった状態。しかし横澤は、ポジションをキープしました。レースが後半に入ると、トップの浅井にアロンソが少しずつ接近。残り4周となった16周目には、ついにアロンソが先行しました。その後、浅井が抜き返してトップに返り咲きましたが、再びアロンソが逆転。レースはアロンソが勝利し、浅井が2位、柳瀬が3位となりました。レース終盤、横澤は中島の接近を許しましたが、最後は逃げ切って横澤が4位、中島が5位でした。

IA2ヒート2

ヒート1とは一転して、曇り空でベストな路面コンディションのレースとなったヒート2。ホールショットは再び柳瀬大河(#3)が獲得し、これにビクトル・アロンソ(#58)と浅井亮太(#2)が続くと、オープニングラップからかなり激しい三つ巴のバトルを繰り広げました。そして、一度は順位を落とした柳瀬が、トップに返り咲いて1周目をクリア。しかし2周目にアロンソが先頭に立ち、浅井も柳瀬をパスして2番手に順位を上げました。4周目以降、柳瀬はトップ2についていくことができず、5周目には真野凌輔(#22)が柳瀬を逆転。さらに柳瀬は、8周目に中島漱也(#4)とのバトルによる接触で転倒して大きく後退し、最終的にはポイント獲得圏外の18位に終わりました。

一方、トップに立ったアロンソはレース中盤にかけて独走態勢を築き、トップを快走。離された浅井には真野が迫りました。そして真野は10周目に2番手浮上。しかし12周目にミスで6番手まで下がりました。同じ周、中島は浅井をパス。しかしその後、抜かれた浅井もしぶとく中島を1~2秒差でマークし続けました。そして20周のレースは、アロンソが優勝。中島が最後まで順位を守って2位、浅井が3位、一時は7番手まで後退しながらもレース中盤に追い上げた鈴村英喜(#7)が4位、真野が5位に入りました。

●総合成績1位(優勝/優勝)

ビクトル・アロンソ(#58)

ヒート1は、スタートと同時に雨が強く降ってきましたが、もちろんそんなこと予想していないのでゴーグルはロールオフじゃなくてティアオフを使用。2番手からのレースだったこともあり、途中から視界も悪く、かなり難しいレースでした。コースは難しくて、ヒート2もタフなレースになりましたが、2レースとも優勝できてとてもハッピーです!

●総合成績2位(2位/3位)

浅井亮太(#2)

もちろん優勝を目標に走っていましたが、アロンソ選手が速くて、ヒート1は2位に終わってしまいました。ヒート2も、序盤はアロンソ選手とのトップ争いでしたが、ついていくことができず、途中で中島選手にも抜かれました。本当は再逆転したかったのですが、それもうまくいかず……。とはいえ、走りは徐々に良くなっているので、次戦もベストを尽くします。

●総合成績3位(5位/2位)

中島漱也(#4

今回の予選は苦手なタイムアタック方式で、やはり上位には進出できず予選は17番手。決勝ではいいグリッドが選べず、厳しいレースになりました。ヒート1は、追い上げの途中で転んで5位に終わりました。ヒート2は、少し熱くなりすぎてしまった部分もあったのですが、自分の走りもできたとは思います。難しいレースでしたが、良かった部分を次戦につなげたいです。

レディース 決勝

15分+1周の決勝レースでホールショットを奪ったのは箕浦未夢(#9)。これに濱村いぶき(#17)と川井麻央(#2)が僅差で続くと、ふたつめのターン進入でややラインを変えた箕浦を川井が避けきれず、川井が激しくクラッシュしました。さらにコース中盤では、川井の転倒で3番手に浮上した川上真花(#7)が転倒し、これに絡んだ本田七海(#4)もクラッシュ。波乱のオープニングとなりました。そして1周目を箕浦がトップ、濱村が2番手、瀬尾柚姫(#8)が3番手、松木紗子(#11)が4番手でクリア。川井は12番手、本田は14番手からの追い上げを強いられました。

2周目、箕浦と濱村がトップ争いを繰り広げ、濱村が先行。しかし翌周、箕浦がトップに返り咲きました。この3周目、7番手を走っていた楠本菜月(#5)が転倒し、これを避けきれずに川井が再び転倒。川井は13番手まで順位を落とし、楠本はリタイアしました。一方の先頭争いは、箕浦を濱村がぴったりマークする展開。そして7周目、満を持して濱村が箕浦を抜くと、その後はリードを拡大していきました。レースは10周でチェッカーとなり、濱村が全日本初表彰台登壇を優勝により達成。箕浦が自己最高位となる2位、単独走行で1周目から順位を守った瀬尾が全日本初表彰台圏内の3位に入賞しました。川井は6位、本田は8位に終わりました。

●優勝 濱村いぶき(#17)

これまで全日本で表彰台に上がったことすらなかったので、まさか優勝すると思わなくて、ゴールした後も信じられずにいました。昨年からT.E.SPORTでお世話になり、それを機に家族で九州から関東地方に引っ越してきました。仕事を辞めてまで関東に来てくれた両親には、とても感謝しています。今日は母の日なので、まずはひとつ、恩返しができたと思います。