2022年第7戦(最終戦)第60回MFJ-GPモトクロス大会プレビュー
現地観戦ガイド&観戦のポイント
2022年11月12日(土)~13日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される、D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズの今季最終戦となる第60回MFJ-GPモトクロス大会。
そのコース概要やアクセス情報および周辺状況、現地での楽しみ方、今大会の注目ポイントなどをお伝えします!
レディースクラスの年間タイトル争いに注目
全7戦で競われる今季の全日本モトクロス選手権シリーズも、いよいよシーズン最終戦。11月12日(土)~13日(日)に、宮城県のスポーツランドSUGOで幕を閉じます。
今シーズンは、第5戦近畿大会でジェイ・ウィルソン選手(#16)のIA2クラスチャンピオン、第6戦関東大会で富田俊樹選手(#2)のIA1チャンピオンと西岡蒼志選手(#13)のIBオープンクラスチャンピオンが決まっているため、この最終戦まで年間王者が決まっていないのはレディースのみ。
しかもこのクラスは、久保まな選手(#3)が圧倒的に有利な状況ではあるものの、久保選手と12点差のランキング2番手に本田七海選手(#2)、14点差のランキング3番手に小野彩葉選手(#4)、小野選手と同点のランキング4番手に川井麻央選手(#1)がいて、なかなかの混戦模様です。
そこで今大会は、1レースのみの決勝が実施されるこのレディースクラスにまずは注目したいところですが、他のクラスもこれまで以上の真っ向勝負が期待できます。
とくに最高峰クラスのIA1は、第6戦終了後にチャンピオンの富田俊樹選手が、「これで最終戦はノンプレッシャー。絶対に負けません!」と宣言していて、ポイントランキングのことを考えず勝利のみを目指した走りが見られること間違いないナシ。
一方でライバルたちも、最後に一矢報いようと全力で挑んでくるはずで、漢たちの激しいバトルが繰り広げられるに違いありません。
チャンピオンが決定した後だからこそ、「誰が一番速いのか?」という純粋なバトルが期待できるのです!
かつて世界選手権も開催された名コース
宮城県南部にあるスポーツランドSUGOは、かつてスーパーバイク世界選手権が開催されたこともあるロードレース用サーキットや、全日本スーパーモト選手権の開催コースに組み込まれているカートコースなども有し、全日本トライアル選手権や全日本エンデューロ選手権まで実施される広大な複合モータースポーツ施設です。
公共交通機関でのアクセスはあまり便利ではないのですが、東北道・村田ICからは10~15分の距離にあり、クルマやバイクでのアクセスは良好。しかもバイクなら、駐車料金は無料です(クルマは1区画1000円)。
ちなみに、入場料は土日通しのシングルで4500円ですが、女性なら3500円、ペアなら8000円。しかも、中学生以下は無料です。
また、当日チケットは割高で日曜日のみでも5600円ですが、こちらには50%の学生割引があるため、ワンデーのみ観戦予定の学生さんは当日券の利用がお得です!
アップダウンが豊富でダイナミック
スポーツランドSUGOのインターナショナルモトクロスコースは、今から15年ほど前にモトクロス世界選手権を誘致した経歴も持つ、東北地方モトクロス界の中心的な存在。
ふたつの丘にまたがるようにレイアウトされ、その斜面や谷地といった自然の地形を生かした豊富なアップダウンも特徴としています。
コースの序盤には、斜度が約30度で長さが約70mもある上りの「大坂」、メインエリアから見ると “丘の向こう”となるエリアにはハイスピードな「ヨーロピアンセクション」もあります。
これまでも、全日本開催に合わせてレイアウトの一部変更などが頻繁に加えられてきたSUGO。
今大会も、「今季第3戦で使用されたときとはレイアウトがけっこう違っている」という情報が入っています。
よりエキサイティングなバトルが生まれるコースづくりに期待しましょう。
なおSUGOには昔から、スターティングエリア左側(表彰台正面)にコンクリートのスタンド席があったのですが、近年はそれに加えて大坂の横などにも観客席の整備が進められました。
飲食店ブースも複数ヵ所に分散されるなど、観戦環境の向上が進められています!
防寒対策もしっかり!
例年、10月下旬に開催されてきた“秋のSUGO”ですが、今年はそれよりも2~3週間遅い11月中旬開催。
昨年も11月末に広島県で最終戦が実施されていますが、スポーツランドSUGOは東北地方にあり、昨年以上に朝夕の寒さと日没の早さが心配されています。
ちなみに、レースウィークの前週でも、SUGOが位置する村田町は最高気温15℃で最低気温は2~3℃という天気予報。真冬並みの防寒対策で観戦に訪れましょう!
各クラスの注目ライダーは?
最高峰クラスのIA1は、前述のようにヤマハファクトリーチームの富田俊樹選手(#2)がシリーズタイトル獲得を決定済み。富田選手は、この最終戦に伸び伸びと臨みつつ、レースでの勝利を狙います。
一方、カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#3)、富田選手のチームメイトで地元・東北大会に燃える渡辺祐介選手(#4)、IA1ルーキーながら前戦で2勝目をマークしたホンダサポートライダーの大城魁之輔選手(#22)らは、タイトルこそ逃したものの、だからこそこの最終戦で勝利して有終の美を飾りたいところです。
IA2クラスは、若手育成や技術開発などの幅広い役割を目的としてヤマハファクトリーチームが今季起用したオーストラリア人ライダーのジェイ・ウィルソン選手(#16)がシーズン全勝をマークできるのか、それとも初めて土がつくのか……というのが最大の焦点。
これまでのところ、速さでは圧倒的にウィルソン選手が日本人を上回っていますが、今大会にはニュージーランドから18歳のブロディ・コノリー選手(#66)がスポット参戦します。
今年のモトクロス・オブ・ネイションズでは、B決勝で33台中2位。ニュージーランドで幼少期から活躍してきた若手有望株が、ウィルソン選手に迫れるかにも注目です。
ちなみにこのクラスは、柳瀬大河選手(#10)が169点、浅井亮太選手(#21)が165点、中島漱也選手(#5)が151点、鳥谷部晃太選手(#4)が141点で、ランキング2~5位が僅差。
とくに2位争いはし烈で、こちらも注目しておきましょう。
レディースクラスは、前述のようにチャンピオン争いがこの最終戦までもつれこんでおり、ポイントリーダーの久保まな選手(#3)、ランキング2~4番手の本田七海選手(#2)や小野彩葉選手(#4)や川井麻央選手(#1)がまずは主役となるでしょう。