全日本モトクロス第5戦予選速報
2022年D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ第5戦は、今季開幕戦の舞台にもなった熊本県のHSR九州で開催され、10月8日(土)には各クラスの予選などが実施されました。天候は曇りのち晴れで、路面はドライコンディション。コースは、開幕戦と比べてハイスピードセクションの一部がカットされ、阿蘇の火山に由来する黒土の上に大量の山砂を搬入する整備により一部区間はサンド路面とされるなど、随所に変更が加えられていました。
IA-1クラス
予選には24台が出走して、10分+1周のレースで決勝のスターティンググリッド選択順位を決めました。ホールショットを奪ったのは、ヤマハファクトリーチームから参戦するポイントリーダーの富田俊樹(#2)。2番手にはケガで前戦を欠場したホンダサポートの大城魁之輔(#23)、3番手にはホンダのマシンを駆る大塚豪太(#7)、4番手にはカワサキファクトリーチームの能塚智寛(#3)、5番手には9月下旬のモトクロス・オブ・ネイションズにも出場したホンダの大倉由揮(#23)がつけました。2周目、大倉はミスにより12番手まで後退。トップの富田は3秒近いリードを奪い、大城が前後に2秒以上の間隔がある2番手をキープしました。3番手以下は大塚、能塚、ヤマハファクトリーチームの渡辺祐介(#4)、カワサキのマシンを駆る内田篤基(#25)までが接戦。しかし3周目、能塚は転倒により9番手までポジションを落としました。
4周目、2番手の大城がペースアップして、富田の1秒ほど後方まで接近。しかし翌周に大城は軽微なミスを喫して、これで再び両者のギャップは2秒以上まで拡大しました。そして、そのまま逃げ切った富田が7周目にトップチェッカーを受け、予選をトップでクリア。予選2番手に大城、3番手には後続をレース中盤にやや離した大塚、4番手には渡辺、5番手には内田が入りました。6番手以下はトップ5とはやや差があり、ホンダを駆る小方誠(#5)、能塚、KTMのマシンを操る池本凌汰(#12)、ホンダに乗る道脇右京(#14)、同じくホンダの小島庸平(#6)までがトップ10となりました。
IA-2クラス
40台が2組に分かれて10分+1周の予選レースを走り、30台の決勝進出者を決めました。A組は、ヤマハファクトリーチームから参戦するここまでシーズン全勝のジェイ・ウィルソン(#16)がホールショット。これに柳瀬大河(#10)や米田海斗(#28)、室井政伸(#46)、小川孝平(#17)、阿久根芳仁(#26)らが続きました。1周目、ウィルソンはリードを拡大。柳瀬も後続を引き離しました。2周目以降、ウィルソンと柳瀬が単独走行を続ける一方で、3番手争いは混戦に。3周目には小川が米田をパスするも直後に転倒で10番手に後退し、米田の背後には鳥谷部晃太(#4)が迫りました。そして5周目、鳥谷部が米田をパス。抜かれた米田の背後には阿久根と室井が迫りました。そして、ラスト2周となった6周目に阿久根が先行。レースはウィルソンがトップチェッカーを受け、2位に柳瀬、3位に鳥谷部、4位に阿久根、5位に米田となりました。
B組は、西條悠人(#7)がホールショット。これにランキング2番手の浅井亮太(#21)、鈴村英喜(#9)、田中淳也(#05)中島漱也(#5)、横澤拓夢(#36)が続くと、まずは浅井が西條を抜いてトップに浮上。中島と横澤は田中をパスして、田中は6番手まで順位を下げました。2周目、トップに立った浅井は4秒近いアドバンテージを確保。西條と鈴村と中島と横澤が、2番手争いの集団を形成しました。5周目、この集団で中島が鈴村を抜いて3番手に浮上。抜かれた鈴村は中島からやや遅れる一方で、中島は2番手の西條に迫りました。そしてラストラップとなった7周目に、中島が逆転に成功。レースは浅井が逃げ切り、中島が2位、西條が3位、鈴村が4位、横澤が5位でした。決勝進出トップ10は浅井、ウィルソン、中島、柳瀬、西條、鳥谷部、鈴村、阿久根、横澤、米田の順です。
レディースクラス
レディースクラスの予選には20台が出走。土曜日の午前中に3周のレース形式予選を実施して、決勝のスターティンググリッド選択順位を決めました。ホールショットを奪ったのは本田七海(#2)。これを箕浦未夢(#10)や川井麻央(#1)、畑尾樹璃(#27)、楠本菜月(#5)らが追いました。そしてオープニングラップで、川井が箕浦をパス。2周目に入ったところでは本田、川井、箕浦、楠本、畑尾、小野のオーダーとなりました。しかし2周目中盤、箕浦と楠本は転倒により後退。小野は畑尾を抜き、これで3番手に浮上しました。
早くもラストラップとなった3周目には、畑尾の背後にスタートで出遅れていた久保まな(#3)が接近。そして、久保がパッシングに成功しました。レースは、本田が約2秒差で逃げ切ってトップチェッカー。川井が予選2番手、小野が3番手、久保が4番手、畑尾が5番手、赤松樹愛(#8)が6番手となりました。楠本は予選10番手、箕浦は14番手から、翌日の決勝に臨みます。