全日本モトクロス第4戦予選速報
前戦から約2ヵ月の夏休みを挟んで開催された2022年D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ第4戦近畿大会は、3年ぶりの全日本開催となる奈良県の名阪スポーツランド。
9月10日(土)に、各クラスの予選および今回は2ヒート制となるレディースクラスの決勝ヒート1などが実施されました。天候は曇り時々晴れでしたが、前日の降雨によりサンド質の路面はかなり多く水を含んだ状態。
午前中を中心に、転倒やスタックが続出する難しいコンディションとなりました。
IA-1
三重県出身の20歳で、小学生の頃から活動拠点をアメリカに移してモトクロスライダーとしてのキャリヤを積み上げ、現在はAMAスーパークロスとAMAモトクロスに参戦して日本人初優勝を挙げるなどの活躍を続けている下田丈(#30)が、カワサキファクトリーチームから今大会にスポット参戦。
AMAではこれまで250ccに乗ってきましたが、今回は450ccでのレースとなります。
23台が出走した予選では、ヤマハファクトリーチームから参戦するポイントリーダーの富田俊樹(#2)が、下田を抑えて好スタート。
しかし、AMAモトクロスの最高峰クラスに4年間フル参戦した経験を持つ富田を、下田は1周目にあっさりパスしてトップに浮上しました。
1周目は下田、富田、ホンダのマシンを駆る小島庸平(#6)と大倉由揮(#23)、ヤマハに乗る星野優位(#8)の順でクリア。
2周目以降、トップの下田は着実にリードを拡大しながらトップを快走し、2番手の富田は後続を引き離して単独走行となりました。
2周目、大倉が小島をパスして3番手に浮上。その後は後続を引き離し、小島と星野とカワサキファクトリーチームの能塚智寛(#3)が4番手争いを展開。
この中で能塚は、4周目に星野、5周目に小島を抜いて先頭に立ちました。
ところが6周目、能塚は転倒により12番手までポジションダウン。翌周にも再び転倒した能塚は、予選13番手に沈みました。下田は、最後までリードを拡大。
10周のレースで後続を15秒以上離してトップチェッカーを受けました。富田が2位、大倉が3位、小島が4位、星野が5位。予選6位以下はホンダに乗る大塚豪太(#7)、同じくホンダの小方誠(#5)、カワサキを駆る安原志(#10)、ホンダの道脇右京(#14)、KTMの池本凌汰(#12)までがトップ10でした。
【IA-2】
40台が2組に分かれて10分+1周の予選レースを走り、30台の決勝進出者を決めました。
A組は田中淳也(#05)が好スタート。これを米田海斗(#28)、藤井一輝(#08)、渡辺陵(#45)鳥谷部晃太(#4)が追いました。ヤマハファクトリーチームから参戦するここまでシーズン全勝のジェイ・ウィルソン(#16)は、大きく出遅れて追い上げのレース。
1周目、田中の転倒で米田がトップに立つと、米田はレース中盤にかけて約4秒のリードを築き上げました。
2番手争いでは、渡辺が鳥谷部や池田凌(#6)を抑えて周回。田中とウィルソンが、僅差の5番手争いを繰り広げながらこの集団に接近しました。
ところが6周目に、田中は転倒リタイヤ。ウィルソンはこの周に鳥谷部と池田を抜くと、7周目のラストラップには渡辺と米田を次々にパス。
これによりウィルソン、米田、渡辺、池田、鳥谷部の順でチェッカーを受けました。
B組は、鴨田翔(#11)がホールショット。これを中島漱也(#5)や横澤拓夢(#36)、小笠原大貴(#33)、近藤雄紀(#31)らが追いました。
1周目、横澤が中島を抜いて2番手に浮上。3周目、4番手を走行していた小笠原が転倒により7番手まで後退しました。
この周、ややペースを上げた鴨田のリードは約3秒に拡大。これを必死で追う2番手横澤のすぐ背後には、中島が迫りました。
トップ3から離された4番手集団は、佐々木と近藤と浅井亮太(21)と小笠原の争い。レース中盤、この中で浅井が順位を上げました。
終盤、トップの鴨田は3~4秒のアドバンテージをキープ。そのまま逃げ切った鴨田がトップチェッカーを受け、横澤が2番手、後半に数秒離された中島が3番手、集団から抜け出した浅井が4番手でした。
決勝進出トップ10は鴨田、ウィルソン、横澤、米田、中島、渡辺、浅井、池田、佐々木、鳥谷部の順です。
【レディース】
レディースクラスには29台がエントリー。土曜日の午前中に、3周のレース形式予選を実施しました。
この予選は、スタート直後から各所で転倒やスタックが続出する状態。この中、まずは川井麻央(#1)がトップを奪い、これを畑尾樹璃(#27)と久保まな(#3)と楠本菜月(#5)が追いました。
ランキング上位勢では小野彩葉(#4)と本田七海(#2)がスタートで大きく出遅れましたが、すぐに追い上げ。1周目途中、トップの川井がコースアウトするもすぐに復帰。
その直後に畑尾は転倒で遅れ、上位勢は川井、久保、楠本、川上真花(#12)、小野、本田の順となりました。
2周目、久保がミスで速度を落とした隙に楠本が2番手に浮上。小野が遅れて本田が順位を上げると、3周目の前半には楠本、川井、久保、本田、川上が数珠つなぎのトップ集団となりました。
その後、ジャンプで久保のパッシングを試みた本田が転倒。久保も最後にミスし、川井は楠本を再逆転したことから、予選トップ6は川井、楠本、本田、川上、小野、久保の順でした。
予選17位以下は、ベストラップタイムがトップ(楠本)の150%以上となったことから予選落ちとなり、決勝出走台数は16台となっています。
なお、この日の夕方に実施された決勝ヒート1では、久保が優勝、楠本が2位、川井が3位を獲得。詳しいレポートは、日曜日の決勝レースとまとめて後日掲載します。