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全日本モトクロス第5戦のみどころ

夏の訪れを告げる東北連戦のフジサワ!

全日本モトクロス選手権シリーズの今季第5戦は、720日(土)~21日(日)に岩手県県南部の藤沢スポーツランドで開催されます。例年この時期に設定されているこの東北大会は、猛暑か雨のどちらかになることがほとんど。2ヵ月近いサマーインターバルを直前に控え、シーズン終盤戦に向けて流れを引き寄せるべく、選手たちが熱い戦いを繰り広げます!

林間を縫う、全日本屈指の美しさを誇るコース

今季第5戦の舞台となるのは、岩手県の藤沢スポーツランド。一関市の中心部と宮城県気仙沼市の中間付近に位置するコースは、低い山の斜面にレイアウトされていて、緑の中を縫うようにコースが走るその姿から、「日本一美しいモトクロスコース」と称されることもあります。

この東北大会は、梅雨明けと前後するような時期に開催されるのが伝統。梅雨が明ければ猛暑、梅雨が明けなければ雨となり、いずれにしてもタフなレースとなりやすいシチュエーションです。このことからこれまでも、ドラマチックな戦いを数多く生んできました。

ちなみに今年は、昨年の7月第4週から一昨年と同じ第3週に開催時期がずらされましたが、日付で比較すると昨年よりも1日早いだけ。そして昨年は晴天に恵まれ、両日とも最高気温が30度以上まで上昇したことから、決勝のレース時間が各クラス5分ずつ短縮されています。

猛暑になれば、ライダーには一瞬のスピードだけでなく強靭な体力も求められます。例えば、レース後半まで何十秒もリードしていたトップのライダーがスタミナ切れとなり、後方から思わぬ伏兵が追い上げてくることもあるはず。あるいは、そのような展開を想定して前半のペースをコントロールするレース巧者が登場したり、逆に序盤で出来るだけリードを拡大して逃げ切りを図る作戦を取るライダーがいたりと、各選手の戦略にも注目が集まります!

熱中症対策と雨対策のどちらも完璧に!

藤沢スポーツランドにはいくつかの観戦ポイントがありますが、コース全体を広く見渡したいなら、フィニッシュジャンプ手前のビッグテーブルトップジャンプ横に設けられた、コンクリート製の広い観客席がお薦め。ここは、ファクトリーチームパドックのすぐ下側という位置関係。表彰式も歩くことなく見られます。

ところで、この大会は猛暑になる可能性が高いので、観戦に訪れる方々も熱中症対策は万全にしておいてください。熱中症には、水分とミネラルの補給が有効。小さめのクーラーボックスか保冷バッグなどがあると、いちいち出店まで飲み物を買いにいかなくても、レース中に冷たい状態で水分を補給できるので便利です。アルコール飲料は、分解するためにカラダが水分を必要とし、またビールには利尿作用もあるため、控えておきたいところ。日中は帽子を被り、カラダを冷却するスプレーや気化熱を積極利用できる高機能インナーの導入なども検討してください。日傘も使いたいところですが、こちらは周囲の方々に迷惑となることも多く、またそもそもレース中は雨が降ったとしてもコースサイドでの傘使用が禁止されています。周囲に配慮して、状況を見ながら使用してください。

もちろん、直前の予報で残念ながら降雨が予想されている場合は、雨対策も万全に!

5戦でとくに注目のライダーは?

全日本最高峰クラスのIA1では今季、ホンダファクトリーチームから参戦する成田亮選手(#114)と山本鯨選手(#400)が、力の差を見せつけるようなレースを続けています。昨年の東北大会を振り返ってみると、猛暑のバトルを両ヒートとも制したのは山本選手。一方で成田選手は、昨年の大会は骨折の影響で7位と9位でしたが、今季ここまでのポイントリーダーで、東北出身&在住のためこの大会とコースには大きな思い入れもあります。やはり優勝候補の筆頭は、山本選手と成田選手ということになりそうです。

ただし、トップ争いに加わってきそうなライダーはこのふたりだけではありません。現在ランキング3番手につけているカワサキトップチームの小方誠選手(#4)は、かつてこのコースで大ケガを負っていますが、その苦い記憶を払拭するかのように、2017年の決勝ヒート1では優勝、昨年は3位と2位と、好成績を連発しています。

また昨年の大会では、自身のチームでホンダのマシンを駆る小島庸平選手(#44)が、ヒート12位に入賞。ホンダ移籍後の初表彰台に上がって注目を集めました。

プライベーターとしてスズキに乗る深谷広一選手(#51)は、今季これまで表彰台登壇3回(うち優勝1回)と好調。昨年は両ヒート6位でしたが、今年はそれ以上の位置に喰い込んでくることが予想されます。

一方IA2はここまで、カワサキに乗る横山遥希選手(#386)、ヤマハのマシンを駆る大倉由揮選手(#36)と平田優選手(#81)が、比較的安定的に上位でのレースを続けています。

今大会でもこの3名を中心に、前戦の決勝ヒート1IA初優勝を挙げたヤマハの鳥谷部晃太選手(#37)、第3戦決勝ヒート1で同じくIA初優勝を達成したホンダライダーの大城魁之輔選手(#40)などが、優勝争いに加わってくると思われます。

なおこのクラスには、2005年の全日本モトクロス選手権IA1クラスチャンピオンで、現在はエンデューロ界で大活躍を続けている小池田猛選手(#87)が、ハスクバーナのマシンでエントリーしています。小池田選手の走りにも注目です!

またレディスクラスは、前戦で今季2勝目を挙げたヤマハの本田七海選手(#6)を、ハスクバーナの久保まな選手(#5)とホンダの川井麻央選手(#2)および竹内優菜選手(#4)が僅差で追う状態が続いています。今大会でも、女王の座をかけた4強のバトルが継続されそうです。

JMX観戦達人のちょい技

「宿泊や周辺観光は気仙沼か一関へ」

藤沢スポーツランドの近くには、多くの観光地があります。コースの近くを通る国道284号を東へ小一時間ほど進めば、宮城県の気仙沼。東日本大震災で甚大な津波被害を受けた地域ですが、現在は復興に向けて一歩ずつ前に進んでいて、おいしい海産物を堪能することもできます。逆に、国道284号を西へ向かうと同じ岩手県の一関。ここからちょっと北へ向かうと、平泉にたどり着きます。こちらは、2011年に世界遺産登録され、中尊寺をはじめとする観光名所が多数あります。

予選から観戦するなら、宿泊は気仙沼または一関というのが定番。ふたつの町はコースからほぼ同じ距離にあり、本来は一関にも多くの宿泊施設があるのですが、大会10日前の段階で一関のホテルはほぼ満室で、逆に気仙沼は空室を探しやすい状況です。

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