全日本モトクロス第5戦プレビュー

IA1およびIA2クラスのみのワンデースケジュールにより、2023年7月30日（日）に北海道の新千歳モーターランドで開催されるD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズの今季第5戦北海道大会。
ここでは、そのコース概要や周辺状況、各クラスの注目選手などをお教えします！

10年ぶりに津軽海峡を渡る全日本モトクロス！

今季、国際A級ライセンスを所持するライダーによって競われるIA1クラスとIA2クラスについては、年間9戦が予定されているD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ。
その第5戦北海道大会が、ワンデースケジュールにより2023年7月30日（日）に実施されます。

全日本モトクロス選手権が北海道で開催されるのは、北海道オフロードパークで実施された2013年第5戦以来、じつに10年ぶり。今大会の舞台となる新千歳モーターランドのモトクロスコースは、10年前の会場だった北海道オフロードパークと至近距離にあります。
北海道の空の玄関口である新千歳空港から非常に近く、道央道・新千歳空港ICからわずか約2kmという良好なアクセス性。
北海道観光のハイシーズンなので直前のエアチケット購入は超高額とはいえ、立地的には航空便を利用した本州からの日帰り観戦すら現実的な環境です。

コースそのものは全長約1700ｍ、幅員8～12ｍと公表されており、北海道らしい広大で比較的フラットな土地に、多少の起伏を活かしながらダイナミックにレイアウトされています。
土質はサラサラの火山灰。ルーストを巻き上げながら走る全日本ライダーたちのカッコいい走りに胸が高鳴ることでしょう！

全日本格式のクラスはIA1、IA2のみ

第5戦北海道大会は全道選手権と併催され、全日本格式としては最高峰のIA1クラスおよび若手と中堅の選手が中心となるIA2クラスのみ実施。レディースクラスとIBオープンクラスはお休みです。
そして、7月30日（日）に公式練習を兼ねたタイムアタック予選と各クラス2ヒートの決勝レースを行なう、ワンデースケジュールを導入。全日本IA1、IA2に関しては、それぞれヒート1が25分＋1周、ヒート2が15分＋1周という変則的な2ヒート制で実施されます。

そのため公式スケジュールとしては走行時間が短めですが、大会前日の7月29日（土）には、各クラスの有料スポーツ走行を実施。
IA1とIA2は、午後に30分×2本の走行時間が設けられていて、土日ともに会場を訪れれば全日本トップライダーの走りをよりたっぷり観戦することができます。
ちなみに、土曜日の参考当日券価格は700円、日曜日は同3500円ですが、eチケットの事前購入なら2500円で両日観戦できますよ！

IA1はこのライダーに注目！

最高峰クラスのIA1は、開幕からここまで4戦11ヒートすべてのレースで、ヤマハファクトリーチームから参戦する昨年度IA2クラス王者のジェイ・ウィルソン選手（#27）が勝利。前戦は、ウィルソン選手にとってIA1クラスでは初となる30分＋1周のレースでしたが、死角はまったくありませんでした。
もちろん今大会も、ウィルソン選手が優勝候補の筆頭。そして、ウィルソン選手に勝負を挑める日本人選手が現れるかどうかというところに、注目が集まります。

前戦では、ヒート1のスタート直後にホンダサポートライダーの大倉由揮選手（#6）がトップに立つも、すぐにウィルソン選手が逆転。レース中盤からは、カワサキのマシンを駆る内田篤基選手（#8）が4～5秒差でウィルソン選手を必死に追いましたが、その差は縮まりませんでした。
ヒート2では、1周目に内田選手がウィルソン選手と激しいトップ争いを繰り広げ、これにヤマハファクトリーチームの富田俊樹選手（#1）も加わり、三つ巴のバトルを展開。しかしここでも、日本人選手はウィルソン選手に先行され、引き離されてしまいました。

とはいえ日本のトップライダーたちに、「1周目からジェイさんに逃げられる同じ展開ばかりさせていたら勝てない」という意識が強く根づき、この状況を打開する戦略がこれまで以上に考えられるようになってきているのも事実。
諦めずに挑み続けている以上、必ず勝機はあるはずです。

なお今大会では、第2戦で負傷してしばらく戦列を離れていたカワサキファクトリーチームの能塚智寛選手（#2）が復帰予定。能塚選手もイッパツの速さにはとくに定評があるライダーのひとりで、スタート直後に上位勢をかき回す役者がまた戻ってきたことで、新たな展開が訪れる可能性も高まります。
一方で、こちらも最初にウィルソン選手を倒す日本人ライダーの候補に挙げられているホンダサポートライダーの大城魁之輔選手（#4）は、前戦ヒート1で骨折などの負傷。
その直後、本人は「北海道大会での復帰を目指して動く」とコメントしていますが、参戦できるかどうかは不透明で、復帰できたとしても厳しい状況になると予想されます。

IA2はこのライダーに注目！

主に若手と中堅のライダーが参戦するIA2クラスは、ここまで4戦9レースを終えて、スペイン人ライダーのビクトル・アロンソ選手（#58）が6勝をマーク。
シリーズランキングでも、2番手に対して45点リードのトップに立っていて、今大会でも優勝候補の筆頭です。

とはいえ前戦では、池田凌選手（#18）が日本人ライダー勢では開幕戦以来となる勝利。池田選手は、これが全日本IAクラス初表彰台登壇でもありました。
現在は大阪を拠点にレース活動を続けている池田選手ですが、出身は北海道。2019年からIAライダーとなった池田選手にとって、今回が初めての地元大会だけに、勝利に賭ける意気込みには並々ならぬものがあることでしょう。

また、今季の優勝こそありませんが、シリーズランキング2番手につけている横澤拓夢選手（#5）や同3番手の浅井亮太選手（#2）、あるいは開幕戦でアロンソ選手にいきなり土をつけたランキング4番手の中島漱也選手（#4）やランキング5番手の西條悠人選手（#8）も、活躍がとくに期待されるライダーです。

現地観戦組は周辺の交通渋滞に要注意！

今大会が開催される7月30日（日）は、航空自衛隊千歳基地で「千野瀬のまちの航空祭　千歳基地航空祭2023」が開催されます。
毎年超大人気で多くの来場者を集めてきたイベントで、ブルーインパルスも飛行予定のため、今年度も当日の千歳周辺道路は大渋滞が予想されています。現地観戦組は、時間にかなり余裕を持った移動が求められます。

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