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全日本モトクロス第8戦プレビュー

今季のD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズは残すところ2戦。最終戦を前にIA2クラスとレディースクラスのし烈なチャンピオン争いから目が離せない第8戦埼玉トヨペットCUPが、首都圏からアクセスしやすい埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで2023年10月28日(土)~29日(日)に開催されます。今大会はスポット参戦組にも注目です!

ホンダが電動モトクロッサーを初めて実戦投入

国際A級ライセンスを所持するライダーが参戦するIA1クラスとIA2クラスは年間9戦、レディースクラスとIBオープンクラスは年間7戦で競われる今季のD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ。
ラスト2戦となる第8戦埼玉トヨペットCUP(関東大会)が、2023年10月28日(土)~29日(日)に埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで開催されます。IA2クラスとレディースクラスのチャンピオン争いが接戦となっており、そちらからも目が離せない状況ですが、今大会には衝撃的なスポット参戦の話題がいくつかあるので、まずはそちらからお伝えしましょう。

そのひとつは、ホンダが開発してきた電動モトクロッサーの実戦投入です。ホンダは、2019年3月の第46回東京モーターサイクルショーで、電動モトクロッサーを発表。翌月には全日本モトクロス選手権開幕戦の舞台となったHSR九州で、実車の展示に加えてデモランを披露しました。
2021年にもデモランの機会はありましたが、今回はそれらとは異なる本気のレース参戦。しかもライダーは、2008年のAMAスーパークロス(ライツイースト)と2010年のAMAプロモトクロスで250クラスのチャンピオンに輝いたトレイ・カナード選手(#41)です。

2017年に現役を引退して、現在はアメリカン・ホンダモーターでチームアドバイザーも務める米国出身のカナード選手ですが、まだ33歳で現役を続けていてもおかしくない年齢。
ホンダが本気で勝利を狙ってきていることが伝わってくるライダー選択です。

参戦クラスは全日本最高峰のIA1。このクラスは、前戦でヤマハファクトリーチームのジェイ・ウィルソン選手(#27)が早々とシリーズタイトル獲得を決めており、開幕からここまで無敗のウィルソン選手に土をつけられるかも見どころです。
なお、電動ということで心配されるバッテリー容量問題ですが、今大会のIA1クラスはこれまでのスタンダードだった30分+1周の2ヒートではなく、15分+1周の3ヒート制。これも参戦の決め手となった可能性は大いにあります。
いずれにせよ、初めてレースを戦う「CRエレクトリック・プロト」に注目しましょう!

IA2クラスにはドイツからの刺客

若手と中堅のライダーがほとんどで、IA1クラスの出場マシンが4スト450cc中心となるのに対して、4ストの場合は排気量が250ccとなるIA2クラス。
こちらは前戦終了時点で、スペイン出身のビクトル・アロンソ選手(#58)がランキングトップに立ち、これを18点差で岩手県出身の横澤拓夢選手(#5)が追う、し烈なチャンピオン争いとなっています。

そんな今大会のIA2クラスに、かつてIA1で4回、IA2で1回のシリーズタイトルを獲得し、2021年限りで現役を引退した山本鯨氏が率いるTeam YAMAMOTOから、ブライアン・スー選手(#81)がスポット参戦します。
ドイツ出身で台湾人の母親を持つスー選手は、バイオリンを趣味とする「ザ・バイオリン・ライダー」として、FOXのムービーにも出演したことがある選手。
キッズ時代から才能あるモトクロスライダーとして注目され、モトクロス世界選手権MX2のスズキファクトリーチームに在籍した経験もあります。ケガの影響もあり、世界選手権ではトップレベルの成績を残せていませんが、その後もヨーロッパのレースで活躍。
今後はアジア圏でのレース活動も視野に入れているとのことで、その足掛かりとするためにも、超本気のレースをしてくることでしょう。

とはいえ今大会は、IA1クラスと同じくIA2クラスも15分+1周の超スプリント設定。しかもコースは、幅が狭くパッシングポイントが少なめとされるオフロードヴィレッジです。
スタート次第でどのような展開と結果になるかが大きく変わる可能性もあり、3ヒートとも最初から最後まで目が離せません!

さらに大接戦のレディースクラス

やや小さなマシンを駆り、女性ライダーたちが熱い戦いを繰り広げるレディースクラスは、前戦(第7戦は未開催のため第6戦)を終えた段階で、本田七海選手(#4)が118点でランキングトップに立ち、川井麻央選手(#2)がわずか2点差の116点でこれを追う、大接戦となっています。
このクラスは、今大会で15分+1周の1ヒート、最終戦でも同じく15分+1周の1ヒートが設定されており、つまりシーズンも残すところ2レース。今大会の結果が、シリーズタイトルの行方にかなり大きく影響します。

ポイントスケールは、優勝すると25点、2位で20点、3位で16点、4位で13点、5位で11点……と15位以内に入ればポイントを得られる設定ですが、両者ともに大きなアクシデントがなければ3位以内を逃すとは考えられない実力。
本田選手がトップを守って最終戦を迎えるのか、あるいは川井選手が逆転して最終戦に挑むのか。IA1やIA2と同じくレディースの戦いも見逃せません!

コースは公共交通機関の利用でもアクセス良好

埼玉トヨペットCUPとして開催される第8戦の会場となるウエストポイント オフロードヴィレッジは、荒川と入間川に挟まれた河川敷にあり、コースの南西側となる埼玉県川越市の中心部から約8km、北東側の上尾市街中心部から約6kmなど、首都圏広域からアクセスしやすい鉄道の駅がある市街地から、かなり近くに位置しています。

コースは県道51号のすぐ脇(高架の下側)で、この県道上には川越駅と上尾駅を結ぶ東武バスの「入間大橋」バス停が設けられています。
1時間1本程度と便数は少ないですが、バス停はまさにコースの入り口付近。公共交通機関でアクセスするのがとても簡単なのが、オフロードヴィレッジの大きな魅力です。

観戦仲間と割り勘するなら、川越や上尾の駅からタクシーも利用しやすい距離。もちろん会場には駐車場も用意され、マイカーやマイバイクでの来場も可能です。見どころたくさんの今大会、ぜひ会場で生のレースをお楽しみください!

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