2022年第2戦関東大会プレビュー
2022年5月14日(土)~15日(日)に「腕時計専門店ベルモンドCUP」として開催されるD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ第2戦関東大会。その舞台となる埼玉県・ウエストポイント オフロードヴィレッジのコース概要や周辺状況、現地での楽しみ方やレースの注目ポイントをお伝えします!
多彩なジャンプが散りばめられたタイトコース
ウエストポイント オフロードヴィレッジのコースは、河川敷のアップ&ダウンがほとんどない土地にあり、タイトターンと多彩なジャンプを中心に構成された、いわゆるスーパークロス的なレイアウトを特徴としてきたコースです。
他のコースと比べてコース幅が狭いセクションが多いことから、パッシングポイントは少なめ。しかしこのコースセッティングが、何台ものマシンがテール・トゥ・ノーズで続くようなシビれる接戦を数多く生んできたのもまた事実です。スタートダッシュがカギを握ることは言うまでもありませんが、トップライダーたちの華麗でときにはアグレッシブなパッシングにも注目が集まります!
最高峰クラスのIA1は今季初の3ヒート制!
スタートダッシュが大きなカギを握ることが多い関東大会ですが、今大会ではさらに、最高峰クラスのIA1に3ヒート制が導入されることから、優勝を狙うライダーたちにとっては予選での確実な上位フィニッシュと、決勝での完璧なスタートが必須条件となりそうです。
IAクラスに1大会3ヒート制が導入される場合、各決勝レースの時間はいつもの30分+1周ではなく、半分の15分+1周。もしもスタートで出遅れてしまった場合、オフロードヴィレッジのコースでなくても追い上げが難しくなります。
オフロードヴィレッジのスタートエリアは1コーナーまでの距離が短めで、1コーナーそのものは多少ワイドに使えるものの、立ち上がってすぐに多数のジャンプが待ち構えることもあり、混戦が生まれやすい印象。どのクラスも、まずはスタートでの争いから目が離せません!
IA1はこのライダーに注目!
最高峰クラスのIA1は、九州での開幕戦でヤマハファクトリーチームの富田俊樹選手(#2)が両ヒート制覇。チャンピオン最有力候補が、まずは確実にポイントを稼ぎました。しかし関東大会では、そう簡単に勝たせてくれないかもしれません。富田選手自身も、「開幕戦でのレース内容を考えると、次戦はコワい」と話していたライダーがいます。
それが、カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#3)。レース序盤のスピードにはとくに定評があり、今季開幕戦でも両ヒートでレース前半に富田選手と激しいトップ争いを繰り広げました。昨年は4勝をマークした能塚選手ですが、このうち3勝は15分+1周のレースで獲得。今大会でも鋭い速さで多くの勝利をもぎ取ることが期待できます。
昨年は2勝を挙げ、勝利数で富田選手と並んでいたヤマハファクトリーチームの渡辺祐介選手(#4)も、今大会優勝候補のひとり。昨年の2勝はいずれも、得意とするスポーツランドSUGOで、15分+1周のレースで挙げたものでした。今季開幕戦では、ヒート1で2位入賞もヒート2は4位。チャンピオン獲得のためにも、今大会ではすべてのヒートでの表彰台登壇が求められます。
これ以外の選手では、ホンダのマシンを駆るベテランの小方誠選手(#5)、昨年のIA2チャンピオンを獲得した大城魁之輔選手(#22)と、IA2ランキング2位で大城選手と同じチームからIA1へのステップアップを果たした大倉由揮選手(#23)に注目。小方選手はこのオフロードヴィレッジをホームコースとしてきた関東のライダーで、開幕戦ヒート2では3位と速さは今年も健在。大城選手はルーキーながら開幕戦ヒート1でいきなり3位表彰台に登壇し、大倉選手もヒート2で5位に入賞するなど、注目のルーキー勢は最高峰クラスでもその走りが通用することをすでに証明しています。
IA2はこのライダーに注目!
若手中心で競われるIA2クラスには今季、若手育成や技術開発などの幅広い役割を目的として、ヤマハファクトリーチームがオーストラリアのトップライダーであるジェイ・ウィルソン選手(#16)を起用してフル参戦。3ヒート制だった開幕戦では、すべてのレースで圧倒的な力の差を見せつけて勝利しました。ウィルソン選手は、元々スーパークロスも得意とするライダーで、オフロードヴィレッジのコースとも相性は良さそう。優勝候補の筆頭と言って間違いありません。
これに立ち向かう日本人ライダーたちの中では、開幕戦で3ヒートとも2位に入賞した小川孝平選手(#17)と、同じくすべてのヒートで3位となった中島漱也選手(#5)に期待。いずれもヤマハのマシンを駆るライダーで、ウィルソン選手を含めて再びブルーのマシンが上位を独占するかもしれません。
対するヤマハ以外の選手では、ホンダを駆る鈴村英喜選手(#9)や柳瀬大河選手(#10)、カワサキのマシンを操る鴨田翔選手(#11)や西條悠人選手(#7)、スズキのマシンに乗る福村鎌選手(#18)や眞野凌輔選手(#23)が、開幕戦の総合成績ではトップ10圏内。表彰台登壇を目指して気合い十分で臨みます。
Ladiesはこのライダーに注目!
昨年は、ホンダ4ストに乗る川井麻央選手(#1)が2年連続でシリーズタイトルを獲得。ヤマハ2ストを駆る2019年チャンピオンの本田七海選手(#2)が、1勝を挙げてランキング2位を獲得しました。また、昨年からホンダ4ストに乗り替えた久保まな選手(#3)は、シーズン序盤こそ2ストと4ストの違いに苦戦しましたが、終わってみれば2勝を獲得してランキング3位となりました。
迎えた今季開幕戦では、圧倒的な速さを誇る女王・川井選手が2度の転倒を喫して、川井選手のチームメイトで同じくホンダ4ストを駆る小野彩葉選手(#4)が全日本初優勝を達成。久保選手が2位、ハスクバーナの楠本菜月選手(#5)が3位、転倒から激しい追い上げをみせた川井選手が4位、ケガの影響に苦しんだ本田選手が5位でした。
オフロードヴィレッジは、川井選手や小野選手らが所属するT.E.SPORTのホームコースで、今大会でもこの2名が優勝候補の筆頭。ライバル勢がこれにどう立ち向かうかが見どころです!
公共交通機関でもアクセス良好な立地!
第2戦関東大会の会場となるウエストポイント オフロードヴィレッジは、荒川と入間川に挟まれた河川敷にあり、コースの南西側となる埼玉県川越市の中心部から約8km、北東側の上尾市街中心部から約6kmなど、鉄道でアクセスがしやすい駅がある市街地からとても近い場所に位置しています。
コースは県道51号のすぐ脇(高架の下側)で、この県道上には川越駅と上尾駅を結ぶ東武バスの「入間大橋」バス停があります。バスは1時間1本程度と便数は少ないのですが、バス停はまさにコースの入り口にあり、公共交通機関でアクセスするのがとても簡単です。
また、観戦仲間と割り勘するなら、川越や上尾の駅からタクシーも利用しやすい距離。快適に移動したいなら、こちらもオススメです。ただし、大会期間中のコース周辺道路は、時間帯によって非常に混雑します。決勝日の夕方は大会側による交通規制がかかることもあり、会場を徒歩で退出したら県道を少し歩き、その地点にタクシーを呼ぶほうがスムーズかもしれません。
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