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全日本モトクロス第7戦プレビュー

最高峰クラスは7点差に3選手の大接戦に!

D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズは、約4ヵ月の長いインターバルを終えて10月に再開したと思ったら、今度は2週間後に次戦が待ち構えるという連戦。10月23日(土)~24日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで、第59回MFJ-GPモトクロス大会が開催されます。前戦でIA1とIA2はチャンピオン争いが超接戦に。今季最終戦に向けて、SUGOでの第7戦は非常に重要な1戦になります!

IA1は渡辺祐介&山本鯨&富田俊樹が7点差圏内

約4ヵ月間のとても長いインターバルが終了し、10月9日(土)~10日(日)に熊本県のHSR九州で実施された第6戦でシーズン再開となった全日本モトクロス選手権。次戦は間隔を開けることなく、第6戦から2週間後の10月23日(土)~24日(日)に、宮城県のスポーツランドSUGOで第59回MFJ-GPモトクロス大会として開催されます。

最高峰クラスとなるIA1は、第6戦でホンダのサポートを受けるディフェンディングチャンピオンの山本鯨選手(#1)が両ヒート制覇を達成。ランキングトップにいるヤマハファクトリーチームの渡辺祐介選手(#3)が3-4位だったことから、ポイントランキングではその差が2点に詰まりました。さらに、渡辺選手と同じくヤマハファクトリーチームに所属する富田俊樹選手は、2-3位で両ヒートとも表彰台に登壇して、こちらも渡辺選手とのポイント差を削減。これにより渡辺選手が181点、山本選手が179点、富田選手が174点と、上位3選手が7点差圏内にひしめくことになりました。

今年のこのクラスは、ポイントランキングでは3番手の富田選手から22~30点差となっているものの、カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#5)とホンダサポートライダーの小方誠選手(#4)までが5強状態。逆に言えば、アクシデントがなければ渡辺選手と山本選手と富田選手は間違いなく5位以内に入る実力を持っています。

ただし今季のポイントスケールは優勝25点、2位20点、3位16点、4位13点、5位11点……と、これまで以上に上位のポイント差が大きい設定。優勝と5位では14点の変動が生まれます。つまり7点差というのは、もはや“無いに等しい状態”。最終戦を前に、この第7戦でランキング争いから誰が抜け出すのか、あるいは混戦が最後まで続くのか、SUGOでの戦いから目が離せません!

IA2はスポット参戦ライダーにも注目

4スト250ccマシンまたは2スト125ccマシンが参戦するIA2は、このクラスに初めて15分+1周の3ヒート制が導入された前戦のヒート1で、カワサキのマシンを駆りランキングトップを独走していた内田篤基選手(#4)が転倒リタイア。内田選手はヒート2とヒート3に出走できず、ホンダのバイクに乗るランキング2番手の大城魁之輔選手(#2)が9-2-2位となったことから、両者のポイント差がなんと1点に詰まりました。内田選手は次戦のポイント獲得も難しそうな状況で、これにより大城選手がランキングトップに浮上することはほぼ間違いないと思われます。

ただし、両ヒート優勝で一気にチャンピオン争いにほぼ決着をつけられるかどうかに関しては、大城選手にも不安が残ります。まず、同じコースで開催された第4戦SUGO大会で、大城選手は両ヒートとも転倒を喫して5位に甘んじています。前戦から最新型マシンに乗り、パフォーマンスをさらに上げている大城選手ですが、SUGOのコースに対する相性の悪さは簡単に払拭できないかもしれません。

さらに、この大会には内田選手の優勝を脅かすライダーがスポット参戦します。それが、ヤマハが招待するジェイ・ウィルソン選手(#106)。ウィルソン選手は、オーストラリア選手権やニュージーランド選手権のモトクロスやスーパークロスで、計6度のチャンピオンに輝いたライダーで、昨年は米国AMAスーパークロスの250SXに参戦してランキング19位を獲得。ライダーとしての実力は全日本IA2以上です。日本のコースに対する順応性は未知数ですが、ウィルソン選手が優勝候補の筆頭であることは間違いなく、大城選手はチャンピオン争いのことも頭に入れながら、これに挑むことになります。

なおスポット参戦ということでは、第6戦に続いて平田優選手(#51)、第4戦以来となる田中雅己選手(#48)といったベテランライダーもエントリーリストに名を連ねています。

連勝記録は途絶えても川井麻央選手の速さは健在

ホンダの4スト150ccマシンと、それ以外のメーカーが生産する2スト85ccマシンで参戦できるレディースクラスは、ホンダを駆る川井麻央選手(#1)が昨年開幕戦から今季第4戦まで、第3戦の2ヒートも含めて8連勝を達成。ところが前戦の第6戦HSR九州大会では、決勝の1周目にトップへ浮上した直後、ミスによりコースアウトして転倒。復帰に時間を要した川井選手は4位に終わり、今年からホンダのマシンに乗る久保まな選手(#3)が今季初優勝を挙げました。

とはいえ決勝のベストラップタイムでは、2分20秒29をマークした川井選手が2番手タイムを記録した久保選手より約4秒も速く、川井選手の圧倒的な速さは健在。今大会でも優勝候補の筆頭です。

ヤマハ2ストマシンを駆りランキング2番手につける本田七海選手(#2)は、長いインターバルの間に膝を負傷した影響が残っている模様で、前戦からの2週間でどの程度回復しているか気になるところ。川井選手のチームメイトでランキング3番手につける小野彩葉選手(#4)は、前戦で後半に粘り強さを発揮して2位に入賞しており、今季初優勝で波に乗る久保選手とともに、表彰台圏内を争うライダーとして注目しておきたい存在です。

スポーツランドSUGOはコロナ対策を徹底

全国的な新規患者数の激減により安堵感が増している状況ではありますが、継続的にレースを開催していくためにスポーツランドSUGOは新型コロナウイルス対策を徹底。今季第4戦と同様、パドックに観客が立ち入れないエリアを設けることで、観客と関係者の接触機会を制限する予定となっています。また入場時には、状況に応じて検温や体調チェックシートの提出などが要請されます。

観戦時の密集回避やマスク着用を含め、観客もコロナ禍のスムーズで安心できるレース運営に理解・協力していきましょう!

ところでスポーツランドSUGOのコース環境は?

SUGOのインターナショナルモトクロスコースは、ふたつの丘にまたがるようにレイアウトされ、自然の地形を生かした豊富なアップダウンも特徴としています。序盤には、斜度が約30度で長さが約70mもある上り坂の名物「大坂」がそびえ、後半には“丘の向こう”となるハイスピードなヨーロピアンセクションもあります。

SUGOには昔から、スターティングエリア左側(表彰台正面)にコンクリートのスタンド席があったのですが、近年はそれに加えて大坂の横などにも観客席の整備が進められました。飲食店ブースも複数ヵ所に分散され、ヨーロピアンセクションにはバイク来場者無料(一般利用500円)の「SUGOライダーズカフェ」が設けられるなど、観戦環境の向上が進められています。そのため、イスや敷物などを持ち歩かなくても快適にレースを楽しめますが、コロナ対策で密を避けるなら、折りたたみのイスなどがあると便利です。

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