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選手をサポートするメーカープログラム、あります!

モトクロパドック裏話】

世界で大活躍する4メーカーを有する日本。モトクロスレースを取り巻く国内環境が厳しい中でも、現在のライダーをサポートして次世代のモトクロスライダーを育てようと、メーカーではさまざまな支援プログラムを用意しています

ヤマハのレースサポートプログラムbLUcRU 

例えば、「ヤマハオフロードコンペティションモデルを使用するアマチュアライダーを対象としたレースサポートプログラム」として、2016年から展開されているのがヤマハのbLUcRU(ブルークルー)。こちらは、オフロードを愛し、汗をかき土にまみれながら刺激的な日々を過ごすヤマハオフロード競技モデルオーナーのバイクライフを、さらに豊かにすることを目指して生まれました。

その内容を簡単に説明するなら、アマチュアライダーを対象としたレースサポートプログラム。そのため、全日本モトクロス選手権においては基本的にこれとは異なるサポート体制となるのですが、とはいえこれを活用しながらIAクラスまで昇格してきた“ヤマハ育ち”の若手ライダーもいます。

中島漱也選手も、地方選参戦時代はブルークルーのクーポンをガッツリためて翌年のバイクの資金にしたそうです

全日本を目指すならヤマハ車で!?

bLUcRUは、ヤマハのブランドスローガンである“Revs your Heart”にも込められた、「心躍る瞬間、そして最高の経験を届けたい」という想いを具現化するために運営されています。その最大の特徴は“全方位サポート”。レース会場で困ったときにはレーシングサービスを利用でき、スキルをさらに高めたいときにはプロフェッショナルライダーによるライディングスクールに参加できるのに加えて、モチベーションを駆り立てる賞典制度やメンバーだけの各種特典も用意されています。

bLUcRUは、ヤマハオフロードコンペティション正規取扱店で直近3年間の対象機種を新車購入したユーザーのみが登録できる制度(新車発売開始から約3年間の有効期限あり)なのですが、とくに注目したいのが各種金銭サポート。例えば2021年モデル購入メンバー限定特典としては、YAMALUBE製品(ヤマハ純正オイル、ケミカル)の購入に使える税込1万円分のクーポン券をもれなくプレゼント。さらに、対象の地方選手権で1~3位(各大会の総合成績)に入賞すると、ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店で使用できるクーポン券が、1位なら3万円、2位なら2万円、3位なら1万円分贈呈されます。

この特典制度は地方選手権のみ対象なので、全日本に参戦するIAクラスには関係ないのですが、地方選手権ではIBオープンクラスやレディースクラスも実施され、こちらには全日本ライダーも参戦しています。地方選手権で腕を磨きながらもbLUcRU特典でレースにかかる資金を抑え、その一方で全日本選手権ではさらなる飛躍に向けて挑戦を続けているIB以下のヤマハ全日本モトクロスライダーも少なくないんです!

YAMAHAモトクロス情報ページ

YAMAHA bLU cRU(ブルー・クルー)

カワサキは全日本モトクロス選手権に報奨金制度導入

アマチュアライダーをサポートして未来のライダーを育てる活動を続けるヤマハに対して、カワサキは今年から展開するKawasaki Team Green Programで、全日本ライダーを中心としながら地方選も含む幅広いレベルのライダーをサポートします。まず、指定の期間に2021年型以降のKXシリーズなどを新車購入したユーザーのうち、2021年に開催される全日本や地方選のモトクロス選手権に参戦したすべてのライダーに、レース参戦支度金を進呈。こちらは新車1台につき1回の支給で、全日本選手権なら6万円、地方選あるいは指定競技会の場合は3万円がもらえます!

また、全日本モトクロス選手権に参戦するライダーのサポートプログラムとして、入賞報酬金制度も導入されています。こちらは、IA1とIA2、IBオープン、レディースおよび全日本併催レースとなるジュニアクロスが対象。この賞金額と規定がなかなか太っ腹で、IA1とIA2の場合、大会ごとに1位に10万円、2位に7万円、3位に6万円……と6位の3万円まで設定されています。しかも順位の規定は総合成績ではなく、「決勝レースが複数行なわれた場合は、その中でもっとも上位に入賞した1レース」。つまり、ヒート1が優勝でヒート2がリタイヤでも10万円がもらえます。

開幕戦でH1,H3優勝の能塚智寛選手ですが、この時はまだ報奨金制度についてなにも知らなかったとか!?

さらに、年間ランキングに対しても報奨金が設定されていて、こちらはチャンピオンなら50万円。ランキング2位で30万円、3位で20万円、4位で10万円、5位で8万円、6位で6万円と規定されています。各大会および年間ランキングに対する報奨金額は、IAクラス以外だと半額になりますが、それでもレースの優勝で5万円、チャンピオンで25万円。レース活動を続けるうえで、これは大きなサポートです!

もっともタイムリーだったのは内田篤基選手!

スズキからカワサキにマシンをスイッチしたマウンテンライダース 内田選手は最も賞金王に近い男?!

今年から導入されたカワサキの全日本ライダーサポートプログラム。もっともタイムリーにこの恩恵を受けているのが、序盤の2戦を終えてIA2クラスのランキングトップに立っている内田篤基選手(#4)です。今季、内田選手が所属するチーム「マウンテンライダーズ」は、使用するマシンをそれまでのスズキからカワサキにスイッチ。これに伴い、内田選手もマシンをカワサキに乗り替えたのですが、ちょうどそのタイミングでメーカーによるサポートプログラムがスタート。開幕戦で1勝、シーズン2戦目となった第3戦で両ヒート制覇を達成し、チャンピオン最有力候補になっている内田選手にとって、これは大きな支援です。

「プログラムのことは、メーカーからのアナウンスで開幕直前に知りました。もちろん、それよりも前の段階でカワサキにスイッチすることは決まっていたのですが、自分にとっては最高のタイミングでした。一昨年に仕事を辞め、退路を断ってプロフェッショナルライダーとなるためにレースをしています。そういう状況で、自分の成績が良ければ金銭的なサポートを得られるというのはとても大きなことです。今年、最低限の目標としているのはチャンピオンですし、そのためには毎戦勝ち星を積み重ねていくことが大切。そのどちらもが報奨金というカタチでも評価されるので、とにかく上を目指して戦っていきます!」

第3戦関東大会の決勝レース後、このように話してくれた内田選手。第2戦が延期となり、シーズンが何戦で実施されるか不透明ではありますが、各大会で最低でも1勝を記録してチャンピオンになれば100万円以上の報奨金を得られます。とにかく資金が必要とされるレース活動。もちろんこれだけでは十分な額にはほど遠いですが、とはいえ大きな助けになることは間違いありません。

カワサキ 全日本モトクロス入賞報奨金制度

カワサキ レース参戦支度金プログラム
新車をご購入されたお客様がレースに参戦された場合に、レース参戦支度金(新車1台につき1回)を支援