2021全日本モトクロス開幕戦決勝
熊本県のHSRで開催されたD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズの2021年開幕戦。その決勝日は、前日に続いて風が強い晴天となりました。気温は23度まで上昇。散水作業が追いつかずホコリがかなり多めでしたが、白熱のレース展開に会場は大盛り上がり!
ここでは、今大会で活躍したライダーの声をお伝えします。
【IA-1ヒート1】
今大会のIA1は15分+1周の3ヒート制。そのヒート1は、最終ラップにクライマックスがやってきました。山本鯨(#1)と富田俊樹(#2)が激しくぶつかり合うトップ争いを演じて両者転倒。その少し後ろにいた能塚智寛(#5)が、漁夫の利で最高峰クラス初優勝!
●優勝 能塚智寛(#5)
すごい運を持っているなあ~と思います。ラスト3周くらい、前のふたりを必死に追っていたときは、富田選手と山本選手のほうがペースが速くて勝てそうもなかったのですが、僕の“コケろコケろビーム”が効いたようです。勝ちは勝ちなんで、ひとまずうれしいです。
●2位 渡辺祐介(#3)
結果としては2位で、シーズンの始まりとしてはいいのかなと思うのですが、この順位はちょっとタナボタなところがあるので、次のヒートでは自分の実力で表彰台に上がりたいと思います。
●3位 山本鯨(#1)
スタートは決まったのですが、散水の影響で難しさもありました。3番手に落ちてからしっかり追い上げられたのですが、最後に後ろから来た選手とぶつかって転倒してしまうというおもしろくないレースをしてしまいました。次は最後まで逃げ切って、楽しいレースにします。
【IA-1ヒート2】
好スタートの富田俊樹(#2)を渡辺祐介(#3)が追いましたが、じわじわとリードを拡大した富田が逃げ切って優勝。渡辺が2位でした。3番目にチェッカーを受けたのは能塚智寛(#5)。しかしレース後の音量測定で失格となり、小方誠(#4)が繰り上げ3位に!
●優勝 富田俊樹(#2)
ヒート1では、ちょっと気持ちが出すぎて、ダーティーなレースを演じてしまいました。ヒート2はスタートからトップに立ち、序盤にチームメイトがプッシュしてきてちょっと揺さぶられたんですが、まあ何とか逃げ切れました。ヒート3も集中して臨みます。
●2位 渡辺祐介(#3)
スタートではいい位置を確保できたのですが、富田選手が速くて追いつけませんでした。ヒート3でもヤマハでワン・ツーが獲れるように、そして今度は自分がその中でも上に立てるように、精一杯走りたいと思います。
●3位 小方誠(#4)
ヒート1と同じく、ヒート2もスタートで出遅れてしまいました。ヒート1は、そのままあっという間に時間が終わり完全に不完全燃焼でしたが、ヒート2は最後に思わぬラッキーがあったとはいえ、なんとか3位に入れました。ホンダのバイク、乗りやすくポテンシャルも高いです。
【IA-1ヒート3】
ヒート1と同じく、ドラマは最終ラップに。トップを走る能塚智寛(#5)に小方誠(#4)が追いつき、レース終盤に接近戦となりました。最終ラップでは小方が一度先行しましたが、残りわずかのところで能塚が再逆転。僅差で逃げ切った能塚が2勝目を挙げました。
●優勝 能塚智寛(#5)
ヒート3ともなると体力的に厳しくて、最後はフラフラだったのですが、トップを走っていたのでやっぱり勝ちたいと思い頑張りました。ヒート1でも勝ちましたが、あれはラッキーだったので、自分の実力を証明したいと思っていました。やっぱり勝つと気持ちいいですね。
●2位 小方誠(#4)
ヒート1とヒート2では、スタートで出遅れて不甲斐ない走りをしてしまい、解説の熱田さんにもカツを入れられたのですが、やっと自分の走りができました。ただ、あそこの位置を走っていたら勝ちたかった……。ここは好きなコースなので、秋の大会では勝ちます!
●3位 渡辺祐介(#3)
悔しいです。とはいえ、今日はタフなレースの連続でしたから、ヤマハのバイクやダンロップのタイヤに助けられながらすべてのヒートで表彰台に立てたことはうれしいです。今回のレースで、自分に足りないモノもわかったので、次戦までに改善して次は勝ちます。
【IA-2ヒート1】
ホールショットの内田篤基(#4)を大城魁之輔(#2)が1周目にパス。3周目までは内田が大城をマークしていましたが、その後は徐々に大城が引き離して独走優勝しました。2位の内田は、3位を約30秒も引き離してゴール。後続を抑えた中島漱也(#10)がIA初表彰台の3位!
●優勝 大城魁之輔(#2)
やっぱり、優勝は最高です。まだ半分残っているのですが、少なくともヒート1ではやるべきことができたと思います。今年から体制がよくなり、マシンづくりや整備、レース現場でのサポートが充実した状況でレースできています。まずは優勝できて安心しています。
●2位 内田篤基(#4)
スタートは良かったのですが、大城選手のペースが速くてついていくことができませんでした。今年から、使用するマシンのメーカーをはじめレース体制が大きく変わりましたが、僕がチャンピオンを獲れると信じて応援してくれている人のためにも、さらに上を目指します。
●3位 中島漱也(#10)
昨年はIAルーキーでしたが、想像以上に壁は厚く、自分の走りをさせてもらえず悔しい思いをしてきました。それでも支えてくれた方々に感謝しています。3位で満足……しちゃっているんですけど、自分よりレベルが高いふたりにも喰らいついていけるよう頑張ります。
【IA-2ヒート2】
再び内田篤基(#4)がホールショット。3周目に岸桐我(#8)を抜いて大城魁之輔(#2)が2番手に浮上した段階で、内田は約8秒も先行していました。レース中盤、内田はさらにリードを拡大。そのまま逃げ切って優勝しました。3位は終盤に川上龍司(#7)を抜いた岸で、IA初表彰台に!
●優勝 内田篤基(#4)
ヒート1は悔しい負け方をしてしまったので、ヒート2はスタートをまた決めて、今度こそ逃げ切ろうと思っていました。マシンはヒート1の段階で完璧だったので、あとは勝利をどん欲に求める自分の気持ちだけと思って臨みました。
●2位 大城魁之輔(#2)
スタートで出遅れてしまい、2番手に浮上してからはなんとか追い上げようと速いラインを探ろうとしたのですが、結果的には実力でまったく及ばず、このレースは完敗でした。この程度の出遅れを言い訳にしていたらしょうがないです。今後改善します。
●3位 岸桐我(#8)
予選と決勝日朝の練習走行では調子がよかったのですが、ヒート1は自分の歯車がかみ合わず、12位に終わってしまいました。ヒート2は、ギヤがニュートラルに入ってしまい一度後退しましたが、ラスト2周で逆転して3位でゴールできたので、ある程度は満足しています。
【レディース】
ホールショットは小野彩葉(#4)。これを追った本田七海(#2)と川井麻央(#1)が、ポジション争いの最中にレースアクシデントで接触。これで本田が転倒し、川井が2番手に浮上しました。そしてレース中盤に小野を逆転した川井が、そのまま逃げ切って優勝!
●優勝・川井麻央(#1)
昨日の予選まではうまく走れず、本田選手が速くてどうしよう……と思ったのですが、決勝前の練習走行ではいつもの感覚に戻っていました。決勝はスタートで前に出られなかったのですが、15分をうまく使ってレースをコントロールできたので満足しています。