全日本モトクロス開幕戦予選速報
新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れていた今季の全日本モトクロス選手権シリーズが、当初の予定から約4か月半遅れでようやくスタート。各クラスの予選およびIBオープンクラスの決勝ヒート1が、8月29日(土)に宮城県のスポーツランドSUGOで実施されました。天候は晴れのち曇り時々雨で、最高気温は32℃。かなりの暑さと午前中の強い日差しにより、路面は散水や少しの降雨では追いつかないほど乾き、大量のホコリが舞う予選となりました。
IA-1 CLASS
23台が10分+1周のレースに出走して、決勝のスターティングゲート選択順位を決めました。その予選レースは、今季限りでの引退を発表している成田亮(#982)がホールショット。そのまま成田が1周目のトップを守り、カワサキファクトリーチームの小方誠(#10)が2番手、昨年までの米国AMA参戦から今季は日本に活動の場を移したヤマハファクトリーチームの渡辺祐介(#110)が3番手、以下に昨年度王者の山本鯨(#400)、大塚豪太(#155)、小島庸平(#44)のホンダ勢が続き、昨年までのホンダからヤマハファクトリーチームに移籍した富田俊樹(#317)は8番手、今季は日本を舞台に戦うホンダユーザーの能塚智寛(#555)は9番手からのレースとなりました。
2周目、山本が渡辺をパスして、成田と小方と山本と渡辺がトップ4。5番手以下はこの集団から4~5秒遅れ、小島がけん引しました。3周目、山本がライバルを次々に抜いてトップに浮上。4周目には、後続がバトルを繰り広げている間にリードを約6秒に拡大しました。その2番手争いでは、小方と渡辺が先行。同じ周、富田は5番手まで順位を回復しました。そしてポジションを落とした成田に、富田が少しずつ接近。6周目に両者は順位を入れ替えました。トップに立った山本は、そのままポジションをキープ。7周でチェッカーとなったレースは山本、小方、渡辺、富田、成田、能塚、小島、大塚、横澤拓夢(#322)、小林秀真(#12)のトップ10となりました。
IA-2 CLASS
41台が2組に分かれて10分+1周の予選レースに臨みました。A組は、ディフェンディングチャンピオンの横山遥希(#1)がホールショットを奪い、IAルーキーの中島漱也(#01)が続きました。しかし2周目、中島はミスにより7番手まで後退。代わりに大城魁之輔(#36)が横山に迫り、池田凌(#60)が3番手に順位を上げました。大城は、横山を1秒ほど後方でマークし続けましたが、5周目に横山がペースを上げてリードを拡大。これにより横山、大城、10秒以上離れて池田がトップ3としてゴールしました。4位には1周目9番手から追い上げた大木汰一(#42)、5位には同12番手から猛プッシュを続けた川上龍司(#40)が入っています。
B組には、大ベテランの勝谷武史(#888)がカワサキのファクトリーチームから参戦。その勝谷が好スタートを決め、内田篤基(#39)と浅井亮太(#41)が続きました。レース前半、内田は勝谷をマークし、数秒遅れて浅井が3番手。さらに4秒ほど間隔を開けて鈴村英喜(#35)と大倉由揮(#31)と小川孝平(#912)が4番手争いを繰り広げました。4周目、内田が勝谷に猛烈なアタック。しかし勝谷は、これを巧みに防御すると5~6周目にペースを上げ、これで少し内田が離れました。そして勝谷、内田、大倉、浅井、小川、鈴村の順でゴール。両組総合による決勝進出トップ10は勝谷、横山、内田、大城、大倉、池田、浅井、大木、小川、川上となりました。
LADIES CLASS
30台が3周の予選レースに臨み、決勝のスターティングゲート選択順位を決めました。好スタートを切ったのは川井麻央(#3)。しかし1コーナー立ち上がりでは、小野彩葉(#5)が先頭に立ちました。昨年度女王の本田七海(#1)は出遅れて13番手あたりから、久保まな(#4)はさらに後方からの追い上げを強いられました。1周目、スタート直後の5番手から追い上げた川井は一気にトップ浮上。そのまま後続を離しはじめました。
本田は1周目を7番手、久保は同9番手で通過。それでも2周目、数台による混戦を焦ることなく制して、本田は3番手まで順位を上げました。そして最終ラップに、本田が2番手の小野に接近。しかし背後に迫りながらも勝負には持ち込めず、レースは川井、小野、本田、久保、井川実乃里(#6)、木下宙(#9)のトップ6となりました。