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全日本モトクロス第2戦・第3戦プレビュー

D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズは、2024年4月20日(土)に第2戦、翌日の4月21日(日)に第3戦が、HSR九州大会として熊本県で実施されます。
中国大会の中止により、急遽土日ダブルヘッダー開催となったこの大会の注目ポイントやコース概要および周辺状況などを、凝縮してお伝えします。

土日ダブルヘッダーで観客は2度おいしい!

国際A級ライセンスを所持するライダーによって競われるIA1クラスとIA2クラスは年間8戦、レディースクラスとIBオープンクラスは年間7戦が予定されている今季のD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ。
ただし第2戦と第3戦は同じ週末に、第2戦が土曜日、第3戦が日曜日に実施されます。
これは、第3戦として開催予定だった中国大会の中止に伴う、レース数を維持するための措置。土日ダブルヘッダーかついずれもワンデースケジュールという、イレギュラーな日程となります。

レースフォーマットとタイムスケジュールは土日で完全同一設定。IA1の場合、土日ともに公式練習を兼ねた15分間のタイムアタック予選、30分+1周の決勝ヒート1、15分+1周の決勝ヒート2が実施されます。
IA2もタイムアタック予選と決勝のレース時間は同様ながら、こちらはタイムアタック予選の27位以下を対象とした10分+1周のラストチャンス予選レースも実施。
またレディースクラスは、15分間のタイムアタック予選と15分+1周の決勝となります。

通常とは大きく異なるタイムスケジュールのため、参加するライダーたちは対応力が求められますが、もちろん条件は全選手同じ。
一方、会場で生観戦するファンとしては、3850円の一般前売り入場券や990円の四輪駐車料金はいずれも土日通しに設定されており、2戦分の予選&決勝をリーズナブルに観戦できるお得な週末ということになります!

昨秋よりはホテルに空室あり

この第2戦・第3戦の舞台となるのは、熊本県菊池郡大津町のHSR九州。ホンダの国内二輪車生産を一手に担う熊本製作所に隣接された、モータースポーツ&安全運転講習の施設です。
ここは、熊本空港から約11kmの至近距離。九州以外に住むファンが、飛行機往復で観戦するのにも向いています。

大津の隣町となる菊陽町では、台湾大手半導体メーカーのTSMCが工場を建設中で、一帯がちょっとした半導体バブルに沸いていることは、報道でも頻繁に取り上げられています。この影響や、春の観光シーズンということなどから、大津町のビジネスホテルは土曜の夜を中心としてかなり予約で埋まっていますが、4月9日現在の検索によると、昨秋の全日本開催時ほどの絶望的な状態ではないようです。

土日で観戦場所を変えるのもオススメ

HSR九州のモトクロスコースは、広いコース幅とハイスピードなレイアウト、阿蘇外輪山をバックに跳ぶダイナミックなジャンプなどを特徴としてきました。
2022年秋には大幅なレイアウト変更が施され、コース前半のハイスピードセクションがカットされ、低速区間が増えたものの、依然としてダイナミックな雰囲気は維持されています。

土質は、阿蘇の噴火に由来する黒土がベースながら、近年は大量の山砂を搬入しながらメンテナンスが施され、サンド質にかなり近いセクションが入り混じることも多々あります。
全日本開催時は、直前のメンテナンス次第でコンディションが変わることも多い印象で、路面への対応力も求められます。

ちなみにコースは、アップダウンがあまりない広大な土地に、簡単に説明するなら「C」の字状に展開されています。コースを広く見渡せるポイントがあまりないため、レースごとに観戦地点を移動するとか、最初にちょっと歩いてお気に入りの観戦ポイントを探してみるのがオススメ。
せっかく土日で2大会あるので、観戦場所をチェンジしながら楽しみましょう!

IA1はこのライダーに注目!

最高峰クラスのIA1は、ヤマハファクトリーチームから参戦する昨年度王者のジェイ・ウィルソン選手(#1)が、15分+1周の3ヒート制だった開幕戦を完全制覇。やはり今年も、チャンピオンの最有力候補です。

ただし開幕戦ヒート3では、今年からホンダを駆る横山遥希選手(#41)が、レース中盤までトップを死守。
先行された後にも一度は再逆転を果たし、ウィルソン選手を最後まで苦しめました。横山選手は2019~2020年に全日本IA2クラスを連覇して、翌年からウィルソン選手の母国であるオーストラリアでレース活動。
入れ替わりに近い状態でウィルソン選手が来日したため、現地での対戦経験などはないとのことですが、「向こうでチャンピオンにもなった選手なので、当然ながら有名ですよ」と話していました。
と同時に、「異国でレースをする大変さは自分もよく知っているし、だからこそホームである日本では自分が勝たなくてはダメです」と横山選手。第2戦・第3戦でまずは1勝をもぎ取ることができるか注目です。

そして横山選手以外にも、打倒・ウィルソン選手に燃えているライダーは多数います。ホンダのマシンを駆り開幕戦では総合2位を獲得した大倉由揮選手(#2)、昨年度のIA2クラス王者で今季はガスガスのマシンを駆るスペイン出身のビクトル・アロンソ選手(#33)、福岡出身でHSR九州を得意とするカワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#7)、今季はヤマハのマシンにスイッチした大城魁之輔選手(#5)あたりに注目しておきましょう。

IA2はこのライダーに注目!

主に若手と中堅のライダーが参戦するIA2クラス。3ヒート制だった開幕戦では、ホンダのマシンを駆る横澤拓夢選手(#2)、今季からその横澤選手が運営するチームに移籍した柳瀬大河選手(#6)、そしてヤマハのマシンを駆る中島漱也選手(#3)が、ヒート優勝を挙げました。
総合成績でも、中島選手が58点、横澤選手が54点、ヒート1をマシントラブルによる失格で落とした柳瀬選手が45点でトップ3。もちろん第2戦・第3戦でも、活躍が期待されます。

しかし第2戦からは、かつてモトクロス世界選手権MX2のスズキファクトリーチームに在籍した、ドイツ出身で台湾人の母親を持つブライアン・スー選手(#16)が、ガスガスを駆り参戦することが予定されており、勢力図が大きく塗り替わりそうな雰囲気。
スー選手は昨年第8戦IA2にスポット参戦し、マシントラブルの影響がありながらもヒート1は2位、ヒート2は3位に入ると、ヒート3は独走で勝利しています。いきなり優勝候補の筆頭になることは間違いないでしょう。

Ladiesはこのライダーに注目!

今季開幕戦では、ホンダ4ストを駆るディフェンディングチャンピオンの川井麻央選手(#1)が、独走でトップチェッカー。
しかしレース後に、マシンの技術規則違反で失格となり、ヤマハ2ストを駆る川上真花選手(#4)が、繰り上げで全日本初勝利を手にしました。この開幕戦では、ホンダ4ストに乗る瀬尾柚姫選手(#5)が2位、今年からホンダにマシンをスイッチした本田七海選手(#2)が3位。
さらに箕浦未夢選手(#3)が4位、楠本菜月選手(#10)が5位となっており、第2戦・第3戦でも上位入賞が期待できそうです。

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