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全日本モトクロス第6戦のみどころ

1ヵ月半のインターバルを終え、全日本モトクロス選手権シリーズ第6戦が721日(土)~22日(日)に岩手県の藤沢スポーツランドで開催されます。例年この時期に設定されている東北大会は、猛暑か雨のどちらかになることがほとんどですが、今年は全国的に梅雨明けが早く、大会開催日程はやや遅めとなっていて、暑い大会となりそうです!

全日本屈指の美しさも魅力的な名コース

今季第6戦の舞台となるのは、岩手県の藤沢スポーツランド。一関市の中心部と宮城県気仙沼市の中間付近に位置するコースは、低い山の斜面にレイアウトされていて、緑の中を縫うようにコースが走るその姿から、「日本一美しいモトクロスコース」と称されることもあります。

昨年は7月の第3週に設定されたこの東北大会は、再び一昨年と同じく決勝日が第4日曜日となるようにスケジューリングされていて、しかも今年は全国的に梅雨明けがかなり早めとなっているため、晴天で最高気温が30度を超えるような真夏らしいドライコンディションでのレース開催となる可能性がかなり高そうです。

猛暑になれば、ライダーには一瞬のスピードだけでなく、IAクラスなら30分+1周を乗り切る強靭な体力も求められます。例えば、レース後半まで何十秒もリードしていたトップのライダーがスタミナ切れとなり、後方から思わぬ伏兵が追い上げてくることもあるはず。あるいは、そのような展開を想定して前半のペースをコントロールするレース巧者が登場したり、逆に序盤で出来るだけリードを拡大して逃げ切りを図る作戦を取るライダーがいたりと、各選手の戦略にも注目が集まります。

いずれにせよ、いつも以上にタフなレースとなることは間違いなし。ゴールする瞬間まで目が離せない、ドラマチックなレースに期待しましょう!

熱中症対策を完璧にして観戦を!

藤沢スポーツランドにはいくつかの観戦ポイントがありますが、コース全体を広く見渡したいなら、フィニッシュジャンプ手前のビッグテーブルトップジャンプ横に設けられた、コンクリート製の広い観客席がお薦め。ここは、ファクトリーチームパドックのすぐ下側という位置関係。表彰式も歩くことなく見られます。

ところで、この大会は猛暑になる可能性が高いので、観戦に訪れる方々も熱中症対策は万全にしておいてください。熱中症には、水分とミネラルの補給が有効。小さめのクーラーボックスか保冷バッグなどがあると、いちいち出店まで飲み物を買いにいかなくても、レース中に冷たい状態で水分を補給できるので便利です。アルコール飲料は、分解するためにカラダが水分を必要とし、またビールには利尿作用もあるため、控えておきたいところ。日中は帽子を被り、カラダを冷却するスプレーや気化熱を積極利用できる高機能インナーの導入なども検討してください。日傘も使いたいところですが、こちらは周囲の方々に迷惑となることも多く、またそもそもレース中は雨が降ったとしてもコースサイドでの傘使用が禁止されています。周囲に配慮して、状況を見ながら使用してください。

もちろん、直前の予報で残念ながら降雨となってしまった場合は、雨対策も万全に!

6戦でとくに注目のライダーは?

シーズンのちょうど中間地点となった第5戦までを終え、全日本最高峰クラスのIA1は、ホンダファクトリーチームから参戦する成田亮選手(#982)と山本鯨選手(#1)、カワサキトップチームから出場する小方誠選手(#2)と新井宏彰選手(#331)による、4強の争いとなっています。

この中で、ランキングトップを守るのは成田選手。ここまで5勝を挙げ、ランキング2番手の山本選手に対して15点のリードを奪っています。この藤沢スポーツランドは、青森出身で宮城在住の成田選手が幼いころから走ってきたコース。スポーツランドSUGOに次ぐもうひとつの地元大会で、成田選手がさらにポイントリードを拡大できるかに注目です。

しかし、ライバルたちも成田選手のアドバンテージを削るべく、闘志を燃やしています。山本選手は前戦で今季初優勝と両ヒート制覇を達成していて、波に乗る状態。ドライコンディションに近い状態だった昨年の東北大会決勝ヒート1では、小方選手が勝利を収めていますし、猛暑となった2016年大会では、新井選手がヒート1で優勝してヒート22位となっています。過去のデータを見ても、やはりIA14強による優勝争いとなりそうです。 

一方、IA2は前戦で、ホンダを駆り新チームから参戦するランキングトップの古賀太基選手(#922)が、転倒によるマシン破損でヒート1をリタイア。対してホンダファクトリーチームの能塚智寛選手(#828)が両ヒート制覇を達成したことから、古賀選手と能塚選手のポイント差が3点という超接戦となっています。今大会もこのふたりを中心に、ランキング3番手の小川孝平選手(#912)と4番手の横山遥希選手(#66)というカワサキ勢を含めた4台による優勝争いが予想されます。

そしてレディースクラスでは、今季3勝を挙げてランキングトップを守る畑尾樹璃選手(#4)に、畑尾選手のチームメイトでランキング2番手を守る川井麻央選手(#8)らが挑みます。

 

JMX観戦達人のちょい技

時間が許すならぜひ周辺観光も!

今年の東北大会は決勝翌日が平日なので、土日休みのサラリーマンだと延泊は難しいかもしれませんが、藤沢スポーツランドの近くには多くの観光地があるので、できることなら少しでもついでに巡りたいところ。コースの近くを通る国道284号を東へ小一時間ほど進めば、宮城県の気仙沼。東日本大震災で甚大な津波被害を受けた地域ですが、現在は復興に向けて一歩ずつ前に進んでいて、おいしい海産物を堪能することもできます。逆に、国道284号を西へ向かうと同じ岩手県の一関。ここからちょっと北へ向かうと、平泉にたどり着きます。こちらは、2011年に世界遺産登録され、中尊寺をはじめとする観光名所が多数あります。

家族連れなら、予選が行われる土曜日は周辺観光を多めに取り入れ、決勝が開催される日曜日はがっつりレース観戦なんて、バランスよく楽しんでみるのもお薦めです。