全日本モトクロス第6戦プレビュー

全7戦で競われる2025年の全日本モトクロス選手権シリーズは、シーズン終盤戦に突入。
10月18日(土)~19日(日)には、埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで第6戦「21Groupカップ 東福寺保雄記念」が開催されます。
首都圏からのアクセス性に優れ、日曜日に全日本格式クラスの予選と決勝が凝縮された、観戦しやすい大会になっていますよ!
~ 多彩なジャンプとリズムセクションが待ち構える ~

2025年は全クラスともに7戦(大会)で競われるD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ。その第6戦は「21Groupカップ 東福寺保雄記念」として、10月18日(土)~19日(日)に開催されます。
舞台となるウエストポイント オフロードヴィレッジは、今季第3戦でも使用された、関東地方を代表するモトクロスコース。
荒川と入間川に挟まれた河川敷にあり、埼玉県川越市の中心部から約8km、上尾市中心部から約6kmと、市街地からかなり近い場所にあります。

コースは、河川敷ならではのフラットな土地にジャンプとタイトターンを多く配した、スーパークロステイストが濃いレイアウトが特徴。
全体的にはコース幅が狭く、パッシングポイントが少ないことから、スタートダッシュが好成績の大きなカギを握ります。
全日本ライダーたちが大小さまざまなジャンプやリズムセクションを華麗にクリアする姿を、コースサイドのあちこちで観戦できるこのコンパクトなモトクロスコースには、毎回多くの観客が集まります。
ぜひ一緒に、会場で盛り上がりましょう!
~ 実質的には日曜日のみのワンデースケジュール ~
この第6戦は、2025年10月18日(土)~19日(日)の2日間にわたり開催されますが、全日本最高峰のIA1クラス、さらにIA2クラスとレディースクラスは、公式練習を兼ねたタイムアタック予選および決勝レースをすべて日曜日に実施する、ワンデースケジュールが導入されています。
さらに、未来のIAライダーを目指すIBオープンクラスも、予選は土曜日ながら、決勝は2ヒートとも日曜日。つまり土曜日は、承認レースやイベントレースがメインで、応援したい特定のライダーが参戦している場合などを除けば、レース観戦という意味での魅力は少なめです。
とはいえ今大会は「21Groupカップ 東福寺保雄記念」として開催され、今年6月に逝去された東福寺さんに関連する展示なども予定。
またいわゆる“関東大会”は、モトクロス用品や飲食系のブース出展も充実しており、これらをゆっくり楽しむなら土曜日がオススメです!
~ 最強オージーに日本勢が挑み続けるIA1クラス ~

4スト450ccマシンでの参戦が主流となっている全日本最高峰のIA1クラス。今大会では、日曜日に公式練習を兼ねたタイムアタック予選および15分+1周の決勝3ヒートが実施されます。
このクラスは、2022年にIA2クラス、2023~2024年にIA1クラスのチャンピオンとなった、ヤマハファクトリーチームに所属するオーストラリア出身のジェイ・ウィルソン選手(#1)が、今シーズンも圧倒的な速さをキープ。
シーズン前半こそ、ミスやクラッシュで勝ち星を落とすレースもありましたが、ここまで12レースを戦って9勝を挙げています。ウィルソン選手はスーパークロスも得意で、もちろん今大会でも優勝候補の筆頭です!

対する日本人勢では、ランキング2番手につけているホンダサポートライダーの大倉由揮選手(#4)にまずは注目。大倉選手は、夏のロングインターバルには欧州で武者修行し、今大会の2週間前に米国で開催された国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ」では、日本代表メンバーのひとりとして世界を相手に戦いました。
前戦では、すべてのヒートでウィルソン選手との直接対決に敗れたものの、リベンジのチャンスを虎視眈々と狙っています。

ランキング3番手につけるのは、ファクトリーに次ぐヤマハセカンドチームに所属する大城魁之輔選手(#8)。
ウィルソン選手が不調だった第4戦ヒート2では今季初優勝を挙げ、前回の第5戦では3/3/2位とすべてのレースを表彰台圏内でまとめるなど、調子はかなり上向きです。

さらに、カワサキのマシンを駆る内田篤基選手(#10)がランキング4番手、ホンダに乗る大塚豪太選手(#6)が同5番手、浅井亮太選手(#38)が同6番手につけています。
このうち大塚選手が所属するのは、亡くなられた東福寺さんが設立して監督を務めてきたT.E.SPORTで、今大会はいつも以上に熱い想いでレースに臨むこと間違いナシ。
また浅井選手は、最高峰クラスルーキーながらすでに3位表彰台登壇も果たしていて、開幕戦で2位と3位を獲得した内田選手とともに、表彰台圏内でのゴールが期待されます。

なお、前戦に向けた練習中の転倒で負傷したホンダサポートの横山遥希選手(#2)、前戦予選でクラッシュしてケガしたカワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#5)は、今大会を欠場。
一方、同じコースで実施された第3戦にスポット参戦し、ケガが完治していない状態にもかかわらずヒート1で2位を獲得したヤマハの星野優位選手(#14)が、今大会と最終戦にスポット参戦します。
これまでも地元のオフビで好成績を挙げてきた星野選手の走りにも注目です!
~ IA2クラスは中島漱也選手がシリーズをけん引! ~

主に4スト250ccマシンが参戦するIA2は、フル参戦するライダーのほとんどが若手と中堅。今大会では、日曜日に公式練習を兼ねたタイムアタック予選とラストチャンス予選レースおよび15分+1周の決勝3ヒートが実施されます。今季はここまで5戦11ヒートを終え、ヤマハセカンドチームから参戦する昨年度チャンピオンの中島漱也選手(#1)が、6勝を挙げてランキングトップに立っています。
ランキング2番手は、同じくヤマハセカンドチームから参戦する田中淳也選手(#4)。第3戦の決勝ヒート2でIA初優勝を挙げ、表彰台登壇は11レースで8回を数えます。

今季は、完走した全ライダーにポイントが与えられ、優勝(35点)と2位(32点)や3位(30点)の点差が少ないポイントスケールが導入されていますが、それでも前戦終了時点で中島選手と田中選手のギャップは36点差に拡大。
仮に中島選手がノーポイントレースを演じて田中選手が優勝したとしてもまだ逆転には至らず、中島選手がかなり有利な状況です。

ランキング3番手以下は田中選手から40点以上離れており、鴨田翔選手(#6)が3番手、横澤拓夢選手(#2)が4番手、池田凌選手(#13)が5番手。そしてランキング6番手には、前戦ヒート2でIA昇格2年目にして初優勝を獲得した吉田琉雲選手(#14)がつけています。
これらの選手が、今大会でも上位入賞候補。加えて、開幕から2戦をケガで欠場したためランキングは12番手に沈んでいる柳瀬大河選手(#5)と、今季4度目のスポット参戦となるブライアン・シュー選手(#53)も、優勝争いに絡んでくることは必至です。

柳瀬選手は、このコースで開催された昨年の開幕戦でIA初優勝を挙げ、ピレリタイヤにスイッチした前戦ではヒート1で2位を獲得。シュー選手は、前戦こそヒート1はマシントラブル、ヒート2はクラッシュでリタイアに終わっていますが、ワールドクラスの実力を持つライダーで、ここまで6レースを戦って3勝をマークしています。
これらの強豪に、地元大会となるモトクロス・オブ・ネイションズ帰りの中島選手が立ち向かいます!
~ 川井麻央選手はシーズン全勝まで残り2レース ~

ホンダの4スト150ccとそれ以外の2スト85ccマシンが混走するレディースクラス。今季は全大会で1レースが実施されるスケジュール(今大会の予選はタイムアタック形式)で、ホンダ4ストを駆る女王・川井麻央選手(#1)がここまですべてのレースで勝利を収めてきました。
シーズン当初から、川井選手が目標に掲げてきた“全勝”まであと2つ。自身とチームにとってのホームコースで、リーチを狙います。

ただし、川井選手の背中を追い続けてきた他のレディースライダーたちも、力をつけてきています。前戦では、開幕前の大ケガによりシーズン前半戦を棒に振った、ヤマハ2ストを駆る川上真花選手(#3)が復帰。
このレースでは2位で悔し涙を流しましたが、全日本復帰2戦目となる今大会では、さらに調子を上げてくると思われます。ランキング2番手につけるホンダ4ストの箕浦未夢選手(#6)は、スタートの上手さに定評あり。パッシングポイントが少ないコースで先行すれば、川井選手にとって楽な展開にはならないでしょう。

ちなみに、KTMの2ストマシンを駆る大久保梨子選手(#12)がランキング3番手につけ、こちらは箕浦選手とわずか2点差。
ランキング4番手につけるヤマハ2ストの穗苅愛香選手(#8)は大久保選手と8点差で、これを2点差でホンダ4ストの楠本菜月選手(#4)、さらに2点差でカワサキに乗る松木紗子選手(#10)が追っており、2~6番手のランキング争いは大混戦状態です!
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