2025AMAスーパークロス第2戦
サンディエゴで開催のAMAスーパークロス第2戦!
開幕では下田丈選手が優勝し、日本中のモトクロスファンが歓喜しました!しかし、そんな下田選手、タイムドプラクティスでピットボードに接触し、左手の指2本を骨折というバッドニュースが。ナイトレースには出場するという発表がありましたが、不安が残ります。
450クラスは、王者ジェットローレンスがまさかまさかの大失速。ヒートレースからスタートに苦戦し、メインではスタート直後タフブロックに接触するトラブルに加えて転倒もあり、12位。
一昨年のチャンピオンであるセクストンが、キャリア初のスーパークロス開幕戦優勝を獲得。450SXクラス通算10勝目を挙げました。これでセクストンは250クラスも含めて通算30勝目。昨年よりも明らかにフープスの安定感が増していて、セクストン強しを印象付けました。
しかし、転倒後抜群の追い上げを見せたトマックも好調、そして、しぶといウェブも好調ということで、450クラスは混戦が予想されます。
同じく混戦が予想されるのは250クラス。2年連続SMXシリーズチャンピオンのハイデンディーガンが全勝するのではないかという見方もありましたが、スタートでクラッシュし、追い上げの展開。絶対王者にも隙があることを露呈しました。
そのディーガンの不安定さに割り込むのが、安定の下田。そして、まだまだ荒削りなライディングながら、時にディーガンをしのぐスピードを見せる2年目の18歳ビューマー、そしてベテランのスミスは、今年はしぶとい印象。
さらに、前回キャリア初のトップ5フィニッシュを果たした、天才ディフランシスコ。ルーキーのタワーズは、今年もアマチュアSXに参戦の予定でしたが、シーズンオフのトレーニングでディーガンに匹敵するタイムを叩き出すなど、好調なため、急遽プロクラスに参戦することに。その期待に見事に応え、ヒートレースからルーキーらしからぬスピードを披露しました。
そして、開幕戦を病気のため欠場したプロサーキットのキッチンに変わって、第2戦よりマスタープールがウエストシリーズに参戦することに。アウトドアでは優勝経験もあり、チャンピオン候補のマスタープールですが、スーパークロスでは何年も苦戦中。
Qualifying
450 CLASS
開幕戦につづき、セクストンがトップタイム。王者ジェットローレンスが2戦連続でトップタイムを出すことができなかったのは非常にレア。好調トマックに続き、開幕戦のヒートレースで負傷したマルコムが今回は4番手と好調。果たして怪我は癒えたのか。そして、まだロックスターが見慣れないバーシアが8番手。
開幕戦でまさかの予選落ちとなったフェランディスですが、サテライトチームながらも9番手と好調。
BETAファクトリーのブロスはキャリア初のタイムドプラクティストップ10入り。マシンに慣れてきたことも要因かと思いますが、並いるチャンピオン経験者たちを押しのけてのこの位置は快挙。プラドよりも上。
250 CLASS
ディーガンが順調にトップタイム。ほぼ同タイムでスミスが続きました。慣れないマシンで2番手タイムを叩き出したスミスの適応能力には驚きですが、経験豊富なスミスだけに、マシンの仕上がりも順調ということでしょう。
3番手には開幕戦のタイムドプラクティスでトップだったビューマー。こちらもトップ2とほぼ変わらぬタイムを出していることから引き続きの好調が伺えます。この人はスタートが鍵。
開幕戦で才能の片鱗を見せたルーキーのデービスも5番手と好調を維持。チームメイトであり、実質2年ぶりのスーパークロス参戦となるモジマンも実力を発揮。そして、日本の下田は骨折の情報。心配。
250 HEAT RACE
HEAT 1
スタートから逃げたスミスを2周目にクワッドでかわしたマーチバンクスがトップ。手足の長さを活かしたフープスの安定感が光りました。
2番手は好調スミス。マーチバンクスにかわされたあとは自身もクワッドを決め、粘り強くくらいつきました。このしぶとさが今までのスミスにはなかったところ。
3番手はスタート失敗のビューマーが強烈な追い上げ!そして今回から参戦のマスタープールは数年ぶりの250クラスで健闘の4位。昨年までは450クラスに参戦し、メインへ進むことも厳しかったのですが、プロサ効果で上位へ。
元プロサのレイノルズがホールショットからの5位。負傷続きでスーパークロスの経験は皆無と言っていいレイノルズですが、徐々に才能を開花。
そして日本の下田は、スタートホールショット気味で出るものの、明らかに開幕戦のパフォーマンスとは違う、痛みを堪えながらのライディングで7位。ヨーダに詰められるシーンもありましたが、なんとかヘインへ。
ヨーダは開幕戦に続きスピードがアップ。
HEAT 2
開幕戦に続き、またもや17歳のデービスがホールショット!そしてチームメイトのモジマンが続き、ディーガンは5番手。
その後ディーガンが追い上げ、スターレーシングが1-2-3体制に。ディーガンが攻め、2番手に上がろうとしたところでクラッシュ。キャリア2戦目で早くもデービスがヒートウィンを達成!快挙!
久々の上位進出となった実力者のモジマンが2番手。転倒したディーガンは3番手でメインへ。開幕戦から続く転倒が不安材料ですが、スピードはピカイチ。
AEOに所属するプロ2年目のターナーがスタートから上位を走り、健闘の5番手。デビューは2023年のアウトドア、レッドバッド。
フランスSXチャンピオンのボードンも6位と好調。根性の男ショックは今回スタートで大きく出遅れ、激しく追い上げる展開で7位。ルーキーのタワーズは、今回はラスちゃんへ進むことなく8位でメインへ。成長中。
450 HEAT RACE
HEAT 1
開幕戦の悪夢を振り払うかのような見事なホールショットを決めたジェットローレンスが2位のウェブに5秒以上の差をつけて順調にトップ。序盤は食らいついたウェブですが、スピードに勝るジェットが逃げました。ウェブは珍しく赤いウエアで登場。
前回はメイン進出を逃したフェランディスですが、今回は序盤アンダーソン、中盤以降はマルコムとのバトルを制して4位でメインへ。やはり普通に走れば普通に速い。
開幕戦の転倒から回復したマルコムは、キレのあるライディングでフェランディスを追い込みますが、ラストラップにミスで後退。そして引き続きヒルは好調。ニコラスも今回は順調にメインへ。
HEAT 2
ホールショットの好調トマックが後続を寄せ付けずトップ。例年以上にキレてます。
スタート4番手から順調に上がっていったセクストンは、トマックが見える位置まで追い上げて2番手。こちらも引き続き好調な様子。3番手スタートのサバッジーは粘りのライディングで5位。ダバロスが監督を務めるサテライトチームからの参戦ながら、開幕戦から健闘が光ります。昨年はスーパークロスの契約がなかったので、久しぶりの参戦。
14番手から追い上げたハンターローレンスは、最終6番手まで上がりますが、元気のなさが気になります。
スタート2番手から今回も暴れた曲者フリージーは、上位を走行していたBETAファクトリーのブロスを撃沈させて8番手。
そして、珍しく8番手と出遅れたプラドは中盤転倒し、追い上げますが10番手で惜しくもラストチャンスへ。フル参戦2年目にしてラスちゃんを経験することに。
LCQ
250 CLASS
昨年はGASGASに乗っていたヴァリーズがホールショットから逃げる展開。41歳のラニノビッチはヒートレースでトラブルか?ラストチャンスには出場せず今回はDNF。
ラスト一周を目前にロングが連続ジャンプで激しくクラッシュし、レッドフラッグでレースが中断。リスタート後もヴァリーズが逃げ切りトップ。
450 CLASS
ヒートレースで転倒したプラド、フリージーに撃沈されたブロスのファクトリーライダー2人がラストチャンスへ。
開幕戦はスマートにメインへ進んだチゾムも今回はラストチャンス。
ホールショットのプラドが危なげなくトップでチェッカー。ブロスも追い上げて最終的にはチゾムもかわし2位。
しかし、ラスちゃんの帝王ノレンがまさかのスタート直後2コーナーで転倒し、メイン進出ならず。
MAIN RACE
【250 CLASS】
ホールショットはまたもやスーパールーキーのデービス!序盤トップを走りますが、ビューマーが狙いすましたように2コーナーで綺麗にパスしトップに浮上!
そのまま後続のスミスに3秒以上の差をつけ、キャリア初優勝!2位には連続表彰台のスミス、3番手には8位から追い上げたディーガン、そして開幕戦同様の4位にはディフランシスコ、下田は怪我をかばいながらの苦しい展開でしたが7位でチェッカーとなりました。
1.JULIEN BEAUMER
新時代到来!!!!18歳ビューマーがプロ2年目にしてキャリア初優勝!開幕戦2位、そして第2戦は優勝と、文句のつけどころがない成績でランキングもトップに浮上!ビューマー18歳、ディーガン18歳、そしてスーパールーキーのデービスが17歳と、10代の活躍が光る今シーズン!その中でも頭ひとつ抜け出しました!
2.JORDON SMITH
若手の活躍が目覚ましい中、連続表彰台のスミスの健闘は嬉しい限り!昨年も中盤までチャンピオン争いを繰り広げた強者ですから当然の結果といえばそうなのですが、メーカーを移籍しても変わらない活躍ぶりはお見事。トライアンフとは3年契約で、ラスト一年は450のオプションも有りという噂。
3.HAIDEN DEEGAN
んーーーーーーどうした。大人しい。スーパークロスではチャンピオン経験がないディーガンですが、SMXやアウトドアでは連続のチャンピオンを獲っているだけに、この2戦の結果は本人はもちろん、チームとしても想定外なのでは。スタートが決まらないのが大きな原因ですが、それでも追い上げて優勝争いに絡むのがディーガンだったはず。もどかしいレースが続きます。早く強気な優勝コメントが聞きたい。
4.RYDER DIFRANCESCO
開幕戦から連続の4位!かつての天才がようやく自信を取り戻してきました!これで実力は十分に認められたと思うので、次はいよいよ表彰台登壇が期待されます。
5.COLE DAVIES
ルーキーの存在感!序盤ビューマーを抑えてトップを快走したシーンは、速い段階での優勝を思わせるには十分のインパクトでした!まだ17歳!ヒートもメインもホールショットは圧巻!すごいルーキーが現れました!膝をうまく使ったしなやかなライディングが特徴。
6.COTY SCHOCK
開幕戦から連続のトップ6!トップ20の内、9台がヤマハのマシンというすごい状況の中、スターレーシングのモジマンよりも上位で健闘するショックの活躍はお見事!さらなる躍進が期待されます!
7.JO SHIMODA
まさかの悪夢・・・。開幕戦の優勝で一気に波に乗ったかと思いきや、まさかまさかのタイムドプラクティスでピットボードに当たり骨折するという、近年聞いたこともないようなアクシデントに見舞われた下田。メインレース中もジャンプで左手を庇うシーンが幾度も見られました。治療に専念したいところですが、毎週レースが続くので厳しい状況に・・・
8.GARRETT MARCHBANKS
ヒートレースは見事なライディングでトップでしたが、メインはスタートで15位以下と大きく出遅れ・・・。しっかりと追い上げましたが、名門プロサーキットのライダーとしてはこの成績ではダメ。プライベーターになるしんどさを知っているだけに、一刻も早い表彰台返り咲きが待たれます。
9.MICHAEL MOSIMAN
一昨年までGASGASファクトリーだったモジマンが昨年突如スターレーシングに加入し話題に。しかし直後のレースで負傷し、なかなか本領発揮できないまま今シーズンもこれまでの実力からするとイマイチな結果。ハスクバーナファクトリーからデビューし、2年目には頭角を表したライダーで、まだまだベテランと言うには早い。復活に期待です。
10.HUNTER YODER
ついに今季初のトップテン入り!成長中のヨーダ。
【450 CLASS】
ホールショットは曲者フリージー!かき回される前にかわしたウェブがトップを快走しますが、6番手から一気にビーストモードに入ったトマックが途中チャンピオンのジェットをもかわしトップに浮上!
そこから最後の最後までジェットローレンスとのバトルになりますが、最後まで攻めに攻めたトマックが優勝!
2位はチャンピオンのジェット、3位には序盤トップを走ったウェブ、4位には開幕戦に続き好調のロクスン。セクストンは1周目のフープス手前のコーナーで単独転倒し、そこからトマックばりの追い上げを見せ6位。巻き込まれたプレシンジャーはDNS。
1.ELI TOMAC
キレっキレ!!!チャンピオンのジェットがコンパクトなラインどりを見せる中、一人だけコースを大きく使ったダイナミックなライディングで完勝!昨年まで直接バトルになるとどうしても勝てなかったジェットを抑えてのこの優勝は大きな意味を持つでしょう!フープスもほぼ全員がジャンピングに切り替える中、最後までイン側のわだちのないラインをスキミングでこなし、サンドフープスでアウトからジェットをかわしたシーンはなかなかの衝撃でした。ランキングも一気にトップに浮上!今年で引退なんて信じられない。
2.JETT LAWRENCE
この展開でジェットが勝てなかったことに驚き。新しくなったマシンにまだアジャストできていないという話ですが、それでも今までのジェットだったら勝っている展開。ジェットには誰も勝てないと思わせたような昨シーズンとはちょっと違う展開が続きます。しかし、今年は少し様子を見ながらのシーズンインなのか。残り15戦。
3.COOPER WEBB
開幕2戦目での表彰台登壇は近年では珍しい。今年はスタートで前にいることが多く、このままシーズンが進めばスロースターターのウェブにとっては有利な展開になってくるのでは。シーズン前に負傷したという情報あり。
4.KEN ROCZEN
開幕戦に続き攻めていたロクスン。好調トマックを長い間抑えたり、苦手とするウェブにも積極的に仕掛けていき、当たり負けしない姿も印象的でした。来年はトライアンフファクトリーの座を狙っているという噂。
5.HUNTER LAWRENCE
開幕戦の失速から這い上がってきたとはいえ、まだまだ印象が薄い今年のハンター。好スタートをきりながらも、スタートで転倒したセクストンにあそこまで詰め寄られるとは・・・。しかし、徐々に上昇傾向。
6.CHASE SEXTON
転倒さえなければレッドプレートを失うこともなかったであろうセクストン。しかし、最下位からの追い上げはお見事でした!難しくなってきたフープスをスムーズにこなすシーンが印象的でした。
7.MALCOLM STEWART
開幕戦の悪夢からすれば、まずまずのマルコム。しかし、フープスに強いマルコムが見られないのが気がかり。決勝もすぐにジャンピングに変えるなど、消極的な姿勢が見られました。リヤが上がり気味?セッティング?
8.JUSTIN BARCIA
2戦連続のトップテン入りは果たしていますが、バーシアらしいトップ争いが早く見たいところ。とにかくスタートで出れないのがここ2戦のバーシア。もっともっと存在感を示してほしい。
9.DYLAN FERRANDIS
開幕戦の予選落ちから持ち直したフェランディス。実力的にはまだまだ上を狙えると思いますが、まずはここからシーズンイン。
10.JUSTIN COOPER
あと一歩上に行きたいけど、ここから上は全員がチャンピオン経験者。クーパーもチャンピオン経験者ですが、それでもなかなかポジションアップできないもどかしさ。
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