2025AMAスーパークロス開幕戦
2025年度AMAスーパークロスがいよいよ開幕!今年も全17戦の長いシーズンが始まりました!
450クラスは、ルーキーシーズンながら見事にチャンピオンに輝いたジェットローレンスを筆頭に、兄のハンターローレンス、今年がファイナルシーズンとなるトマック、一昨年のチャンピオンセクストン、クーパーウェブ、アンダーソン、スズキでの参戦は今季限りと噂されるロクスン、今年は本気のバーシア、そして世界チャンピオンのプラドがカワサキファクトリーからフル参戦と、トップ10全員に勝利のチャンスがあるといっても過言ではないくらいのスター揃い!
そして、期待の日本人、下田丈選手は、ホンダファクトリーのエースとして250ウエストシリーズに参戦。
250クラスは、初のウエストシリーズ参戦となるハイデン・ディーガンを筆頭に、下田、キッチン、そしてトライアンフに移籍したベテランのスミス、期待の2年目ビューマー、GASGASのディフランシスコ、モジマンなど、こちらも優勝候補が勢揃い!
昨年のチャンピオン、ハンプシャーは負傷が長引きイーストシリーズへ。
そんな中、チャンピオン候補のキッチンがフリープラクティスを走った後、レースをキャンセル。インフルエンザの可能性が指摘されていましたが、血液検査のため病院へ。
予選を走る前の欠場ということで、ルール上イーストラウンドへの参戦が可能なため、キッチンはシリーズを移動することに。
Qualifying
450 CLASS
ファイナルシーズンを宣言しているトマックがトップ!昨年の開幕戦の時よりも4kg体重を落とし、好調な模様。
チャンピオンのジェットローレンスはマシン作りにやや苦戦中というとこもあり、2番手。もはやベテランとなったヒルがまさかの6番手タイム。
フル参戦初年度のプラドは、まだまだスーパークロスに慣れておらず、本領発揮はアウトドアからという話。それでも11番手タイムはさすが。
曲者フリージーは15番手。アリーナクロスでひと暴れし、暖機運転は完了済み。
250 CLASS
18歳!2年目のビューマーがトップタイム!ディーガンを抑えてのトップタイムは自信になったことでしょう。いよいよ開花するか!
3番手にはこちらも2年目のディフランシスコ。そして下田と続きます。
ルーキーのデービスは、グループBからのクオリファイでこの位置。昨年のベニックのような活躍が期待できます。
同じくルーキーのタワーズは16番手。スターレーシングのアマチュアプログラムから外れ、フェニックスレーシングからの参戦。
トライアンフのエース、スミスも好位置につけ、約500日ぶりのレース復帰となったチームメイトのロバートソンもトップテン入り。二人とも元スター。
スズキからヤマハに変わったBarX Yamaha2年目、フランスSXチャンピオンのボードンは7番手と好発進。
クラブヤマハ2年目、昨年は骨折しながらもシーズンを全うした熱い男ショックもトップテン入り。昨年はランキング4位。
250 HEAT RACE
HEAT 1
ホールショットはルーキーのデービス!すぐにかわしたチームメイトのディーガンが独走でトップ。チャンピオン候補はとてつもなく強い。
デビューレースとなったデービスは粘り強いライディングで2番手。昨年アマチュアSXシリーズに出ていた時とは別人のようなライディングで、ルーキーとは思えないキレを見せました。
3番手には昨年からトップテンに顔を出してくるようになった20歳のプライベーターヨーダ。
そして下田はそこそこのスタートをきるものの、1コーナーの処理に大きく手まどい、10番手と出遅れます。そこから次元の違う速さで追い上げるものの4番手止まり。
同じく出遅れたマーチバンクスは終盤にロバートソンをかわし5番手。唯一のプロサ勢。ルーキーのタワーズは最終コーナー手前でショックのアタックに遭い、惜しくもメイン進出ならず。デービスとの明暗が大きく分かれました。
HEAT 2
ホールショットから逃げたスミスを終盤追い詰めたビューマーがかわしトップ!昨年の勢いそのままに、途中転倒しそうな危ないシーンも何度かありましたが、若手らしい元気のあるライディングはお見事でした!安定感もマシマシ!
2番手はトライアンフ移籍直後のベテランスミス。ビューマーにかわされはしたものの、最後の最後までピッタリと後ろにつけ貧欲にトップを狙うライディングは見ものでした。2年目となるトライアンフのマシンの仕上がりも良さそう。
3番手のディフランシスコもトップ争いから大きく離されることなくついていき、成長を確認。昨年は影の薄い存在でしたが、今年は飛躍の年になるか。
クラブヤマハ2年目、元プロサのレイノルズも追い上げて7番手。現在浅井選手がクラブヤマハでトレーニング中。
https://www.instagram.com/ryotaasai_/
450 HEAT RACE
HEAT 1
ホールショットのジャスティンクーパーをフープスでかわしたロクスンが独走!すっかりベテランとなったロクスン、タイムドプラクティスでは下位に沈み心配されましたが、好スタートから逃げて、アンダーソンの追い上げを封じました。
ややスタート遅れ気味だったアンダーソンが追い上げての2位。好調感。チャンピオンのジェットは珍しく大きくスタートで出遅れ、スルスルと追い上げるものの5位。メインに不安が残ります。
4番手につけながら終盤にクラッシュしたフェランディスはまさかのラストチャンスいき。すぐに復帰したので怪我の心配はなさそう。
BETAファクトリー2年目のブロス、新加入のオルデンバーグは確実に走り切りメインへ。
ベテランのノレンは惜しくもラスちゃんいき。
HEAT 2
ホールショットのプラドをすぐにかわしたセクストンが独走!昨年よりさらに安定感が増した印象で、フープスの安定感もピカイチでした!
マシンの仕上がり次第では他メーカーへの移籍もあるとの噂あり。
フル参戦初年度となるプラドは、まだまだ荒々しいライディングでしたが、2位はお見事。慣れてきたら手強い存在になりそうです。
3番手はこちらもミスの目立ったバーシアでしたが、昨年の不審を振り払うライディングは見応えありました。
4番手にはハンターローレンス。バーシアにかわされ、トマックにも・・という時にスイッチが入りキレキレのライディングへ。6位のトマックはスタートの出遅れが響きましたが、スケールの大きなライディングで追い上げました。
3番手を走行し、キレのあるライディングで今年は期待がもてそうだったマルコムがサンドセクションで激しくクラッシュしDNS。果たしてラストチャンスには出てくるのか・・・。
LCQ
250 CLASS
ルーキーのタワーズがトップ。スターレーシングのアマチュアプログラムから外れ、ヨーロッパに渡り、昨年はかつて能塚選手も参戦していたEMXに参戦。ルーキーながらいろんな経験を積んでいます。
大ベテランのラニノビッチは惜しくもメイン進出ならず。しかし、今年もウエストシリーズにフル参戦の予定。マシンはホンダにスイッチ。
ティムフェリーの息子、エバンフェリーはDNS。昨年トライアンフファクトリーでデビューし、アウトドアからはGASGASで参戦。そして今年は心機一転フェニックスレーシングからの参戦となりましたが、アマチュア時代の輝かしい戦歴からは想像できない苦戦ぶり。
450 CLASS
ヒートレースで負傷したマルコムが強行出場。
ラスちゃんの王者ノレンが早々とトップを奪い逃げる展開。3番手を狙ったフェランディスがまさかまさかのブリーズに当てられ予選落ち。
ブリーズは長年ヤマハのプライベーターとして参戦していましたが、今年からMCRに抜擢。アリーナクロスで鍛えた狭いコースでの競り合いが効いたのか。
マルコムは9番手と絶望的な順位から追い上げ、最終的には2番手でメインへ。そして元250ウエストチャンピオンのニコルスがまさかの予選落ち。
フェランディス、ニコルスと、250のチャンピオンを以ってしてもなかなかメインへはいけない450クラスの難しさを見せつけられました。
MAIN RACE
【250 CLASS】
見事なスタートを決めた下田が1周目から逃げる展開!チャンピオン候補筆頭のディーガンはスタート直後に転倒し、最下位からの追い上げ。下田は途中レッドブルKTMのビューマーに詰め寄られるシーンもありましたが、安定した速さを見せ、最終的には後続に3秒以上の差をつけて優勝!2番手には初表彰台となるビューマー。3番手には、途中転倒がありながらも追い上げたトライアンフのスミス。終盤スミスにかわされたGASGASファクトリーのディフランシスコが4位。
1.JO SHIMODA
快挙達成!ついに!ついにAMAスーパークロスの開幕戦で日本人が優勝!鳥肌全開!ヒートレースの出遅れをふまえてメインはスタート位置を変更し、見事なホールショットからの優勝!強かった!途中、フープスが速かったビューマーに1秒差まで接近されましたが、ブレない安定感が光りました!
2.JULIEN BEAUMER
2年目のシーズンでついに初の表彰台登壇!途中、優勝も狙える勢いで下田に迫るシーンもあり、レッドブルKTMのエースとして、今年は間違いなくチャンピオン候補の一人でしょう!
3.JORDON SMITH
3番手走行中に、いつもの展開で転倒。またかーと思わせましたがそこから粘り強く追い上げ、ラストでディフランシスコをかわし粘りの表彰台!新天地で今年は気迫が違う気がします。最後までチャンピオン争いに加わってほしいライダーの一人。
4.RYDER DIFRANCESCO
成長!ルーキー時代から大手ハンバーガーチェーンがビッグスポンサーとなり、カワサキのアマチュア筆頭として華々しい戦歴を残しながら、プロデビュー前にプロサーキットをクビになり、鳴物入りのデビューとはならなかったディフランシスコがついに開花!有り余るセンスの持ち主なので今年は期待大!
5.HAIDEN DEEGAN
まさかまさかのスタート直後にクラッシュしたデンジャーボーイ。ディフランシスコのリヤタイヤに引っかかる形で単独転倒。昨年の開幕戦を思わせる荒れっぷりでしたが、今年は粘り強く追い上げ、最後の最後で気合いの男ショックを強引にかわし、最低ラインの5位でフィニッシュ。レース後少しだけショックと揉めるシーンが・・・。熱い。
6.COTY SCHOCK
気合いのライディング健在!かつてはプライベーターとして古賀選手とアウトドアで争っていたショックですが、昨年のクラブヤマハ入りから一気に実力をつけ、トップ争いに絡む走りを見せるようになりました。今年も面白いレースを見せてくれる予感。
7.ANTHONY BOURDON
元フランススーパークロスチャンピオン。昨年からアメリカに渡りAMAスーパークロスにフル参戦開始。今年はマシンをヤマハに変更し、ヒートレースでは最後の最後で前のライダーを押し出し、メイン進出権を獲得。しぶといライディングで今年もトップ6以内を狙ってくるでしょう。
8.COLE DAVIES
ルーキーお見事!昨年のベニックのようにいきなりの表彰台登壇とはなりませんでしたが、スタートしてすぐトラブルがあったようで数周は最下位付近を走っていたのに、最終8位まで追い上げ!中継には映りませんでしたが、表彰台もそう遠くないと思わせる活躍。
9.GARRETT MARCHBANKS
中盤まで3位を争っていましたが、ラスト5分で惜しくも転倒。。。キッチンがイーストラウンドに移るので、ウエストのプロサ勢はマーチバンクス一人。プロサーキットからデビューし、親の極度の介入もあって2年でクビになり、そこからプライベーター生活を経てのプロサーキット復帰。まだまだ若い苦労人。
10.COLE THOMPSON
【450 CLASS】
1.CHASE SEXTON
完璧な勝利!好スタートから4周目にアンダーソンを攻略し、一度エンストで危ない場面があったものの、ミスを帳消しにするキレッキレのライディングで完勝!早々とジャンピングに切り替えたジェットとは対照的に、最後までスキミングで対応したフープスの安定感も一番!強いセクストンが戻ってきました!
2.KEN ROCZEN
いいっ!ヒートレースはスタートが決まったから勝てたのでは?と思いましたが、メインもキレっキレ!苦手なアンダーソンを強引にかわすシーンは強烈でした!セクストンに大きく引き離されることもなく、アンダーソンに詰められることもなくスピードを維持したライディングは精神的に大きく成長した姿でした。ベテランの域に達しましたが、まだまだいけることを証明。
3.JASON ANDERSON
昨年の不振から引退説も囁かれていましたが、見事に復活!この人がいないとシリーズは盛り上がらない!今回は謎の安定感を発揮。そして、終盤に強いウェブの追い上げを封じたのは大きいかと。
4.COOPER WEBB
いかにもウェブらしい開幕戦。可もなく不可もなく、追い上げも出来て、スロースターターとしてはまずまずの開幕戦だったのではないでしょうか。ここから上がってくるのがウェブ。怖い存在筆頭。
5.ELI TOMAC
キレキレ。一周目トップにたった瞬間は誰もがトマックの優勝を確信したはず。しかし、まさかまさかの直後に転倒し、下位へ。そこから一気にビーストモードに入り、ファイナルラップにバーシアをかわして5位と、最低限の失点で抑えたのが印象的でした。今年のトマックは強い。
6.JUSTIN BARCIA
タイムドプラクティスでは大きく下位に沈みましたが、3年連続優勝したこともあるアナハイムにはめっぽう強いバーシア。来年はドゥカティのファクトリーを狙っているようで、気合が違います。昨年はトップ10に入るのが精一杯だったバーシアの復活は嬉しい限り。ライディングもいまだに衰えず。抜かれたらすぐに当てにいくスタイルも健在。
7.JUSTIN COOPER
ずっとバトルの中。その中からプラド、ジェット、ヒルなどに競り勝ちこの位置。スターレーシングに所属しながらも常に一年契約のクーパー。まずは初表彰台が欲しいところ。勝負の年。
8.JUSTIN HILL
どうした(笑)。タイムは出る、バトルにも強い、そして最後までタレないタフネスぶり。250チャンピオンを獲得後、一時はレース界から離れ定職についていたヒルですが、3年前に突然復活。一時期はラストチャンスを走ることが多かったのですが、今年は往年のキレが戻りました。いつも突然なのがヒル(笑)。嬉しい誤算。
9.AARON PLESSINGER
最後まで出遅れが響き、イマイチの開幕戦となったカウボーイ。レッドブルKTMとの契約最終年なので、奮起を期待。
10.MALCOLM STEWART
ファクトリーハスクバーナ唯一のライダーマルコム。ヒートレースの転倒から満身創痍でメインを走り切りトップテン入り。頑張りました。昨年は怪我からの復帰ということもあり控えめでしたが、今年は表彰台を狙ってくるでしょう。引き締まった顔が印象的。得意のフープスでつまづき気味だったのが少し気がかり。
12.JETT LAWRENCE
ヒートレース同様出遅れ、さらにはクラッシュパッドに引っ掛かり、チャンピオンがまさかのこの位置。3周目に転倒したことも含めて、チャンピオンらしからぬ走りに驚きが一杯。あんなに強いジェットでもこんなことがあるんだという、不運が全部詰まったほろ苦い開幕戦となりました。
まだまだシリーズは始まったばかりなので、巻き返しに期待。
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