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全日本モトクロス選手権第7戦プレビュー

D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズは、今季開幕戦が実施された熊本県のHSR九州に再び舞台を移し、第7戦HSR九州大会がIA1クラスとIA2クラスのみのワンデースケジュールで2023年10月8日(日)に開催されます。特別なレースフォーマットが導入される今大会。ここでは、そのコース概要や周辺状況、各クラスの注目選手などをお教えします!

今回ばかりは九州在住者の日帰り観戦が現実的

国際A級ライセンスを所持するライダーによって競われるIA1クラスとIA2クラスは年間9戦、レディースクラスとIBオープンクラスは年間7戦が予定されている今季のD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ。
シーズン終盤に突入するその第7戦HSR九州大会が、IA1クラスとIA2クラスのみのワンデー開催により2023年10月8日(日)に開催されます。

舞台となるのは、今季開幕戦でも使用された熊本県菊池郡大津町のHSR九州。ホンダの国内二輪車生産を一手に担う熊本製作所に隣接された、モータースポーツ&安全運転講習の施設です。
ここは、熊本空港から約11kmの至近距離。本来であれば、九州以外に住むファンが阿蘇観光ついでに飛行機往復で観戦するのにも向いています。

ただし今回は、かなり事情が異なります。そもそも今大会は、秋の行楽シーズン真っ只中となる3連休の中日に実施。大津の隣町となる菊陽町では、台湾大手半導体メーカーのTSMCが工場を建設中。
さらに、この週末には国際自転車競技連合公認のサイクルロードレースであるツール・ド・九州が開催され、日曜日には熊本阿蘇ステージが設定されています。
これらの影響により、大津町や熊本市内、阿蘇のホテルは土曜日の空室がほぼない状況。車中泊組を除けば、遠方からの現地観戦はかなり難しそうです。

一方で、今大会は予選と決勝をすべて日曜日に実施するワンデースケジュールのため、九州に住んでいる方々が日帰りで観戦するのには最適。
日本の最高峰ライセンスである国際A級クラスの走りが凝縮された大会を、ぜひ現地でお楽しみください!

コースはダイナミックかつ難易度高め

HSR九州のモトクロスコースは、広いコース幅とハイスピードなレイアウト、阿蘇外輪山をバックに跳ぶダイナミックなジャンプなどを特徴としてきました。
昨年秋には大幅なレイアウト変更が施され、コース前半のハイスピードセクションがカットされ、低速区間が増えたものの、依然としてコース幅の広さやダイナミックな雰囲気は維持されています。

またこのコースは、阿蘇の噴火に由来する黒土が基本となる土質なのですが、近年は大量の山砂を搬入しながらメンテナンスが施され、サンド質にかなり近いセクションが入り混じることも多々あります。
全日本開催時は、直前のメンテナンス次第でコンディションが変わることも多い印象で、路面への対応力も求められます。

ちなみにコースは、アップダウンがあまりない広大な土地に、簡単に説明するなら「コ」の字状に展開されています。
コースを広く見渡せるポイントがあまりないため、レースごとに観戦地点を移動するとか、最初にちょっと歩いてお気に入りの観戦ポイントを探してみるのがオススメです。

今大会は特別なレースフォーマットを導入

今大会は、通常の全日本モトクロス選手権とはかなり異なるレースフォーマットが用いられます。まず大会は、練習走行を含めて土曜日の走行が一切ない、日曜日のみの完全なワンデー開催。
全日本格式のうちレディースクラスとIBオープンクラスはレースが実施されず、さらに承認クラスとなるジュニアクロスやチャイルドクラスも併催されません。つまり、日曜日のみを使用してIA1クラスとIA2クラスのみ開催されます。

そして最高峰のIA1クラスは、公式練習を兼ねた20分間のタイムアタック予選を経て、決勝はヒート1、ヒート2ともに20分+1周に設定。予選落ちがあるIA2クラスは、2組に分かれて20分間のタイムアタック予選を実施し、この上位20名(各クラス10名)が決勝に進出。残りのライダーで10分+1周のラストチャンスレースを戦い、この上位10名が予選21~30位として決勝に進みます。
決勝は、IA1クラスと同じく20分+1周の2ヒート制です。

さらに、各クラスの2ヒートが終了した段階の総合成績に基づき、各クラスの上位15名ずつが、3ヒート目となる15分+1周のIAオープンレースに出場。
このレースでは、すべての出走ライダーを同じクラスとして扱い、通常どおり上位15名までにポイントが与えられます。
マシン性能では不利なIA2クラスのライダーたちが、IA1の選手にどこまで太刀打ちできるかが見どころのひとつとなりそうです。

IA1はこのライダーに注目!

最高峰クラスのIA1は、開幕からここまで6戦15ヒートすべてのレースで、ヤマハファクトリーチームから参戦する昨年度IA2クラス王者のジェイ・ウィルソン選手(#27)が勝利。もちろん今大会も、ウィルソン選手が優勝候補の筆頭で、ウィルソン選手に勝負を挑める日本人選手が現れるかどうかというところに、注目が集まります。
ウィルソン選手に対抗できる力を持つ日本人選手としては、シリーズランキング2番手につけるヤマハファクトリーチームの富田俊樹選手(#1)、カワサキに乗りランキング3番手をキープする内田篤基選手(#8)、ホンダサポートライダーでランキング4番手の大倉由揮選手(#6)と同5番手の大城魁之輔選手(#4)、ケガの影響でランキングは8番手ながら前戦では両ヒートで表彰台に登壇したカワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#2)が、有力候補となっています。

なお、今季は第8戦が3ヒート、最終戦が2ヒートで、最終戦には各ヒートでポイントを獲得すると3点のGPポイントが加算されるため、ウィルソン選手が今大会終了時点でランキング2番手以下に131点以上の差をつけると、早くもウィルソン選手のシリーズタイトル獲得が決定することになります。
前戦終了時点で、ウィルソン選手とランキング2番手の富田選手は146点差。ウィルソン選手が今大会でチャンピオンを決定する可能性が濃厚です。
ちなみにヒート1で決めるなら、156点以上のギャップが必要。ヒート1でウィルソン選手が優勝した場合、富田選手が4位以下ならウィルソン選手のタイトル獲得が決まります。

IA2はこのライダーに注目!

主に若手と中堅のライダーが参戦するIA2クラスは、スペイン人ライダーのビクトル・アロンソ選手(#58)が7勝をマークしてシリーズをリードしてきましたが、前戦で大きくポイントを取りこぼし、ヒート2で今季2勝目を挙げた横澤拓夢選手(#5)が、一気に17ポイント差まで追い上げてきました。
一方、ランキング3番手の浅井亮太選手(#2)は、トップのアロンソ選手と61点差となっていて、チャンピオン争いはほぼアロンソ選手と横澤選手に絞られてきました。

とはいえ、上位勢のスピードはかなり拮抗しており、レースでの優勝候補はアロンソ選手や横澤選手、浅井選手以外にも多数。例えば同じコースで実施された3ヒート制の今季開幕戦では、ヒート1で西條悠人選手(#8)、ヒート2で中島漱也選手(#4)が勝利を挙げています。
第4戦ヒート1では池田凌選手(#18)、前戦ヒート1では鴨田翔選手(#9)が、同じくIA初優勝。ここまで13レースで6名の勝者が誕生しており、勝負の行方から目が離せません。

アメリカで大活躍中の下田丈選手が来場!

今大会には、モトクロスやスーパークロスの本場であるアメリカでトップライダーとして活躍している下田丈選手が来場。レース参戦こそありませんが、ファンサービスを実施してくれます。
現在企画されているコンテンツは、サイン会とトークショーとプレゼント抽選会。内容は変更される可能性もありますが、“アメリカで勝てる日本人”に直接会って応援メッセージを届けましょう!

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