【モトクロパドック裏話】久保まな選手
【モトクロパドック裏話】
久保まな選手
社会人1年目ということで、今季はスポット参戦を表明しているレディースクラスの久保まな選手（#3）。さすがに就職直後の開幕戦は日程や開催場所を考えたら厳しいかと思ったら……あれっ、いる!? そこで、参戦に至った経緯を簡単に聞いてきました。
モトクロ男子→モトクロnetで、レディース情報も！
これまで、全日本モトクロス選手権シリーズに参戦するIA1、IA2のライダープロフィールやランキングデータを中心に展開してきた「モトクロ男子」は、今季から「モトクロnet」にバージョンアップ。レディースクラスも追いかけます！
昨年の開幕戦から4/10～11に開催された今季開幕戦の第1戦HSR九州大会まで全日本5連勝中の川井麻央選手（#1）や、一昨年の女王でタイトル奪還を狙う本田七海選手（#2）をはじめ、このクラスもタレント揃い。その中で今回注目したいのは、昨年度ランキング3位の久保まな選手（#3）です。
ま、まさかの開幕戦出場!?
2011年に全日本参戦をスタートして以降、2018年まではスズキ、2019年からはハスクバーナの2スト85ccマシンを走らせてきた久保選手。しかし今年は、マシンをホンダの4スト150㏄にスイッチして、新たに「Honda Dream京都東 TEAM HAMMER」からエントリーします。
「来シーズンはホンダのCRF150Rに乗り、全日本モトクロス選手権にスポット参戦させていただきます。社会人1年目ということもあり全戦参戦することが難しいため、在籍をHonda Dream京都東、ライディング指導など全般をTEAM HAMMERでしていただきます。スポット参戦ながらも私のレース活動に協力してくださることに感謝して、一戦一戦走ります」
シーズンオフ、このように表明していた久保選手。今季開幕戦は、新社会人生活がスタートしてからわずか10日後となる4月10～11日の開催で、しかも場所は久保選手の拠点となる京都から遠い熊本県・HSR九州。このことから、エントリーはしてあっても開幕戦は見送りか……と思われていたのですが、会場に久保選手と新たな愛機の姿があったのです！
この開幕戦出場について、久保選手にちょっぴり話を聞いてみたところ、「やっぱり、新社会人になってもアスリートだなあ……」という答えが返ってきました。
「4月1日から新社会人としての暮らしがスタートして、あまりにもそこからの日が浅いため、当初は開幕戦の参戦を見送ろうと思っていました。ところがシーズンオフに、初めての4スト150㏄ということで、うまく乗れずにいることに愕然としました。マシンそのものは、（過去10年間でもっとも多くチャンピオンを輩出していることからもわかるように）十分なポテンシャルがあるのに、私はそれをまだうまく引き出せずにいます。それで、実際のレースを戦うことで1日も早くマシンに慣れ、同時に基本となるセッティングを煮詰めたいと考えたんです」
今季の目標を「仕事とレース活動の両立。でも仕事優先で……」なんて言いながら、うまくバイクを走らせられない自分に納得できず、TEAM HAMMERの高濱龍一郎監督ら周囲のみんなも驚く強行参戦に踏み切った久保選手。やっぱり、熱すぎます!!
第2戦中国大会、第3戦関東大会にも参戦予定！
「現在、全日本モトクロス選手権を取り巻く環境はなかなか厳しくて、男性でもレースあるいはライダーを職業とできるのはほんのひと握り。レディースクラスの場合はほぼ皆無で、就職を機にレースを引退するという選手は男女とも少なくありません。私の選択は、レースやバイクを仕事の場にするのとは異なるアプローチなのですが、これがちゃんと成功して、仕事とレースのどちらも諦めない人生としてひとつのモデルケースになればうれしいです」
大好きなレースと今後の自分について、このように話してくれた久保選手。その新しい挑戦を心から応援したいと思います！
そしてそんな久保選手は、5月1日（土）～2日（日）に広島県・世羅グリーンパーク弘楽園で開催される第3戦中国大会、5月15日（土）～16日（日）に埼玉県・ウエストポイント オフロードヴィレッジで開催される第3戦関東大会にも参戦を予定しています。「えっ、もはやフル参戦じゃん……」という感じですが、ここにも久保選手の想いが詰まっています。
「第2戦中国大会は、開催がゴールデンウイーク中ということもありますし、京都から比較的近い会場なので、最初から出場しようと思っていました。第3戦はその2週間後なのですが、関東大会は私のことを応援してくださっている方々が多く観戦に訪れる大会なので、どうしても新たなマシンに乗る姿を披露したいんです！」
あくまでスポット参戦のスケジュールなので、第4戦以降の参戦は未定。エンデューロ界を含むあちこちに棲息する久保まなファンの皆さ～ん、第2戦か第3戦、応援に駆けつけたほうがいいですよ！
チケット情報はこちら
