全日本モトクロス第5戦予選速報
新型コロナウイルスの影響により第2戦と第4戦が中止されたことから、今季3度目の全日本モトクロス選手権は第5戦として開催されました。その舞台は、ホンダの熊本製作所に隣接した熊本県のHSR九州。11月14日(土)には、各クラスの予選およびIBオープンクラスの決勝ヒート1が実施されました。最高の秋晴れに恵まれ、路面はドライコンディション。コースは、これまでの基本レイアウトを踏襲しつつも、各部の仕様が大幅に見直されました。
【IA-1】
23台が10分+1周のレースに出走して、決勝のスターティングゲート選択順位を決めました。好スタートを切ったのは、ランキングトップで今大会に臨んだホンダのマシンを駆るディフェンディングチャンピオンの山本鯨(#400)。これに、同じくホンダに乗る九州・福岡出身の能塚智寛(#555)が続きました。カワサキのマシンを使用して今季は米国AMAスーパークロスに挑戦し、今大会にスポット参戦した古賀太基(#929)は、スタートでやや出遅れるもあっという間に挽回して3番手。オープニングラップは、この上位3名にヤマハファクトリーチームの富田俊樹(#317)と渡辺祐介(#110)、ホンダに乗る道脇右京(#38)、カワサキファクトリーチームの小方誠(#10)が続き、2周目に入ったところで小方が道脇を抜きました。
レース前半、トップの山本はコンマ数秒ずつリードを拡大。3周目には3秒近いリードを奪いました。同郷対決となった能塚と古賀の2番手争いは、古賀が接近するも能塚がチャンスを与えず。4番手の富田は、前後に数秒の間隔がある4番手となり、5番手を走る渡辺の後方には小方が迫りました。そして4周目に入ったところで、小方が渡辺をパス。古賀はなおも能塚の背後でチャンスをうかがいましたが、5周目に痛恨のミスで3秒ほど遅れ、これに富田が接近しました。しかし古賀が最後まで順位を守ってフィニッシュ。予選レースは山本がトップで能塚が2位、古賀が3位、富田が4位、小方が5位、渡辺が6位となりました。7~10位には星野優位(#166)、小林秀真(#12)、大塚豪太(#155)、星野裕(#8)が入っています。
【IA-2】
35台が2組に分かれ、10分+1周の予選レースに臨みました。A組は、大城魁之輔(#36)がホールショット。昨年度チャンピオンの横山遥希(#1)と小川孝平(#912)が続くと、まずは横山がトップに立ちました。1周目は横山、大城、3秒ほど間隔を開けて小川と内田篤基(#39)と川上龍司(#40)のトップ5。ところが2周目、大城が転倒により後退。その大城は、2周目を5番手でクリアしました。3周目の段階でトップ横山は約6秒のリード。2番手を守る小川の後ろには内田と大城と川上と森優介(#43)が、やや縦長に続きました。そしてレースは、横山が独走でフィニッシュ。小川が2位、内田が3位、大城が4位、川上が5位でした。
B組は、IAルーキーの中島漱也(#01)がホールショット。これに大倉由揮(#31)や大木汰一(#42)らが続くと、追い上げてきた浅井亮太(#41)が3番手浮上。1周目は中島がトップを守り、浅井、大倉、大木、自身およびチーム母体ともに熊本の石浦諒(#954)の上位5名となりました。2周目、大倉は浅井を再逆転して2番手浮上。3周目にペースを上げ、トップを走る中島との距離を詰めました。レースが後半に入った4周目以降、中島のペースがやや落ち、これで大倉がさらに接近。5周目には、ついに大倉が中島を抜きました。そして大倉がトップ、中島が2位、浅井が3位、大木が4位、石浦が5位でゴール。両組の結果により、IA2の予選トップ10は横山、大倉、小川、中島、内田、浅井、大城、大木、川上、石浦となりました。
【レディース】
出走台数は29台で、決勝のグリッド数を下回ったことから、3周の予選レースは決勝のスターティンググリッド選択順位を決める戦いになりました。ホールショットは楠本菜月(#18)。これに開幕から2連勝で今大会を迎えた川井麻央(#3)と、昨年度チャンピオンの本田七海(#1)が続きました。1周目は楠本がトップを守り、川井と本田が肉迫。ところが2周目に入ったところで本田は転倒を喫し、久保まな(#4)や小野彩葉(#5)らが先行しました。
本田の転倒とほぼ同じタイミングで、川井が楠本を抜いてトップに浮上。すると川井は一気にペースを上げ、楠本以下を引き離して独走状態を築きました。楠本は2番手を守り、その後方では久保と小野と本田が3番手争い。最終ラップに入ったところで、小野と本田が相次いで久保をパスすると、小野は2番手の楠本に迫りました。しかし順位は変わらず、川井がトップ、楠本が2位、小野が3位、本田が4位、久保が5位、井川実乃里(#6)が6位となりました。