全日本モトクロス第5戦観戦のポイント
2022年10月8日(土)~9日(日)に開催されるD.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ第5戦HSR九州大会。その舞台となる熊本県・HSR九州のコース概要やアクセス情報および周辺状況、現地での楽しみ方、レースの注目ポイントなどをお伝えします!
空港から最も近い全日本モトクロスコース
前戦にスポット参戦した米国AMAトップライダー、下田丈選手に対する興奮がいまだ冷めやらぬ日本のモトクロス界。その第4戦から約1ヵ月が経ち、第5戦HSR九州大会は10月8日(土)~9日(日)に開催されます。今季も全7戦が予定されているD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ。シーズン前半は各戦のインターバルが長めでしたが、この第5戦から最終戦までは2週ごとの開催となる連戦です。
第5戦のコースは、今季開幕戦の舞台ともなった熊本県菊池郡大津町のHSR九州。ホンダの国内二輪車生産を一手に担う熊本製作所に隣接された、モータースポーツ&安全運転講習の施設です。ここは、羽田空港などと多数の航空便でつながる熊本空港から、約11kmの至近距離。もちろん、九州地方のモトクロスファンがバイクやクルマで訪ねるのもオススメですが、首都圏や関西のファンが阿蘇観光ついでに飛行機往復で観戦するのにも向いています。
コースは、熊本空港でレンタカーを借りたら約20分でアクセス可能。しかも熊本空港では、阿蘇くまもと空港駅(JR肥後大津駅)と空港を結ぶ無料かつ予約不要の空港ライナー(シャトルバス)がほぼ30分に1本ペースで運行されていて、これを利用するとHSR九州まで約4kmの地点まで無料で近づけます。この阿蘇くまもと空港駅からタクシーなどを利用すれば、クルマの運転ができない人でも会場までたどり着けます!
コースはダイナミックで、飲食関連の出店が充実
HSR九州のモトクロスコースは、広いコース幅とハイスピードなレイアウト、阿蘇外輪山をバックに跳ぶダイナミックなジャンプなどを特徴としてきました。基本的には、阿蘇の噴火に由来する黒土に近年の頻繁な搬入によって山砂が混ざった土質。ただし全日本開催時は、直前のメンテナンス次第で状況が異なることも多い印象です。
コースは、アップダウンがあまりない広大な土地に、簡単に説明するなら「コ」の字状に展開。コースを広く見渡せるポイントがあまりないため、レースごとに観戦地点を移動するとか、最初にちょっと歩いてお気に入りの観戦ポイントを探してみるのがオススメです。ハイスピード区間が多いのも特徴なので、ぜひその迫力を味わえる観戦場所を探してみてください。
ちなみにこのHSR九州で開催される全日本は、飲食ブースの出店がとくに充実している傾向。唐揚げや牛串やからし蓮根やいちごスイーツなど、熊本や周辺地域の魅力を感じさせるグルメが、毎回たくさん販売されています。ぜひ、こちらもお楽しみに!
IA1はこのライダーに注目!
全日本最高峰クラスのIA1は、開幕から4大会9ヒートを終えた段階で、ヤマハファクトリーチームの富田俊樹選手(#2)が4勝をマークして187点でランキングトップ。カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#3)が、1勝ながら2位を4回獲得して148点でランキング2番手につけています。第3戦終了時点でIA1ルーキーながらランキング3番手だった、ホンダのマシンを駆る大城魁之輔選手(#22)は、ケガにより第4戦を欠場してランキング5番手に後退。これでヤマハファクトリーチームの渡辺祐介選手(#4)がランキング3番手に浮上しましたが、トップの富田選手とは81点差もあります。
このため、現状では富田選手と能塚選手にチャンピオン争いは絞られ、なおかつ39点リードの富田選手が圧倒的に有利な状況と言えるでしょう。この第5戦HSR九州大会は、第2戦関東大会以来となる1大会3ヒートの戦いとなり、決勝レース時間は15分+1周。富田選手は、同じ会場で開催された30分+1周の今季開幕戦では両ヒート制覇を達成し、15分のスプリントレースだった第2戦では5位と1位と2位。能塚選手も、地元の九州大会や超スプリントレースで毎回速さを発揮してきましたが、富田選手にも死角はなさそうです。
なお、9月第4週末にはアメリカで国別対抗戦となるモトクロス・オブ・ネイションズが開催され、本来代表選手のひとりとして参加予定だった大城選手の代役として、全日本では現在ランキング6番手につけているホンダライダーの大倉由揮選手(#23)が参戦。ネイションズでさらにレベルアップした大倉選手の走りにも期待しましょう!
IA2はこのライダーに注目!
若手中心で競われるIA2クラスには今季、若手育成や技術開発などの幅広い役割を目的として、ヤマハファクトリーチームがオーストラリアのトップライダーであるジェイ・ウィルソン選手(#16)を起用してフル参戦。体調不良で臨んだ第4戦近畿大会でも両ヒート優勝を達成し、ここまでシーズン全勝をマークしています。このクラスは、この第5戦を含めて残り7ヒート。ウィルソン選手が、30分+1周の2ヒート制となる今大会でも両ヒート制覇を達成すると、ランキング2番手となっているヤマハ勢の浅井亮太選手(#21)とのポイント差が131点以上となるため(現在123点差)、2大会を残してウィルソン選手のシリーズタイトル獲得が決まります。
一方でランキング2番手以下は大混戦。浅井選手が102点、ホンダのマシンを駆る柳瀬大河選手(#10)が101点、ヤマハマシンの中島漱也選手(#5)が90点、同じくヤマハに乗る小川孝平選手(#17)が87点で、このあたりまでが日本人勢のランキングトップを争ってきました。どの選手も、不調やケガによる欠場などでポイントを大きく取りこぼした大会があり、今大会もなかなか読めない状況。ランキング7番手ながらモトクロス・オブ・ネイションズ帰りとなるヤマハの鳥谷部晃太選手(#4)を含め、多くのライダーに注目しておきたいところです。
Ladiesはこのライダーに注目!
今季第3戦までは、ホンダ4ストマシンを駆る小野彩葉選手(#4)が、開幕戦で全日本初優勝を達成して第2戦でも勝利を収め、第3戦はではペナルティによる降格があったとはいえトップチェッカーを受けての2位。これによりランキングトップにつけていました。しかし小野選手は、今季初の2ヒート制となった第4戦では、体調不良などがあり両ヒート7位。一方でこの第4戦では、名阪スポーツランドをホームコースとしてきたホンダ4ストの久保まな選手(#3)やヤマハ2ストの本田七海選手(#2)が速く、ヒート1では久保選手、ヒート2では本田選手が勝利を収めました。
久保選手はヒート2でも2位となり、この第4戦で総合優勝。これによりポイントランキングは、小野選手が88点、久保選手が87点、本田選手が80点と大混戦になっています。さらに、昨年度女王の川井麻央選手(#1)が69点でランキング4番手。15分+1周の決勝1レースとなるこの第5戦で、このポイント差がどのように変化するのか注目が集まります。
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