2011MFJ全日本モトクロス選手権
第9戦 九州大会 /
熊本県/HSR九州
2011年11月5・6日開催
天候:雨時々曇り 気温:22度 コースコンディション:マディ
観客:5,500人
IA1の成田亮、IA2の三原拓也がタイトル獲得を決定!
成田は国際A級クラスでのヒート100勝も達成!
東日本大震災の影響によるスケジュール変更により、今季第9戦として11月第1週末の開催となった九州大会。その舞台は、ホンダの熊本製作所敷地内にあるHSR九州だった。熊本市内から20km弱、雄大な阿蘇山からも20km弱、熊本空港までは約10kmと、全日本の観戦と同時に周辺観光がしやすいのも、HSRの魅力。しかも、HSRがある大津町には、ホンダをはじめとする大型工場の出張者に対応して、多数のビジネスホテルがある。
昨年は、九州地方を襲った口蹄疫の拡大を防ぐために中止され、今回が2年ぶりの開催となった九州大会。HSRでの全日本開催は、これが通算21回目となった。
阿蘇の火山灰による黒土と、長年のメンテナンスで持ち込まれた褐色土が混ざった、独特な土質のHSRは、雨天時にはかなり過酷なコンディションになることでも有名。そして今大会は、予選が行われた土曜日から雨混じりの天候。決勝日の朝から激しい雨が降り、各クラスの決勝は完全なるマディコンディションで行われることになった。
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●IA1ヒート1
IAクラスの自身通算100勝にリーチをかけ、今大会の決勝ヒート1を迎えた成田亮(#982)。ドライでも全日本最速だが、マディレースではさらに驚異的な速さをみせるその成田が、好スタートを決めると1周目からトップを走行。これに、この熊本が地元の福留善秀(#13)が続いた。1周目から、コースの各所でスタックするライダーが続出。なんと、成田とシリーズタイトルを争うランキング2番手の熱田孝高(#1)も、いきなりほぼ周回遅れに!
2周目、福留が成田に接近し、新井宏彰(#331)までの3台がトップ争いを展開。翌周以降、成田が後続との差をやや拡大。福留と新井が2番手争いを繰り広げた。レース中盤の7周目、成田と福留の差が急激に詰まったが、成田はその後に速さを取り戻して独走。福留と新井のバトルは、ラストの3周で新井が大きくペースを落として決着。成田が、4位以下を周回遅れにして優勝し、ヒート100勝を達成。福留が2位、新井が3位に入った。
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●IA1ヒート2
ヒート1で熱田が12位に終わったため、このヒート2で成田が優勝して熱田が3位以下、成田2位なら熱田4位以下、成田3位でも熱田が5位以下なら、成田のシリーズタイトル獲得が決まる状況に。スタート直後、好スタートを決めた熱田は成田の前を走行。しかし1周目に成田が順位を上げ、福留、成田、熱田の順となった。2周目、早くも成田がトップに浮上。しかし福留も粘りをみせ、一度は拡大した成田との差を徐々に削っていった。
そして6周目に、福留が成田をパス。しかしすぐに成田が抜き返すと、翌周から成田は一気に福留との差を拡大していった。3番手だった熱田は、7周目にスタックして9番手に後退。これで3番手に浮上した小島庸平(#44)を、終盤に増田一将(#6)と平田優(#7)が追った。そして最終ラップの13周目、平田が3番手に浮上。成田、福留、平田、小島、増田の順でゴールした。そして成田が、福留以外の全員を周回遅れにする圧倒的な速さを見せつけ、今季の王者に!
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●IA2ヒート1
雨が激しく降る中でレースがスタート。星野裕(#123)が1周目をトップでクリアした。“マディマイスター”として知られる井上眞一(#38)は、1周目4番手の位置を確保すると、2周目に2番手、そして3周目にはトップに浮上。6周目にややタイムをロスして星野に首位の座を譲ったが、翌周には再びトップに返り咲いた。同じ周、後方から追い上げてきた加藤吏一(#555)が、星野をパスして2番手にポジションを上げた。
9周目、雨マイスター井上が痛恨のミスでタイムをロスして6番手に後退。これにより、加藤と星野のTEAM TAKASEコンビがワン・ツーとなったが、星野は11周目に大きく後退。星野に代わり中村友則(#411)が2番手となったが、これを13周目に小方誠(#86)がパスした。レースは、14周でチェッカーとなったが、フラッグを先頭の加藤ではなく周回遅れの星野から提示する運営側のミスにより、1周前の順位が正式結果に。加藤が初優勝、2位に小方、3位に中村が入った。
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●IA2ヒート2
マディを苦手とし、ヒート1を15位でゴールした、シリーズランキングトップを守っている三原拓也(#37)。しかし、シーズン序盤からの大量アドバンテージにより、15位以内に入れば自力での年間タイトル獲得を決められる状況で、ヒート2を迎えることになった。レースは、ホールショットを奪ってオープニングラップからトップに立った小方が、田中雅己(#113)、池谷優太(#87)といった後続を、序盤から引き離す展開となった。
三原は、1周目を7番手でクリアすると、2周目以降は5〜6番手を走行。コースはひどいマディコンディションで、随所でスタックや転倒を喫するライダーが続出したが、小方はコースが本格的に荒れたラスト数周までは、安定してハイペースをキープ。そのままトップでチェッカーを受け、2ストマシンを駆った04年最終戦以来となる全日本での勝利を挙げた。2位に1周目5番手から追い上げた渡辺学(#88)、3位に池谷が入賞。三原は最終ラップに大きく順位を落としたが12位でゴールし、自身初の年間王者に輝いた。
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