ライアン・ダンジー引退コメント
ダンジーのコメント:
「数ヶ月考え続けた結果、今日、スーパークロスとモトクロスのプロ フェッショナルライダーとしての現役生活から引退することを発表し ようと決めた。まだ実感が湧かない。この決断はとても難しかった。 私はレースを続けることで多くの夢や理想を実現してきたので、モト クロスには言葉では言い表せないほど感謝している。私は努力も重ね てきた。しかしスポーツとは非情な一面もある。モトクロスというス ポーツは特に厳しい。シーズンが長く、多くの犠牲を払う必要がある からだ。ここで頂点を極めるためには絶え間ないトレーニングを重 ね、常に自制心と戦わなければならない。今の私は、フィジカル面で はベスト・コンディションであり、レースの技術も最高潮にある。勝 つための要素が揃っていることには疑いの余地がない。この一方で、 今季の私は常にメンタル面と戦ってきた。私にとってレースとは人生 そのものであり、レースを愛し、レースに勝つことを強く望んでき た。しかし、今年はいつもと違っていた。レースに向かう心の変化 は、私に多くのことを気付かせてくれた。今後もこれまで通りにレー スに出場し、契約金を手にすることもできただろう。しかし、これは 自分が理想とするレースではないし、なにより自分らしくもない。 いまから10日ほど前、最終戦が行われたラスベガスの表彰台で、私 は、今シーズンのタイトル獲得はこれまでの人生でもっとも価値ある ものだと述べた。それほど今シーズンのタイトル争いは厳しかった。 この戦いはコースから離れていた時でさえ続いた。常に自分を鼓舞 し、自分を信じ続けてきた。そうして獲得した3年連続のタイトルは 2017 年 5 月 18 日 Press Information 誇りであり、これ以上の喜びはない。私はこのスポーツを愛してい る。しかし今、このレースから離れる心の準備ができた。支えてくれ た多くの人々に祝福され、健康な状態でレースキャリアに終止符を打 てることを幸せに思う。私はレースで全ての目標を達成できた。もち ろん今後も、愛するモトクロスに携わり、モトクロスがよりいっそう 発展するために尽くしたいと考えている。今はすでに、次の人生でど んなことが起きるかを想像し、期待で胸が高鳴っている」
ダンジーは、ミネソタ州出身の27歳。AMAスーパークロスでは、今 回の3季連続チャンピオンを獲得に加え、2012年にもタイトルを獲得 し、450SXクラスでは通算4回にわたり王者となりました。また、ア ウトドアで行われるAMAモトクロス選手権(AMA-MX)では、2010 年、2012年、2015年にタイトルを獲得。2009年は、AMA-SX250クラ ス西地区とAMA-MX250クラスでもチャンピオンとなりました。 さらに2009年から2011年にかけて、モトクロスレースの国別対抗戦 「Motocross des Nations Championships(モトクロス・デ・ネイシ ョンズ・チャンピオンシップ)」にアメリカ代表チームの一員として 参加し、タイトル獲得に大きく貢献しました。 ダンジーのキャリアは、レーストラック上にとどまりませんでした。 彼は偉大なアスリートとしてスポーツ界に多大な功績を残しました。 アメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』が主催するスポーツ選 手の年間表彰式「ESPYアワード」において、2015年に続き2016年も “Best Male Action Sports Athlete/最優秀男性アクション・スポーツ・ アスリート”を獲得しています。さらに、2016年はシリアル食品のト ップブランド『Wheaties(ウィーティー)』のパッケージにも起用さ れました。Wheatiesは、1924年に誕生して以来、アメリカのトップ アスリートをシリアルの商品パッケージ・キャラクターに起用してお り、これまで、ベーブ・ルース(野球)やモハメド・アリ(ボクシン グ)、マイケル・ジョーダン(バスケットボール)やタイガー・ウッズ (ゴルフ)などが起用されてきました。 ダンジーはライダーとして初めてWheatiesのパッケージに起用された アスリートで、アメリカのモトクロス史にマイルストーンを築きまし た。