2026年のみどころ

2026年の全日本モトクロス選手権はココに注目
体制変更多めのIA1、王者不在のIA2、新旧女王再激突のレディース!

2026年の全日本モトクロス選手権は、昨年より2戦も増えて全9戦のシリーズに。
その開幕戦は、例年よりだいぶ早めとなる3月15日(日)に、初の全日本開催となる三重県・いなべモータースポーツランドで実施されます。
それに先立ち、今シーズンの概要や各クラスの見どころなどを、凝縮してお届けします!
念願の中部、復活の北海道で全9戦に!

今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、うれしいことに昨年より2戦も増え、全9戦で実施されます。
開幕戦は、現役の全日本フル参戦ライダーにとっては全員が未経験となる、30年ぶりの中部大会。「ダートフリークカップ」として、ワンデースケジュールにより3月15日(日)に実施されます。
また第6戦は、2年ぶりとなる北海道上陸。北海道千歳大会として、2023~2024年と同じく新千歳モーターランドで開催されます。

昨年復活した、広島県・世羅グリーンパーク弘楽園での中国大会は今年も健在。
埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジでは第3戦と第8戦、、宮城県のスポーツランドSUGOでは第4戦と最終戦、熊本県のHSR九州では第2戦、奈良県の名阪スポーツランドでは第7戦の実施が予定され、北は北海道から南は九州まで、全国各地で熱戦を生で観られるチャンスが昨年以上に増えました!
2025年導入の新ポイントスケールを継続

2020年に初導入された1大会3ヒート(レース)制が、今年もIA1クラスとIA2クラスの数戦に用いられることから、2026年3月現在の発表では、IA1が年間22ヒート、IA2が年間20ヒート、レディースクラスは各大会1レースで年間9ヒートで競われます。

全日本モトクロス選手権では今季も、昨年に大幅刷新されたポイントスケールを採用。2020年以前は20位以内、2021~2024年は15位以内に与えられていたポイントが、30位以内の完走者(優勝者の75%以上の周回数を完了したライダー)に付与されます。
全日本の決勝フルグリッド数は30台。つまり、完走扱いになればポイントが付くことになります。
これにより優勝は35点、2位は32点、3位は30点、4位は28点、5位は26点、6位以下は25~1点が1順位下がるごとに1点減って付与されることになり、上位でゴールした場合の1順位によるポイント差は以前よりも減少。
毎レースの上位入賞を前提するなら、シリーズランキングは混戦傾向となります。
一方で、レースをリタイアした場合、最大でとりこぼすポイントは35点に増加。
チャンピオン争いに加わっているような有力ライダーが、レースを途中でリタイアしてノーポイントに終わった場合、ライバルとより大きな差がつくことになります。

昨年、この新ポイントスケールに泣いたのは、2022年にIA2クラス、2023~2024年にはIA1クラスのシリーズチャンピオンに輝いたヤマハのジェイ・ウィルソン選手。
最終戦のヒート1で負傷してリタイアに終わり、ヒート2にも出場できなかったため、ホンダの大倉由揮選手が逆転でシリーズタイトルを獲得しました。
じつは、昨年の結果を2024年以前のポイントスケールで計算すると、ウィルソン選手が318点、大倉選手は278点で、最終戦に突入する前にウィルソン選手のタイトル防衛が決まっていたことに……。
リタイアを避けてコンスタントに上位でゴールすることが新ポイントスケールではいかに重要か、証明するようなシーズンとなりました。
●現在のポイントスケール1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位11位12位13位14位15位35323028262524232221201918171616位17位18位19位20位21位22位23位24位25位26位27位28位29位30位151413121110987654321※MFJ-GPは上記+3点を獲得
希望ゼッケン制度がようやく復活!

2020年シーズンを最後に一度は廃止された、ライダーが希望のゼッケンナンバーを選択できる制度が、今季から待望の復活。IAルーキーゼッケン(01~05)を除く、すべての全日本格式クラス(IA1、IA2、レディース、IBオープン)が対象で、このうちIA1とIA2の前年度ランキング上位および過去5年以内のチャンピオン経験者には、無料申請の権利も与えられています。

申請料金は11万円または22万円とあって、これまで同様に前年のシリーズランキングなどに基づいて割り振られたナンバーをそのまま使用するライダーもいる一方、以前に使っていた慣れ親しんだナンバーや、誕生日などに由来する数字を選択してシーズンに臨むライダーが多くいます。
今年はぜひ「数字」にも注目を!
新王者の大倉由揮選手に強豪たちが襲い掛かる!

4スト450ccマシンでの参戦が主流となっている、全日本最高峰のIA1クラス。昨年は、3連覇に挑んだヤマハファクトリーチームに所属するオーストラリア出身のジェイ・ウィルソン選手が、再びシーズンをけん引しましたが、最終戦のヒート1で負傷して2レースともノーポイント。
しぶとく喰らいついていた、ホンダの大倉由揮選手が最後に逆転して、IAクラスで自身初となるシリーズタイトル獲得を果たしました。

今季、IA1クラスは計4戦で3ヒート制が予定されており、全22レースで競われるシーズンに。ディフェンディングチャンピオンとして臨む大倉由揮選手(#1)はホンダのトップチーム、ジェイ・ウィルソン選手(#2)はヤマハファクトリーチームからの参戦でいずれも体制は大きく変わらず、今年もチャンピオン争いの中心となりそうです。

ただしこの2名以外にも、活躍が期待されるライダーは多くいます。まずは今季からファクトリーチーム入りを果たした、ヤマハの大城魁之輔選手(#3)とカワサキの内田篤基選手(#97)は、表彰台登壇の期待大。
大城選手は昨年も、第4戦ヒート2で優勝を獲得しています。昨年第6戦ヒート3で2位となったタイ出身のジラッ・ワンナラ選手(#23)は、「Honda HRC Asia」の体制で今季フル参戦。
昨年は2戦にスポット参戦し、成績にはムラがあったものの、日本人ライダーの強力なライバルに成長する可能性もあります。

昨年は、ファクトリーチーム入りした内田選手を上回る自己最高のランキング4位を獲得した大塚豪太選手(#4)は、今年も「T.E.SPORT」から参戦。新たにピレリタイヤを履き、悲願の初優勝を狙います。
昨年はIA1ルーキーながらランキング6位を獲得した西條悠人選手(#311)は、今年もカワサキのマシンで参戦。同じくIA1ルーキーだった昨年はランキング7位となった浅井亮太選手(#7)は、チームを移籍してこれまでと同じくヤマハを駆ります。

これまでカワサキファクトリーライダーとして活躍してきた能塚智寛選手は、昨年限りで全日本現役引退。
昨シーズンもウィルソン選手とバトルを演じた横山遥希選手は、オーストラリア選手権に集中するため全日本参戦を休止しています。
一方、2年連続でケガに泣き、昨年は3年ぶりにシーズンを通して戦うことができた2017年IA2クラスチャンピオンの渡辺祐介選手(#110)は、新たに立ち上げた自身のチームから、マシンをホンダにスイッチして参戦。
昨年のIA2クラスランキング6位を獲得した池田凌選手(#47)は、ホンダ系チームに移籍してIA1クラスにステップアップします。

なお開幕戦には、2022年にIA1クラスのシリーズタイトルを獲得し、2023年限りでフル参戦を終え、現在はヤマハの開発ライダーを務める富田俊樹選手(#317)がスポット参戦!
中島漱也選手は海外へ。再び王者不在のシーズンに!

主に4スト250ccマシンが参戦するIA2は、フル参戦するライダーのほとんどが若手と中堅。
昨年は、ヤマハの育成チームに所属する中島漱也選手と田中淳也選手が最終戦までシリーズタイトルを争う一方、中島選手と5戦にスポット参戦したブライアン・シュー選手の激戦が注目を集めました。
そして中島選手が2年連続チャンピオンに。田中選手が自己最高のランキング2位を獲得しました。

今季、その中島選手はさらなるステップアップを求めてオーストラリア選手権に参戦。全日本での活動は基本的に予定されていない模様で、年間20レースで競われるIA2クラスは、2024年以来となるチャンピオン不在のシーズンを迎えます。
そのため、チャンピオンの有力候補となるのは昨年度のランキング上位勢。今季もヤマハのバックアップで参戦する田中淳也選手(#55)、昨年同様カワサキのマシンを駆る鴨田翔選手(#122)、これまでのホンダからカワサキにマシンをスイッチした横澤拓夢選手(#240)、昨年の第5戦ヒート2で全日本初優勝を挙げたホンダ系チームの吉田琉雲選手(#46)までが昨年のランキングトップ5で、今年も活躍に期待が集まります。

加えて、昨年はシーズンオフのケガにより序盤2戦を欠場してランキング10位に終わったものの、後半戦で2位と3位を獲得して表彰台に立った柳瀬大河選手(#51)も、上位争いに喰い込んでくること必至。
所属していた横澤選手のチームが、今季からカワサキにスイッチしたため、柳瀬選手はここを離れてホンダのトップチームから参戦します。
なお昨年のIBオープンクラスでランキングトップ5となり、IA昇格を果たした笹谷野亜選手(#01)、島袋樹巳選手(#02)、名島玖龍選手(#03)、高木碧選手(#04)、外間大詩選手(#05)はいずれもIA2クラスに参戦。
ルーキー勢の飛躍にも期待しましょう!
これまで以上に激戦の予感!?

ホンダの4スト150ccとそれ以外の2スト85ccマシンが混走するレディースクラス。昨年は、ホンダ4ストに乗る川井麻央選手が連勝を重ね、最終戦で競り負けてシーズン全勝こそ逃しましたが、3年連続5度目のシリーズタイトル獲得を果たしました。

今季、その川井麻央選手(#1)には強力なライバルたちが立ち向かいます。まず、昨年はIBオープンクラスに挑戦するためレディースクラスへの参戦を休止していた2019年チャンピオンの本田七海選手(#33)が復帰。ヤマハ2ストを駆る本田選手は、2023年と2024年にも川井選手とし烈なタイトル争いを繰り広げています。
さらに、ケガによる前半戦の欠場で昨年はランキング14位に終わったものの、最終戦では川井選手に勝利したヤマハ2ストを駆る川上真花選手(#14)も速さが光ります。

ホンダ4ストを操り昨年度のランキング2位となった箕浦未夢選手(#2)は、序盤の速さを活かせるかが初優勝獲得のカギ。
KTMの2ストマシンを駆り飛躍する大久保梨子選手(#3)、ヤマハ2ストの穗苅愛香選手(#4)、ホンダ4ストの楠本菜月選手(#5)、カワサキ2ストの松木紗子選手(#6)といった昨年度のランキング上位勢も、虎視眈々と初優勝のチャンスを狙っています。